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2022年購入ボトル振り返り

 年末恒例の購入ボトルのデータ整理し、備忘録として雑感を記載します。
 人様に見せる体裁になっておりませんので、お目汚しすみません。

地域・種類別の本数

ウイスキー地域・酒類別 購入本数
ウイスキー地域・酒類別 割合

 ウイスキー購入は、100本を少し越えたくらいになりました。
 内訳は1位はアイラで20本。そのあとにジャパニーズ、キャンベルタウンと続きます。

考察:
 昨年の1位はスペイサイドが31%、アイラ15%、キャンベルタウン11%、ハイランド11%、、、と続きましたので、かなり傾向が異なりました。
 アイラは、昨今価格高騰が特に激しく、ややリーズナブルな感じがするリリースはどんどん買いました。特に、一部のボトラーズの1990年前後蒸溜のシークレットアイラはクオリティーが鉄板ですし、オフィシャルのアイラフェスのリリースや25年なども今の価格ならまだ割安感があり、かなり購入しました。
 ジャパニーズウイスキーの増加は、とにかく今年はジャパニーズのニューリリースが多かったことが原因です。例年だとジャパニーズウイスキーはベンチャーウイスキーの秩父くらいしか購入しないですが、今年は3、4年ものリリースが多く、津貫、厚岸、長濱などいろいろ買いました。
 キャンベルタウンモルトは、当然スプリングバンクが好きなので、毎年多数本買いで、コンスタントに本数があります。このところ、定価で購入できる機会が減ってきているので、今後はやや心配ですが…。
 逆にスペイサイドモルトが減ったのは、昨年はインペリアルやシークレット表記のややリーズナブルなマッカランのリリースが多かったので、そのあたりを購入していた分がなくなっていたのかなと思います。
 ウイスキー以外については、ラムも高価格化していて、カロニなどびっくりする価格になっていますが、そこまで好きな味ではないので1本抱えるほどだと感じるものは今年にはありませんでした。コニャック、カルバドスは質の高いものは見つけたら刈り取るんですが、いかんせんこちらも高価格化で、スペックだけ見て購入するような冒険をすることがなくなりました。

購入価格

 2022年は1ボトルあたり平均¥31,942、中央値¥22,432となりました。
(純粋なボトル単価とは異なり、実際には送料や関税も含めています。これは個人輸入のボトルは送料等含めないとフェアではないためです。)

購入代金別の本数
高かったボトルTop5

考察:
 2021年は平均¥29,235、中央値¥26,180でしたので、平均は上がり、中央値は下がったという分布になりました。
 最高額ボトルが年々更新されるのが常なので、分布は上に広がりましたが、一方で上述のように今年はジャパニーズのニューリリースが多かったので、比較的低価格帯に小さいピークができてこのような変化になりました。
 このように低価格ボトルが多い年は珍しく、来年はもっと絞った購入をしたいなと思います。
 高かったTop5については、説明不要に当然高額になりそうなスペックのボトルたちですが、日本で買ったから安かったLongrowや、海外で買ったから安かったArdbegやRosebankなど、為替やボトリング時期の影響をうまく最小化しながら購買できました(たまたま運がよかっただけという可能性もあります。また、Rosebankはそこまで欲しくはなかったが抽選に当たってしまったので運がよかったのか悪かったのかわからない)。
 買いたかったけど買えなかったのは、
 ・Glenallachie 16y Billy Walker 50th Present edition DB
 ・Hazelbarn 21y DB
 ・Springbank 30y DB
 ・Glendronach Grandeur batch11 DB
 ・その他アイラのいろいろなリリース(殊にLaphroaig, Bowmore)
 でした。ま、海外ではプレ値ならまだ買えますが。

その他のデータ

国内購入が71本、海外個人輸入が39本でした。
個人輸入数がかなり減ったのですが、ぼくは年々、購入ボトルはオフィシャルのリミテッドや長熟志向が強まっていて、わざわざ為替で負けている海外で買わなくても正規輸入を待てるのが今年でした。ただ、国内小売もかなり中間マージン取っている例も散見されていて、円安でもラフロイグ25年なんてのは個人輸入のほうが国内販売価格の2,3割安かったですね。どちらで買うかはその都度判断で、難しいですね。

総評+α

Ⅰ. 2022年購入ボトル反省会

①もっと本数を絞るべきだ
 常時40本以上が家で開栓済みで、好きな銘柄のオフィシャルなどはもうとっくに2、3周もしているような状況の上で、新たに1本かかえて飲むほど美味しい、もしくは、繰り返し飲みたいのかということを考えると、買わなくてよかったかもしれない購入ボトルはいくつかあります。結局、反射的に購入してしまうものを減らしたいということなのですが、自分で購入する方は皆さん経験する月並みな課題かなとは思います。結局抱える価値があるボトルと自分の舌の満足感を考えると、理想は、10~20万を年に10本くらいの買い方したいです。そうなると、現行だけじゃなくオールドやオークションも検討しないといけないです。
②抱き合わせ・ウイスキーくじは買わない
 年末に1回だけ抱き合わせ販売の商品を買ってしまいました。くじはちゃんと買わなかったので、目標達成。
③同じスペックばっかり買うべからず
 シークレットのマッカランやラフロイグ30年、1995くらいのインペリアル、40年以上のグレーン、などなど。好きだし、おいしいからいいや!と思っている自分がいるので、治りません。
④プライベートボトルやダブルネームだと買いだ!みたいな反射はNG
 つい3年前くらい前なら質がよいものが多かったですが、昨今は完全に玉石混交になってきた印象があります。なかには売れ残りも多いですし…。名古屋のB●RNSさんの周年ボトルたちは良リリースで、買ってよかったものも多かったです。さすがに20とか30周年とかは良いリリースみたいな先入観、捨てられないです(笑) あとは台湾や中国のボトラーは余分にマージン入るのでさらに高価格になって買わなくなってきてしまいました。
⑤もっとオールドを買おう
 誕生日年ヴィンテージが30年熟成を越えて久しいですが、そろそろ枯渇気味&高騰が止まらない。ということで、誕生年ボトリングを買い始めるべきだなと思っています。結局現行でも10万くらい出さないといけなくなってきていますし、オールドも選べば£700くらいからちょこちょこ海外に落ちてますよね。
⑥Whiskyfun, Whiskynote, Whiskybaseの評価に囚われすぎない。
 これまで3年以上自分の購入戦略として、海外で先行発売されたものを全スクリーニングし、買いたいもの、売り切れが早いものやすぐプレミアム価格になるもの、Ratingサイトで高評価なものをピックアップして、個人輸入で買う、買えなかったら日本販売で予め網にかける、という買い方でした。それで良い買い物もたくさんできたのですが、一方で他人の評価や市場の流行に左右されすぎるきらいがあります。特に市場評価はこの数年で驚くほど変化していて、一部の蒸留所は無条件で即売り切れ・プレ値ですし、実際の価値に見合っていないのが実情です。
 もう在庫はバー一個分くらいになりましたから、スペック買いやトレンド買いに走らず、もっと自分の舌や感覚を中心に据えた買い方をしたいと思います。ですので、すこし前のリリースの現行はオークションには豊富ですし、オールドもバー飲みで好きなものはわかっているわけですから、果敢に高額を狙っていってもいいのかなと思っています。

まとめると、現行に限らず、10~20万円くらいの価格帯のボトルを年に10本くらい買うくらいにとどめる。現行販売ボトルの全スクリーニングはやめて、自分の舌で試して感じたものをすこし遅れてもいいから購入する。
これが2023年の方針なのかなと思います。

Ⅱ. 高価格化に思うこと

 昨年は、現行ボトルの高価格化がさらに進んだ年でした。SNS等では「今が一番安い」「来年はもっと高くなるぞ、今買え」的な発言をしている方をしばしば見ます。ぼくはこういうった発言を売り手がするのはちょっと残念だなと思っています。発言者たちは高価格化は事実なのだから発言に非はない、むしろ情報提供してあげているから感謝してほしいとさえ見える意図なのかもしれませんが、そういう不安商法的なニュアンスを帯びた発言って、お酒を小売にせよ飲食にせよ、販売する側がやるのは下品だと思うんです。利権があるので、いくらでも煽ると得するわけですから。話は変わりますが、自分は医療の仕事をしていますが、同業者にもお金稼ぐの上手な人がいて、そういう不安商法的なものを巧みに操ってセールスしているわけなのです。お金をかかえこむ高齢者をターゲットに、健康不安を煽って、どっから仕入れたのかわからないような微エビデンスの薬やら民間療法やらを医療と称して、親が売りつけられたら嫌ですよね。程度の差はあるのですが、提供する側と客側の知識のギャップを利用して、不安を煽るというのは、何にせよよくないと個人的には思っています。なので、売り手の方々には、あんまり来年から高くなるから買ったほうがいいよ発言はやめてもらいたいのが自分の考えです。
 自分が逆に売り手側に期待することは、上げ相場に抵抗することです。Shinan●yaさんがやっているように少し前のボトリングのものを当時の仕入れ価格を基準に割安感がある価格で販売することや、旧在庫を今となっては安いよと価値を付加して紹介したり、KINK●さんのように海外在庫を発掘して並行輸入して売ったり、などなどやりようはあるんではないの?と思います。ウイスキーの価格が上がっているからと最近取り扱い始めた小売はたくさんありますが、輸入代理店から言われるがままに貴重ボトルと抱き合わせで買わされているようでは、バブル崩壊後に未来はないですよね、きっと。最初っから全在庫をオークションで競売にかけるショップもありますよね。ま、中国などプレミアム価格でも買ってくれる客を相手にするというのも戦略だとは思います。
 まあ、なんにせよ酒屋さんが潰れると困っちゃうのですが、淘汰されたり、市場原理が働くのは仕方がないことなので、適者生存、売り手と買い手は売買条件で仲良くする必要はないんです。どちらかに一方に意見が傾くことが好ましくないと思っています。
 また、買い手側だって、ウイスキー買いすぎて家計が傾いているような、売り手よりずっと切り詰めた生活しているひともいるはずです(笑)。売り手の言う事ばかり聞いていると、買い手の立場が弱くなってしまうので、お互いいいバランスで適者生存したいものです。

さいごに 
 ぼくが一方的に敬愛する飲み手の方がおっしゃっていましたが、我々は酒販と利害のないただのイチ飲み手ですから、忖度なしで動けて発言できるのが、最も良いところです。(最近ぼくはウイスキー関係に市場参入する企業のなんちゃってアドバイザーみたいなのはしていますが)我々はあくまで買い手・飲み手としての立場で、この荒波市場をサバイブしていく。良いものを安く、豊富に飲みたい、そのためには売り手の言うことばかりきいてられないよというスタンスがあってもいいのかなと思ったりしました。

まとまりがないですが、一旦2023.1.2verでアップします。


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