シェア
テール この物語はフィクションです。 物語に登場する人物及び団体は架 空のものです。実在の人物および 団体とは一切関係ありません。 登場人物 〇坂上ケンタ 未来人。本編の主人公。西暦2325 の未来から、西暦2025年の現代へ 来たタイムトラベラー。 年齢27歳。将来の事業の成功を夢 見る若者。 〇井上綾香 坂上のベンチャー企業に入社し てきた女性。 自動おむつ試作品の開発を坂上と 共同で行う。坂上から試作品の着 用をお願いさ
通りへ出ると、何人かの人間が 歩いていた。 その服装をよく見ると、何か変 だ。 男性も女性も、なんか、下半身 が膨らんでいるように見える。 そういえば、手術着のようなも のから、普段の服に着替えるとき、 パンツが少し膨らんでいるように 感じた。 ズボンをはいたが、パンツに違和 感がある。 街を歩いている人の中には、ズ ボンやスカートを履かないで、パ ンツのまま歩いている人がいる。 男性に限らず、女性もだ。 僕は思わず、歩いている人を指 差した。 「あの人見て
とりあえず、用意してくれた、 この世界の僕の家に向かうことに した。 東横線で、神奈川県の元住吉駅 へ向かった。 元住吉駅から、歩いて5分ほど にある、アパートの一室が僕の新 しい住居だ。 ここから僕の新しい人生が始ま る。 やりたい事は決まっていた。 西暦2025年のこの時代で、西暦23 41年には存在していた、自動おむ つ装置を開発することだ。 会得した、自動おむつ装置の技 術をこの世界で再現したかった。 未来の世界では簡単に手に入っ た材料が、この
試用をして、わかったのだが、 想わぬ不具合が発生したのだった。 「まず、僕が先に試してみるから。 おしっこでね」 トイレに入って、着替えた。 パンツを脱いで、おむつを付けた。 27歳のいい若者が、オムツをし ている。傍から見ると、不格好に 違いない。上にズボンを履いて、 トイレを出た。 トイレのドアの前で彼女が待っ ていた。 「いま、オムツを付けているから。 これから、小の方をしてみるよ」 彼女は僕のズボンの前の膨らみ を好奇心いっぱいで凝視している。 「そん
数日後、不具合を修正し、バー ジョンアップしたオムツを再び、 試してみた。 「井上君! 直したぞ。今度は問 題ない。見てくれ」 「今度は大丈夫ですよね?」 彼女は、疑わしげに僕を見てい る。 「今度は大丈夫だから」 僕はトイレに入って、おむつを 付けて、そのまま、朝のおつうじ をしてみた。 今度は、大も小も、問題なかっ た。 「やったぞ! 完成だ。見てくれ」 脱いだ、オムツを彼女に見せた。 「本当だー。オムツの中はきれい ですね」 「うんうん。やっと完成し
ハンディーマッサージャーの防 水機能にヒントを得て、オムツに も防水機能を付けたら、どうなる かと考えたら、グッドアイデアが 浮かんだ。 「そうだ! これに防水機能を付 けて、防水機能付き水着にしたら どうかな? ねぇ、井上君」 彼女に意見を求めた。 「なんで、水着ですか?」 「いや、オムツではなくて、いっ そ、水着にしてしまった方が、 オムツのイメージより、良いし。 それに、プールの中で、おしっこ をしても、この水着なら問題ない でしょ?」 彼女は、キョトンとして
打ち上げは、赤ちょうちんの焼 き鳥屋で行うことになった。 その焼き鳥屋は、事務所の近所 にある焼き鳥屋で、仕事が終わっ てから時々、足を運んでいた。 玄関には、赤ちょうちんが下がっ ている。引き戸を引いて中に入る と、狭い店内は剝き出しのコンク リートの床に粗末なテーブルとイ スが並べてある。 仕事帰りの、ガテン系のおやじ が、一杯ひっかけてから帰るよう な、安酒を飲ませる店だ。 仕事が終わって、井上綾香と一 緒にアパートを出て、歩いて店の 前までやってきた。
商品の開発は終わったが、これ から、特許申請をして、売り出さ ないといけない。 そのためには、社員を増やして 事務所を、もう少し広い所に移し たかった。 株式投資型のクラウドファウン ディングに依り資金調達をするこ とにした。 SNSや、Twitter などの口コミから も火がつき、資金調達は順調だった。 少し広いオフィスへ移り、社員も30 名ほどに増えた。 画期的な商品の多くは、はじめ は、少数のオタクに広まり、それ から、一般へと、だんだんと普及 していく。ビ