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未来人の僕(回顧録)

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ベンチャー企業から、一代で世界的な大企 業へと育てた男、坂上ケンタ。 坂上ケンタの生い立ちは謎に満ちていた。 彼の死後、パソコンから、厳重に暗号化さ れたファイルが見つかった。 …
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#水着

『未来人の僕(回顧録)』

                   テール  この物語はフィクションです。 物語に登場する人物及び団体は架 空のものです。実在の人物および 団体とは一切関係ありません。 登場人物 〇坂上ケンタ  未来人。本編の主人公。西暦2325 の未来から、西暦2025年の現代へ 来たタイムトラベラー。 年齢27歳。将来の事業の成功を夢 見る若者。 〇井上綾香  坂上のベンチャー企業に入社し てきた女性。 自動おむつ試作品の開発を坂上と 共同で行う。坂上から試作品の着 用をお願いさ

21世紀へ #06

 ハンディーマッサージャーの防 水機能にヒントを得て、オムツに も防水機能を付けたら、どうなる かと考えたら、グッドアイデアが 浮かんだ。 「そうだ! これに防水機能を付 けて、防水機能付き水着にしたら どうかな? ねぇ、井上君」 彼女に意見を求めた。 「なんで、水着ですか?」 「いや、オムツではなくて、いっ そ、水着にしてしまった方が、 オムツのイメージより、良いし。 それに、プールの中で、おしっこ をしても、この水着なら問題ない でしょ?」 彼女は、キョトンとして

21世紀へ #07

 打ち上げは、赤ちょうちんの焼 き鳥屋で行うことになった。  その焼き鳥屋は、事務所の近所 にある焼き鳥屋で、仕事が終わっ てから時々、足を運んでいた。  玄関には、赤ちょうちんが下がっ ている。引き戸を引いて中に入る と、狭い店内は剝き出しのコンク リートの床に粗末なテーブルとイ スが並べてある。  仕事帰りの、ガテン系のおやじ が、一杯ひっかけてから帰るよう な、安酒を飲ませる店だ。  仕事が終わって、井上綾香と一 緒にアパートを出て、歩いて店の 前までやってきた。