「テーラード」とは ?

二回目の投稿になります。

「テーラード・ジャケット」 既製服を含めて、この言葉を見かけることが多くなった気がするのですが、いかがでしょうか。

今回は専門分野の「テーラード」の言葉の意味についてお話ししたいと思います。

「軽衣料」と「重衣料」

「テーラード・ジャケット」 既製服を含めて、この言葉を見かけることが多くなった気がするのですが、いかがでしょうか。

衣料品には、そのボリュームの違いから「軽衣料」と「重衣料」の大きく二つに分かれています。「下着・インナー」「ドレスシャツ」「ニット」など 普段 着用しているものが 軽衣料、対して「スーツ」「ジャケット」「オーバーコート」等の大型のものが 重衣料にあたります。 便宜上 生産や販売をする際の分類にも使っています。

「テーラード」言葉の指すもの

ファッション用語辞典より引用します。

テーラード… テーラー(tailor,仕立て人)「仕立ての」という意味。 素材・型・仕立て方などが 硬く、しっかりと仕立てられたものをさす。従来はメンズウェアに用いられることが多かったが、レディースウェアも、スーツタイプで、マニッシュなデザインが普及。しっかりと仕立てられたテーラリング技術が用いられるように

ファッション用語辞典より

(軽衣料に対して)服地素材の中に毛芯を入れて型作る洋服のことを「テーラード」と呼んで良いかと。世界的な温暖化もあり、毛芯から化学繊維の極薄軽量〜更に、全く使用しない(アンコン)のものもありますが、基本 軽衣料より「あらたまって見える」外観の洋服のことを指していると思います。 「襟」「肩と袖付け」「前ボタン」が大きな特徴です。

「階級社会」と「体型補正」

テーラードには 階級格差の影響があります。

スーツの源流は 英国にあるといわれています。階級社会の英国では、各階級によって着用する衣服の種類が異なりました。一握りの士官や有産階級たちのために考えられた服が「テーラード」だといわれています。彼らの下で働く階級の衣服と差別化することで「統制」に役立てていたようです。

英国・衣料ブランド(今は廃業)の宣伝広告文から引用です。

テーラードは男らしさをきわだだせるスタイルでなければならない」という考え方があります。18世紀以来、貴族や高級士官はこのスタイルを好み、サビル・ロー通りのテーラーに通いました

英国ブランドの広告文より

テーラーは 彼らのために (たとえ貧弱な体型をした人たちでも)スポーツマン体型に見えるように作らなくてはなりませんでした。その結果、カッティングの手法や巧みな縫製、そして適切なパット使い等、理想的な紳士服をつくりだす技術が出来上がったのです

英国ブランドの広告文より

より、グラマラスに。 胸板の厚みを増す、肩に綿を入れる、ウエストを絞ることで 逆三角形体型を演出する等の工夫が見られます。

特に 襟(上襟と下襟)の存在も大きいと思います。 絵画を引き立てる「額」のような役割。 着る人の顔を強調〜映えるよう形成されているようです。

「装うことの楽しさ」

みなさんは この様な経験ないでしょうか ?

テーラードは 体型補正の効果もあり、普段着用の必要が無い職種の方でも(礼装などで)スーツを着ると、周りはその変化に(良い意味で)驚くことがあると思います。ここに装いの楽しさがあると思います。

と… なるべく短く投稿を思っていたのですが。。諸説もあり、異論もあるかもしれません。それでも わたし的には「テーラード」をこんな風に定義しているのです。

では、また投稿させていただきます。