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光源氏を異常性癖だと思っていた

源氏物語を読んで源氏の君の放埒さに舌を巻く読者は多いとこと思う。「誰でもいいんかーい!」とツッコミを幾度となく入れたであろう。

母を亡くして寂しいときにやってきた、それはそれは美しい義理のお母様。まだ幼い源氏の君が懐いちゃって慕っちゃうのは仕方がないよね。
でもさ、その義母の姪っ子が美しくて義母の面影があるからってかっさらって自分好みに育て上げるってなかなかな執念ではなかろうか。
さらにはなんと義母との間にお子まで授かっちゃって、何も知らないで自分の子と思ってる帝の気持ちを思うと胸が張り裂けそうだよ!
誰彼構わず手を出しては一途な女たちの思いを気分であしらう。
ちょっとでも気に入らないところが見えると嫌になっちゃうんだよね、源氏の君は。
たくさんの怨念が集まってできている平安京。
平安貴族は安泰と思っていたけれど、胃が痛くなるような生活を送っていたのかもしれない。

気になるオナゴのルーツは全て義母。
「僕ちゃん藤壺のママンが大好きなんだい!ママンみたいな人がいいんだい!」
義母 is No.1!
怖いって源氏の君。
って思ってたんだけど、それって尋常じゃないくらいの一途ってことなんだよね。
そうは言っても藤壺は源氏の君とのことで病んで亡くなってしまったし、源氏の君の一途さを賞賛はできないかなぁ。

この世の輝きを全て手に入れた源氏の君も歳を取り、玉鬘に「鬱陶しいな、このオッサン…」とあしらわれるのは胸が痛むけれど、平家物語の冒頭文に書いてあった。

【祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。】

源氏の君は沙羅双樹の花で春の夜で塵なのだ。

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