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映画「えんとつ町のプペル」がしぶとい件

プペルを観に行くことを「プペる」と言うそうで、5回観たら「5プペ」とか言うそうです。

ま、それはさておき...

タイトルに書いたとおりです。

映画「えんとつ町のプペル」がしぶといです。

僕の知人のSさんが毎日映画情報をアップしてくれているのですが、それによると去年公開された映画の中で現在トップ10にランクインしているのはなんと「鬼滅の刃」と「プペル」だけ。

「鬼滅」はコミック販売部数1億2000万部、それまで「千と千尋の神隠し」が守り続けていた日本の映画の興行記録を軽々と打ち破ったモンスター映画。

だからいまだに上位に食い込んでいるのもわかります。

ですが、プペルは弱小も弱小。絵本としては異例の60万部超えの大ヒットというものの、それはあくまで絵本というニッチな業界での評価でしかなく、部数だけで比較したら鬼滅の1/200しか売れていません。

世間の知名度は当然鬼滅とは比べ物にならないほど低い状況で、映画公開前から鬼滅はおろか、同時期に上映された他の知名度のある作品(三國志、約ネバ、ポケモンなど...)にもまったく歯がたたないのではないかと思っていた人も少なくなかったと思います。

にもかかわらず2021年2月の時点でまだトップ10圏内に踏みとどまっているのは(鬼滅以外では)プペルだけ。

しかも『さんかく窓の外側は夜』とか『名も無き世界のエンドロール』のような、つい最近公開した若手イケメン俳優をズラッと揃えた作品よりも上の順位でのランクインですからね。

大健闘していると言わざるを得ません。

このプペルの動員の大健闘の裏側には制作総指揮の西野亮廣さんの地道な努力が関係していることは明白で、彼は映画の上映前後にトークショーを開催したり(緊急事態宣言により現在は中止)、「一緒に映画を観る」という企画をしたり、あの手この手で動員にプラスになるような働きかけを自らの身体と時間とアイデアを使って全力で行っています。

それに対し

そんなの西野の知名度(集客力)に頼っているだけ
作品の力だけで勝負しないのは卑怯

と批判する人もいます。

ですが、それを言ったら鬼滅の公開前のメディアをフル活用しての大宣伝はズルくないんでしょうか。

特番組んだり、アニメを再放送したり、公開に合わせて特典を付けたりと、やりたい放題でしたよね。

でもあれに対して

知名度とカネに物を言わせてズルい

なんて声は一切聞こえてきませんでした。

一方、西野さんがやっているのって「一緒に映画を観る」ですよ?

なんかあまりにも規模が違いすぎて泣けてきますよ、僕は(笑)

自分が制作総指揮をした作品が上映中で、幸い自分にある程度知名度があって集客力があるのだったらそれを利用して動員を稼ぐのがむしろ当たり前だと、僕は思うのですが。

わざわざ自分に使える力があるのにそれを封印して映画に人が入らないのと、持っているものをフル活用して映画に人が入るのとどちらがいいんでしょうか。

僕は西野さんの泥臭い動きを見ていると「自分が作った作品を一人での多くの人に届けるという執念」みたいなものを感じます。

動員がふるわない理由をあれこれ並べて自己を正当化するヒマがあったら、一人でも多くの人が自分の作った映画を観に映画館に足を運んでくれるように考えて動くほうが断然カッコいいですね、僕からすると。

プペルはこのブログを書いている時点では動員数がだいたい130万人を超えたくらいです。

このままジワジワと200万人くらいはいくんじゃないでしょうかね。

そして海外での上映も決まりつつあります。2021年の4月から台湾での上映が決定したようです。

アニメの強みは世界に展開できるところなので、ここでどれだけ数字を伸ばせるかも楽しみです。

海外で上映する場合はさすがに「西野と映画を一緒に観る」は使えませんし、使ったところで西野さんの知名度は海外ではほぼゼロでしょうからやったところで意味はほとんど無いと思います。

海外戦略としてどういう手を打ってくるのかも楽しみですね。
 
■追記(2/8)
週末ポケモンと約ネバが盛り返して再びランクインした模様。プペルは銀魂を抑えて4位に浮上。西野さんの同伴鑑賞は回数が減ったものの動員にそこまで大きな影響は出ていないようです。

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