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タイムリープという要素を持たせつつも実は現実的な設定である東京卍リベンジャーズの面白さ

鬼滅の刃、呪術廻戦に次ぐブームが起きている東京卍リベンジャーズ。

一見ヤンキー漫画と思える、このタイムリープサスペンス漫画は巻を追うごとにファンの心を掴み、そして先が気になって気になって仕方がない衝動にさせる。

なぜここまで面白いのかを考えてみると、ヒットするのが必然であることがわかる。


わかりやすい舞台背景に追加されたキャッチーなテーマ要素

週刊少年マガジンからは、有名なヤンキー漫画がいくつも生まれている。

カメレオン、湘南純愛組。
そしてヤンキー教師といえばGTO。

週刊少年チャンピオンにはクローズやワースト。
週刊少年ジャンプにはろくでなしブルースなど。

とにかく舞台背景はヤンキーや不良同士が頂点を取るために奮闘するという設定でとてもわかりやすい。

鬼が出てくるわけでもなければ、当然呪霊なんかも出てこない。必殺技の名前なども出てこない。


そんなとてもリアルでイメージしやすい設定に加えられた要素が『タイムリープ』だ。

非現実的のような要素ではあるが、じつはこれもとてもリアルな設定がされている。

リゼロやひぐらしのように何度死んでも、ある時点に戻るような無限ループというSFが強めなものではなく、現代でも過去でも当然主人公のタケミッチは死ぬことはできない。

そして、過去にタイムリープできるといっても、タケミッチの行き来できる時間軸は12年前と現在という二つの時間しかない。

つまり、12年前に戻ったときに死んだ人は未来でも死んでおり、その人を生き帰らすためにさらに13年前に戻るとか、12年前の死んだ日の1日前に戻るとかができない。

タイムリープ先も現代同様に時間が進んでいるということだ。



この設定はタイムリープという要素を入れつつも、とてもリアルで、『やり直しがきく』というのは先に述べたリゼロやひぐらしとはまた違う意味合いを持つから、読者にハラハラとした気持ち、そして命の尊さを感じさせる。


そして、そんな設定である意味やり直しが聞かないからこその主人公タケミッチの奮闘とそれにより心を動かされるキャラクターの人間らしさが、東京卍リベンジャーズのキャラの人気にもなっているのではないだろうか。

弱くも強いタケミッチと強いが弱いマイキーという2人のキャラ

物語の中心にはこの2人が常にいる。
喧嘩は弱いが、絶対に諦めず、自分に負けない主人公のタケミッチ。そして、喧嘩は最強だが闇を抱えるマイキーという対照的なキャラクターが過去と現実に大きな影響を与えている。

ネタバレになりそうなことは言えないが、ヒロインを救うために奮闘するタケミッチだが、物語はとにかくマイキーの闇落ちというのが波乱の軸となっている。


物語の悪役『稀咲鉄太』の存在

(C)和久井健/講談社

物語序盤からこの稀咲鉄太という男が黒幕のような存在として出てくる。

原作を読み進めると徐々にこの稀咲がどんな人間かわかってくるのだが、これも東京卍リベンジャーズを読み進める上で大きな伏線にも繋がるものになっていく。

これ以上はネタバレになってしまうので書けないが、正義のタケミッチと悪の稀咲という関係も大事なポイントになっている。


ドラケン、場地、千冬など魅力的な人気キャラクターがとにかく多い。

(C)和久井健/講談社

とにかく東京卍リベンジャーズには、魅力的なキャラクターが多く登場する。ドラケンは安定の人気だが、特に場地、千冬とかはかっこよくてたまらない。

原作を読み進め行くと、めちゃくちゃハートフル要素を持つ漫画だというのもわかるはず。

ワンピースのような胸が熱くなるシーンもあるだろう。


黒幕は誰か?別にもタイムリーパーがいるのか?

原作を読み進めるにつれて、黒幕の存在を感じ始める。
伏線が多く散りばめられているこの漫画は黒幕の正体を考察することもでき、まるで名探偵コナンの黒幕を探るような気持ちになる。

例えるならコナンの本筋のストーリー(黒の組織との戦い)だけがどんどん進んでいくような漫画が東京卍リベンジャーズだろう。一話完結の事件とかが起きず、間延びしないこのスピード感も本作の魅了である。

稀咲鉄太が黒幕なのか?タイムリーパーが他にもいるのか?

先が気になってしかたがなくなることだろう。


とにかく先の展開が楽しみな東京卍リベンジャーズの人気は更に加速していくだろう

仮にタイムリーパーがもう一人いて、そのタイムリーパーがタケミッチとは違う時間軸の過去にタイムリープできるとしたら...

先に述べた、タケミッチのリープする過去で死ぬ人が蘇ったり、生きていた人が死んでいたりなんて、設定が広がるわけだが、そのようなことにはならないだろう。きっとならないはず。


原作の最新刊はとにかくめちゃくちゃ面白いところだ。

アニメを見てるかた、映画を観たかたでまだ原作を読んでないというかたは、ぜひ読んでみて欲しい。

数ヶ月後には仲間内で飲むときに、絶対東京卍リベンジャーズの話で花を咲かせることになるはず。

東京出身。7年間の沖縄移住を経て三重県津市へ。沖縄移住応援WEBマガジン『おきなわマグネット』元編集長。神社メディア『sanpai. 』運営。Webデザイン、マーケティング、他制作ディレクションなどを生業としています。年間200社ペースで全国の神社を参拝しております。