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手数料より大事な”何に””いくらで”投資するかということ

どうも日本では投資に関し”手数料”の高さに議論の焦点を当てすぎなように思う。ネット証券は過剰な手数料競争で苦しくなり、投信はパッシブ投資に偏ってきた。仕組み債は昨今問題視されているが、以前よりその”隠れた手数料”を批判する意見が多かったように思う。しかし問題の本質は手数料の高さではなく、”何に””いくらで”投資するかだろう。
仕組み債の問題点は、リスクの極めて高い株式や為替を対象としたオプション取引を内包していることにある。副次的な問題点として、一般的にオプションの取引価格が投資家にとって高すぎることにある(ちなみにこれも含め“隠れた手数料”と言う人が多い。)つまり”何に””いくらで”投資するかの問題なのだ。
昨今市民権を得た「インデックス投資」つまりパッシブ投資にしても、アクティブ投資に比べ手数料が安く、投資環境によってはアクティブ投資よりもパフォーマンスが良い場合もあるから、長期的には得だとされる。アクティブ投資の有効性を疑う「ランダムウォーク理論」は有名だ。しかし手数料が安かろうが”何に”投資するのかの方が遥かに大事ではないか?果たしてS&P500インデックスに今の水準で(”いくらで”)投資するのが賢明かどうかは実は非常に判断の難しい問題だ。手数料が安くても、また500銘柄に分散されていても、投資対象は非常に値動きの激しい株式であるということを忘れてはならない。(もちろん投資時の価格を分散する為の技術として長期積立投資というものはあるが。)

売り手側の手数料の高さだけに目くじらを立てるのではなく、”何に””いくらで”投資するかの方が遥かに投資結果には影響が大きいので、その点の議論と吟味が重要と思うのである。