「最強どん兵衛(きつねうどん)」は、お値段相応の価値があるのか?
日頃、ものすご~くお世話になっているカップ麺ベンダーの皆さん、私の生活を支えていただき ありがとうございます。特に、いつも魅力的な商品を、消費者へ提供され続けている日清食品さんには頭が下がります。その中でも定番の「どん兵衛」は、パッケージに「旨いから売り上げNo1」とまで記載されてる程の、超人気商品の一つ。
ちょっと前から どん兵衛シリーズの中でも「最強」とうたわれた商品が店先に並んでいますが、果たして、その実力・価値は本当にお値段相応なのか?
極めて個人的な私見(いわゆる独断と偏見)ではございますが、お付き合いいただければ幸いです。
最強どん兵衛(きつねうどん)とは
日清食品さんの主力商品の一つ「どん兵衛 きつねうどん」。
今回、どん兵衛シリーズの中でも「最&強 このどん兵衛 すべてが主役」とのふれ込み(と言うか、パッケージにそう書いてある)の商品を試食してみました。
この商品のストロングポイントは以下の4つです。
①厚さアップ※1じゅわっと旨いお揚げ
※1当社従来品比
②後引く旨さ6種の合わせだし※2
※2鰹節・昆布・サバ・煮干し・干し椎茸・あご
③もちもち、のどごし極太うどん
④長野八幡屋磯五郎 特製ゆず七味唐辛子
実食準備
作り方は従来の「どん兵衛」と同じ。
違うのは、
・最初に入れる粉末スープが「最強ブレンド6種の合わせだし」
・お湯を注いで待つ時間が、5分だったのが8分
・後入れの七味唐辛子が「名物ゆず七味八幡屋磯五郎」
になったところ。
(薬味好きなので、自前で刻みネギを用意しました。)
実食
「いっただきま~す」
で、実食した時の感想なのですが・・・
まずは、ふわっと「ゆず七味」の香りが広がり食欲をそそります。
「うどんをツルツル・・・確かに、極太でもっちもちだ」
「スープをゴクゴク・・・確かに、まろやかで旨みがのこる味だ」
「お揚げに齧り付き・・・確かに、ボリュームがアップしている」
等々を実感しながら一気に完食しました。
検討と考察
どん兵衛シリーズの中でも「最強」とうたわれた、日清食品さんの本品にかける情熱や意気込みが伝わってくるほどの渾身の一杯でした。😊
では、4つのストロングポイントについて、そのアピール度はどうだったのでしょうか?個人的な印象ではありますが、以下に整理します。
・極太もちもち麺ののどごし
一番強く印象に残ったのがこれですね。日清食品さんも、あえて「調理時間を5分から8分にのばす」という、もしかしたら、消費者クレームにつながりかねないリスクを冒してまで、「この特製麺の食感でそんな不満を黙らせてやる!」との確固たる信念があればこその判断だったのでしょう。👏
・6種の合わせだし
従来のWだし(東日本は本鰹+宗田鰹、西日本は本鰹+昆布)に、更に4種類のだしを追加ブレンドすることで、複雑な旨みを醸し出しており、マイルドな口あたりなのにその旨みが後に引くというのがすばらしい旨さです。相応に力を入れて得た成果が存分に発揮されたと感じます。😊
・厚さアップのお揚げ
感覚的に、もちろん物理的にも従来どん兵衛のお揚げより、厚みを増したと言うのは間違いありません。じゃ、具体的にどれくらい厚くなったのかと言うと「当社従来品比だけ厚くなった」では、なんだか分かりません。そうですねぇ・・おそらく10%も増してないのでは?(違ってたら、ごめんなさい)味や食感自体は従来のお揚げと同じで、単純に「同じお揚げをちょいとデカくしただけ」と言う印象です。👌
・ゆず七味
従来の「七味」から、有名店とのコラボ開発した「ゆず七味」を採用。ゆずの香りがアクセントとなり、個人的にはすごく良くなったなぁ~と。ただ、ゆずの風味がうどん本来の味に多少とも影響を与えるのは必然で、消費者によって好みが分かれるかもしれません。名物の七味とは言え、本来は料理の旨みを引き立てる役目の薬味と言う位置付けのはず。まぁ、何%かの「ちょっと違うなぁ」と考える消費者を想定した上での、脇役にまでこだわった日清食品さんの判断だったのだろうと推測します。👍
従来どん兵衛との比較
さて、4つのストロングポイント(+その他)についての「価値」の値付けについて検討・考察してみたいと思います。これは、極めて個人的な見解(独断と偏見)に基づいており、実際の原材料費や研究開発費用等を考慮したものではありませんので、あらかじめ断っておきます。
・麺極太化の価値:20~30円
商品の価格帯が「200円後半~300円」である点を踏まえ、消費者に対し最も効果が見込めるこのストロングポイントだけでも「販売価格が1割アップしても売れる」と想定し値付けをしました。実食してこの価値は十分あると評価します。
・6種ブレンドだしの価値:10~20円
スープの味・旨みの決め手であるだしについても、メーカーとして取り組むことに価値のある挑戦だったと思います。とは言え、このクラス~更に高い価格帯のカップ麺では、粉末スープだけではなく、液体スープ、もしくは液体スープと粉末スープとの組み合わせが主流となっている昨今のトレンドを踏まえると、あえて粉末スープだけにこだわった点は腑に落ちません・・。どん兵衛シリーズの調理スタイルを踏襲したかったのか、単なるコスト抑制が狙いだったのか?結果として、従来品の「Wダシ粉末スープ」に対し、劇的に変わったと言うインパクトはなく、若干低めの値付けとしました。
・厚くなったお揚げ:5~10円
確かに厚くなったと思いますが、従来品と比べて、味、食感、材料、作り方って・・同じですよね?多分。つまり、ものは同じで嵩(かさ)増ししただけ感しかありません。なので、価値アップ分は冷静にこのくらいかなと。
・ゆず七味:3~7円
「お好みで七味を」と言われるように、七味を振らない人にとっては何の価値アップ効果はありません。ただし、私個人の好みとしては、ゆずの香りに食欲をそそる効果が感じられたのでプラス評価としました。
さらに考慮すべきポイント:
・調理時間が長くなったこと:-5~-10円
あくまで、「即席カップめん」としての価値として、なるべく早く食べたいというニーズを持つ消費者にしてみれば、待ち時間5分が、8分になったことは「改悪」と捉えられてもしかたないと思います。😠
・シナジー効果:0円
上記の各評価ポイントは個別に行いましたが、これらが同時に効果を発揮することにより生み出され得るシナジー効果(相乗効果)により、個別の効果が積算された全体の価値アップ効果に、更にプラスアルファ的効果があったであろうということは否定できません。・・・とは言え、定量的な価値に換算することは頗る困難であるため、値付けとしては0円としておきます。😯
従来品との差額の妥当性
上記の、極めて個人的見解で値付けした各価値の価格帯中央値から、
「最強どん兵衛の価格」-「従来どん兵衛の価格」
=25円(麺) +15円(だし) +7.5円(お揚げ) +5円(七味) -7.5円(待ち時間)
=45円
です。
一方、「従来どん兵衛」と「最強どん兵衛」の実売価格は、近所のスーパー他をリサーチしたところ、それこそ、以下の一覧表に示す通り、販売しているお店にによってまちまちです。
しかしながら、市場原理により再値付けされた市場価格ではなく、この商品にかける日清食品さんの思いを表した価格、つまり、日清食品さんのホームページに開示されている価格は以下の通りです。
最強どん兵衛:280円(税込302円)
従来どん兵衛:236円(税込254円) 2023/8/13現在
そうなると、最強と従来との差額:44円が、日清食品さんが、従来どん兵衛からこれだけの価格アップをしても、売れて、かつ、利益が出ると判断した値段であると推測されます。
・・まぁ、分析結果がたまたま近かっただけなんですが、少なくとも私個人としては、この差額に納得性があると判断できると言うことになります。
まとめ
「最強どん兵衛」を以下の評価ポイントで評価し、「従来どん兵衛」からの価格アップ分の妥当性について考察しました。
・麺
・スープ(だし)
・具(お揚げ)
・薬味(七味唐辛子)
・調理待ち時間
結論として、メーカー希望小売価格として、従来どん兵衛から44円値上げした販売価格に、(極めて個人的な見解ながら)納得性ありと判断しました。
以上、他愛のない戯言(ざれごと)に、最後までお付き合いいただき ありがとうございます。
「いやいや、あのお揚げのボリュームアップ感の価値 低評価過ぎない?」とか、「シナジー効果が全然評価されていないって変!」だとか、ご意見・ご感想等あれば よろしくお願いします。
おまけ
(文字が小さくてすみません。クリックすると拡大します)