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後ろの黒板にて。 〜今週の地球のお話〜 #1

元県立高校教師の私。
”もしも”教員に戻ったら、というテーマで書いたものです。
高校生になった気分でお楽しみください😊

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アメリカのニューヨークに3週間いた時の話。

私の泊まっていたホステルは、ニューヨーク州から見て西側の、ニュージャージー州にあった。この例えが合っているかはわからないが、先生の中ではニューヨークが東京なら、ニュージャージーは埼玉県や千葉県みたいな感覚。

ニューヨークがあるのはマンハッタン島という島。島の西側の地形なら、Googleマップを使わなくてもわかるようになってきた滞在2週目くらいのころ。

初めて、マンハッタンの東側に行ってみた。目的は、見たかったものは、”国際連合本部”。敷地の内側に、国連加盟国の旗が、ずらーっと一列に並んでいた。その日は風が吹いていたので、バタバタとはためいていた。そして、見つけた。あまりにも多くの国旗があるので、その中から日本の国旗を見つけるのには少し時間を要した。見つけた瞬間は嬉しかった。


ニューヨークの曇り空に、列になって伸びる世界の国旗

とても、心強かった。国際連合本部には、「どんな困難な課題もこの組織ならば戦える!」と思わせるほどの力強い景色があった。2023年10月は、ロシアとウクライナの戦争の渦中であったし、イスラエルとパレスチナの問題も話題だった頃。なかなか混乱を収束に導けず、国連の影響力の低下が懸念されていた頃。私は、この組織が無くならないでほしいと思ったし、一刻も早い平和に向けて頑張ってほしいと思った。

たしか、中学校の時に習った気がする。第一次世界大戦のあと、発足した国際”連盟”。そして、それが機能せずに起こってしまった第二次世界大戦を経て、新しくニューヨークに設置されたものが国際”連合”。知っている。でも、頭の中で知識として知っているのと、実際に見聞きして、自分の身体と心で経験するのは、天と地ほどの差がある。

数学で、なんとなく答えはわかっていたんだけれど、”途中式”ができあがってくるようなイメージ。表面的な知識ではない。隣の席の友達にも自信を持って理由を教えてあげられるような、深い理解。身体の中にストンと落ちるような、色鮮やかな知識にグレードアップ。こんな感じがしたのだ。

学校では今日もたくさんの授業を受けて、いろいろ学ぶだろう。楽しい日も、つまらない日もあるだろう。でも大丈夫。今は表面的な、点と点の知識かもしれないけれど、いつか線で結ばれて、さらに色も着く。

だから、今日の授業も頑張って。地球の反対側から、応援しています!

To
〇〇クラスのみなさん

From
住所:地球
名前:Taiga先生


P.S.
実際にいくつかの学校の、いくつかのクラスの後ろの黒板に、掲示いただいております。先生方、お忙しい中でも、私のメッセージを生徒たちに届けていただき、本当にありがとうございます😊

#後ろの黒板にて


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