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青春18切符の旅 奈良井

3月中旬。

とにかくどこかへ行きたかった。というのも2月のヨーロッパから帰ってきて、大きな旅行ロスに陥っていたからだ。

2月は毎日電車に乗り、5日に1度は飛行機に乗った。さらに普段乗ることのない路線で、放送も英語、フランス語、ドイツ語…。


とにかくどこかへ行きたかった。

飛行機に乗れればサイコーだが、金欠大学生にそんな余裕はない。行き場のない旅心を発散しようと画策するうちにイイものが目に入った。

青春18切符である。

1日JR乗り放題チケットである。

JRで売っている切符なら1日2410円で乗り放題になる。ただ5枚1セットだから12050円かかる。そこで友達を集めて割り勘で買った。金券ショップで2枚だけ買うことも考えたが、割高で渋りまくった。友達って大切ですね。

5枚のうち2枚は友達に、2枚は私の友達との2人旅に、そして残る1枚を1人旅で使った。


1人旅で行った先は奈良井である。

初めて聞く人が多い地名だろう。長野県の山奥にある場所で松本から電車で1時間くらいかかる。中山道木曽路の宿場町である。

奈良井は電車が1時間に1本通るか通らないか怪しい駅である。特急はしっかり通過する。超田舎。

写真を見ての通り、いかにも日本らしい風景。江戸時代で時が止まったかのように、ゆっくりとした時間が流れている。

観光客も多くなく土産屋も少ないから、観光地特有の忙しい雰囲気が全くない。人里離れたイイ場所である。

日本らしいところ、人の少ないところ、そして行ったことのないところ。

これら条件でスクリーニングしたら奈良井が現れた。

私は旅行というと海沿いにしか行かないタイプの人間だ。潮風にばかり当たり、コートの代わりに水着を持っていくことが旅行だった。

それだけに山間部の日帰り旅行は新鮮だった。

奈良井からの帰り、松本や諏訪湖に途中下車しながら都内へ向かった。

人の少ない観光地、そして穏やかな場所を求めている方はぜひ。

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