6.油の作り方

ラーメン一杯当たり10〜30ccくらいの油が入っています。その作り方です。

まず当店の油の種類から
・貝油
・煮干し油
・香味鶏脂
・背脂
限定メニューの際には更に増えますが基本この4種類です。

背脂以外は基本的に作り方は同じです。油に対して30%の材料を入れて45分煮出します。店の場合は2リットルづつ作っているのですが家庭でそんなに作ると何年たっても消化できないので一回につき100ccくらいで良いと思います。しっかり計量しましょう。

鍋は雪平です。家庭ならフライパンでも良いと思います。

貝油

中華そばと鶏白湯に使います。
常温のサラダ油2リットルに対してホタテ貝柱300gと小柱300gを入れて弱火で45分間煮出します。油が温まってくると貝柱から白っぽい液体?が出てきて油が濁ってきます。火加減にもよりますが、約45分後に濁りが無くなって透き通ってきたら火を止めて貝柱を取り出して完成です。取り出した貝柱はそのまま食べてもまだまだ美味しいです。当店では混ぜ玉(和え玉のような物)に少し添えて出します。
※油100ccの場合はホタテ15gと小柱15gです。100ccだと透き通る感じが判別しにくいのと火の回りが早いので20〜30分目安で作ってみて下さい。

貝柱はこのような割れ欠けがあるフレークと言われる2級品を使います。2級品と言っても生で普通に食べられる品質です。

小柱とはこのような物です。イタヤ貝という貝の貝柱です。こちらはボイルされています。

煮干し油

ドロ煮干しに使います。
煮干しの場合はかさばって鍋に入り切らないので油に対して20%ちょいです。
常温のサラダ油2リットルに対してイワシ煮干し400g強を入れて弱火で45分間煮出します。セメント煮干し系にしか煮干し油を使わないのであれば煮干し油に使う煮干しは安い物で構いません。むしろ安物の方がエグエグ感が出てセメントファンには喜ばれます。逆に淡麗系に使うのであれば瀬戸内系の上品な煮干しを選んだ方が良いかもしれません。
出来上がったら網などで濾して煮干しを取り出します。この煮干しなのですが温かいうちは煮干しのカリカリ揚げみたいな感じで食べられるのですがすぐに固くなってしまうのでなかなか使い道が無いのが残念なところです。

※油100ccの場合は煮干し20gです。こちらも20〜30分目安で作ってみて下さい。煮干しがほんのり色づいたらOKです。コゲとエグエグ感は違うので焦がしすぎないように注意して下さい。

香味鶏脂

中華そばと鶏白湯に使います。
まず鶏脂を作ります。家庭で作る場合にはこのような物を使えば良いと思いますが業務用で使う場合はこれだと高すぎて話にならないので鶏皮から脂を抽出して作ります。と言っても水かスープで煮出すだけです。家庭で少量を作る場合は鶏皮をフライパンでゆっくり加熱すれば脂が出てきます。鶏皮もパリパリになっておつまみにできるので一石二鳥です。

香味鶏脂の材料は鶏脂2リットルに対してネギ・生姜・にんんくそれぞれのみじん切りを200gづつです。
他の作り方と異なって、鶏脂を温めてからみじん切りの材料を入れます。温度としては材料を少し入れてみて揚げ物するには少し温度が低いかな?というくらいです。みじん切り材料を全部入れると鶏脂の温度が下がります。その間鍋底に材料がくっつかないように菜箸などでかき回して下さい。再び温度が上がってきたら材料がキレイに対流するようになります。その温度をキープしながら45分加熱します。火を止めてみじん切り材料を取り出して完成です。取り出したみじん切り材料ですが、風味が抜け切っているのでおそらく使い道が無いです。挽き肉に混ぜて餃子を作るとか?やってみてもいいかもしれません。
※鶏脂100ccの場合はネギ・生姜・にんんくをそれぞれ10gづつです。

背脂

これだけ上の3つの油とは性格が異なります。背脂とは豚の背中の脂です。背脂チャッチャ系や二郎系、味噌ラーメン、ラーメンショップ系によく使われます。当店ではブタメンに使います。あまり普通のスーパーには置いてないと思いますが、町中の肉屋さんにお願いすれば取り寄せてくれる場合もあります。

背脂はお湯で2〜3時間煮て柔らかくします。軽く対流するくらいの弱火で大丈夫です。これは文字で説明するのが難しいのですが、煮すぎても溶けて無くなってしまうので程よい柔らかさで上げる必要があります。2時間を過ぎたあたりで一回指でズボッと刺してみて(熱いです)硬さを確認します。脂を平ざるですくってチャッチャするとつぶつぶの脂が飛び散るであろう硬さになったら火を止めて脂を湯から揚げます。
脂はできればステンレスバットのような物にあげて均一に広げます。周りが冷めてきても中の方はかなり熱を持っているので腐らせないようにするために1時間に一回くらいかき混ぜるようにして下さい。

ブタメン用の背脂は使う前にチャーシューダレに漬け込んで温めます。チャーシューダレについてはチャーシューの作り方ページでお伝えします。


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