豚恋(とんれん)

大学時代に一度だけ、対面人狼をプレイしたのが人狼というゲームを知るキッカケだった。
あの日風邪を引いたりして、もしその場にいなかったなら、私はあの豚と皆を知り合わせることがなかっただろう。

前回スポットを当てた彼女が、アプリで人狼が出来るよ、と"人狼オンラインX"というアプリを紹介してくれた。
家にいる時も一緒にいる時もプレイしていた。

別れてからはしばらくやらなくなってしまい、YouTube等の媒体で対面人狼をプレイしているのを見る専門になってしまったが、数年経ち、ふと思い出した時に久しぶりにやってみることにした。

初めてアプリで人狼をした時もそうだったが、口調が荒かったり半ば暴言を吐くような連中が多かった。
ゲームの性質上仕方ないとはいえ、度を過ぎた暴言を吐くヤツらはゲーム終了してもなお、「お前が悪い」「いいやお前がポンコツ」などと喧嘩を繰り広げることが日常茶飯事であった。
なので、私はもっぱら気性が荒いヤツが比較的少ないだろう初心者〜中級者部屋を好んだ。
とはいえ、責任の押し付け合いを繰り広げたり、空気が悪くなるような立ち振る舞いをしている自称上級者が初心者村にマウントを取るために君臨することは少なくなかった。
そんな環境で人狼ゲームをプレイしている中で、ホンワカパッパな雰囲気を醸し出している花火という女に出会った。
文面が柔和で、荒々しいプレイヤーとは対照的だったので、とても印象に残った。
少し気になった存在だったが、SNSのアカウントをストレートに聞くのはなんとなく憚られたので、人狼チャットを見せたいという名分でTwitterのアカウントを聞いた。

そのアクションが黒歴史のはじまりだった。

Twitterやゲームで仲良くなるにつれ、向こうが私に気があるような行動が増え始めた。
私は当時名古屋にいて、花火は東京に居た。
距離的にはさほど離れていない。
ワンチャンあるかもという理由で、チンチン大王の権力に屈した私は、彼女に告白した。
フラれたので、絡むのやめることにする、と告げた。
すると、発言を撤回された。
年末に私たちは付き合った。

そして今住んでいる地に、花火が来ることになった。
待ち合わせ場所にいた花火に対する第一印象はタイプではないなって感じだった。
写真うつりが悪いという一縷の望みは消滅してしまった。
花火がリザーブしたビジホに泊まった。
服を脱がせた。
年が明け、もう1月の半ばという時、そこには立派なクソでかいミカンの乗った鏡餅が鎮座していた。
鏡餅の重量のギネス記録を更新する勢いだった。

チンチン大王が単騎で鏡餅軍の本陣に進軍し始めていたため、脱がせた手前で撤退は許されなかった。
チンチン大王の軍は、鏡餅軍の本陣の門をがむしゃらに突いたが、突くモノがどんどん勢力(精力)を失った。脳内こいつはぶっとい吉岡里帆だ名指揮官の軍配奮わず敗走した。

一度、羽咲みはる大将軍の援軍で、大将軍自ら鏡餅の首を取り勝利したものの、それ以来チンチン軍は敗走し続けた。

↑羽咲みはる大将軍


急に不機嫌になるの陣や対話不能の陣、言いたいことハッキリ言わないの陣を駆使し、チンチン軍を苦しめた。

そうして私たちは別れた。
思い出しながら書き綴るのがしんどくなってきたのである。


おしまい

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