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「エリカ」から見た杏ジュリアさん【ミュージカル「オープニングナイト」】

再演が決まったことで今回初めて観に行くことができたミュージカル「オープニングナイト」(以下オプナイ)。結論から言うとやっぱり杏ジュリアさんは天才なんだな、と痛感させられた公演でした。

オプナイについて

宣伝部員になってからオプナイがあったことを知り、行けなかったことをずっと後悔していました。そんな僕にとって今回の再演は本当にありがたいもので、特大の期待を抱いて初日の公演を観に行きました。そこで観たものは紛れもなく「完成されたミュージカル」で、脚本、演出、舞台セットから音楽、そして他の出演者の方々の迫力に圧倒されることになりました。この「完成されたミュージカル」を構成する1人として杏ジュリアさんがいたこと、いわば「女優じゃないから」という言い訳が通用しない環境で稽古をし、演じ切ったことは計り知れない価値があることだと僕は考えています。

「エリカ」と杏ジュリアさん

以下、ネタバレを含む可能性があります。
杏ジュリアさんが演じた亀田絵梨花、通称エリカは劇前半ではいじめられっ子です。最初の登校シーン、テッペイ先生(横山だいすけさん)がクラスに自己紹介をするシーン、この辺りは杏ジュリアさんはずっとうつむいています。自信のなさそうな表情、姿勢にいたるまでよく研究して演じているんだろうなと感じました。うつむきながらもたまに会話しているクラスメイトの方に控えめに視線を送る仕草も抜群でした。初セリフは記憶が正しければいじめられているシーン。いつもとは違うか細い声にも演技を感じました。(いじめてた役の方々に罪はありませんが怒りは湧きました笑)
その後、ミュージカル部に入部することになってからが変化の見所だと個人的には考えています。自分の居場所を見つけ、ダンスでなら自分を思った通り表現することができる「エリカ」が自信を取り戻し、周りのメンバーとも仲良くなっていく様子は「エリカ」と「杏ジュリアさん」、2人の成長を感じることができる演出であり、素晴らしいなと感じました。初日と3日目、どちらのアフタートークでも杏ジュリアさんが言っていたことですが、"役においての他の登場人物との関係性は変わらないが、自分自身の役への理解が深まり、技術的な面でも7月公演時より不安が減ったおかげで、より「エリカ」を自然に演じられるようになった"ということが現れているのが、まさにこの「エリカ」の変化、成長の過程なのではないかと思っています。
全体を通して、そもそも僕は演技をする杏ジュリアさんを初めて観ましたが、舞台上に立つ杏ジュリアさんは「アイドル」ではないなと感じました。オプナイにおける杏ジュリアさんは「女優」です。異論は受け付けません。
アイドルにも女優にもなれる、一方でアフタートークでは別の一面も見せてくれた杏ジュリアさんを形容する言葉は、今の所「天才」以外見つかりません。

泣きポイント

2回観賞して2回とも泣きっぱなしだったのでこの話をせざるを得ません。本当はポイントというより杏ジュリアさんが出演しているシーンは8割くらい泣いていますが、流石に全部は紹介できないので4つだけピックアップすることにします。

・最初のミュージカルシーン
おそらくここが一番最初に泣く場所です。マイ(星名美怜さん)が教室での会話をミュージカル風にするとどうなるかを想像してとヒロミ(河村花さん)に伝えるシーン。ここで初めて杏ジュリアさんが歌います。いつもとは違う環境で違う歌を、優雅に踊りながら、そしてちょっとだけ眉間にしわを寄せながら、充実した表情で歌う杏ジュリアさんを観たら感涙にむせぶ以外の選択肢は無いわけです。最初の歌うシーンということもありここでスイッチが入ったような、ここから公演が始まっていくことへのワクワク感なんかも表情に出ているのかな、なんて思いました。

・振付の担当になる&なった後のシーン
いざオリジナルのミュージカルを作り上げるにあたって「エリカ」は得意のダンスを活かせる振付の担当を買って出ます。そのシーンで「ダンスで自分を表現できるようになった」という歌う部分でまず一度泣きます。その後ミュージカルの準備をする歌唱シーンでは、舞台の端で振付を考えている「エリカ」を観ることができ泣きます。最後に「エリカ」が先生2人にダンスをレクチャーするシーン。ここで杏ジュリアさんは舞台のセンターで踊ります。長年バレエを続けてきたからこそのあのダンスシーン、お客さんの注目を一身に受けて優雅に舞う杏ジュリアさんは本当に綺麗で美しくて、、、、感涙。

・最後のミュージカルシーン1
最後のミュージカルシーンでは生徒のメインキャストそれぞれにソロ歌唱パートがあります。もちろん杏ジュリアさんもソロで歌います。ここの歌声は抜群です。本当によく声が出ていて音程も完璧です。極め付けはナオ(浅井七海さん)とのハモりです。杏ジュリアさんは高音パートを歌い上げます。Zeppツアーのデリスタ、最後の「食べごろよ」の声が裏返ってしまい練習していたあの光景を見ているからこそ、ここで完璧に高音パートを歌い切る杏ジュリアさんの輝きは計り知れません。

・最後のミュージカルシーン2
イチオシのシーン、特に初演で感動した部分です。テッペイ先生が苦手だった歌を懸命に、ミオ先生(三倉佳奈さん)のために、一緒に歌うシーン。ここで杏ジュリアさんは手持ちの木に隠れて(かわいい)2人を見守ります。初演は座席が舞台に近かったため表情がよく見え、このシーンで杏ジュリアさんが綺麗に涙を流している姿を収めることができました。それは演技なのか、お客さんと同じように感動してなのか、はたまた完全に「エリカ」の視点で感動して泣いているのか真相はわかりません。それでもあのシーンであれだけ綺麗に、本当に綺麗に涙を流す杏ジュリアさんを観て、僕が泣かないことがあるでしょうか?そりゃ泣きますよね。

まとめと余談

いつもの通り、杏ジュリアさんへの思いを語ってしまいましたが、本当に内容含め素晴らしいミュージカルでとても貴重な舞台を観ることができて幸せだなと感じました。杏ジュリアさんも言っていましたが、舞台というものはお客さんがいて初めて完成するものであり、たったの一回も同じ舞台というものは生まれないんだそうです。その舞台を構成する一員になれたことも本当に嬉しいです。
実はこの公演期間中プライベートでそれなりに辛いことがありましたが、オプナイがあるから、それを観て勇気付けられたから、そして杏ジュリアさんが頑張っているから、自分もなんとか頑張って日々を過ごすことができています。(サイン入りブロマイドも当たりましたしね、、、、、)
ミュージカル「オープニングナイト」は自分にとってとても貴重な体験で、かけがえのない公演だったなと今後も思い続けることでしょう。

あ、そろそろ最終公演が始まりますね。急遽観に行こうと決めたこの最終公演を経てまた違った感想をお伝えできれば幸いです。


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