中枢性睡眠時無呼吸
中枢性睡眠時無呼吸とは、寝ている間に呼吸が止まってしまうことです。通常、人は寝ている間でも自然に呼吸を続けますが、中枢性睡眠時無呼吸の場合、脳が正常に呼吸を制御できなくなるため、呼吸が停止することがあります。
中枢性睡眠時無呼吸は、いくつかの原因によって引き起こされますが、最も一般的な原因は、脳幹や脳の他の部分に障害がある場合です。そのため、治療は医師によって処方される場合があります。
中枢性睡眠時無呼吸は、大人にも子供にも起こりますが、特に小さな子供の場合、注意深く監視することが重要です。症状には、夜間の鼾や息切れ、熟睡感のない日中の眠気などがあります。もし中枢性睡眠時無呼吸の疑いがある場合は、医師に相談することが大切です。
中枢性睡眠時無呼吸の病気の実例
中枢性睡眠時無呼吸とは、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。呼吸中枢という脳の部分が正常に機能しなくなり、指令がうまく出なくなるために起こります。
この病気は、睡眠中に1時間あたり5回以上の中枢性無呼吸が確認された場合に診断されます。
同じ睡眠時無呼吸には、呼吸しようとしてもできない
「中枢性睡眠時無呼吸」と、呼吸をしようとするができない
「閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸」があります。
中枢性睡眠時無呼吸には、アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』で3つの病態が分類されています。特発性中枢性睡眠時無呼吸は原因が分かっていないもので、オピオイド使用に併存する中枢性睡眠時無呼吸は鎮痛剤の使用が原因となります。また、高地での中枢性睡眠時無呼吸は高山病の一種で、身体疾患によるものもあります。
中枢性睡眠時無呼吸は、夜間の呼吸が苦しくなったり、何度も目が覚めたりすることがあります。心不全や脳卒中、腎不全のある人に起こりやすいため、定期的な検診が必要です。
中枢性睡眠時無呼吸に関する論文の概要
論文の概要を以下に記載します!
ある病気の治療で、人工呼吸器を使うことがあります。しかし、その治療中に、体内の酸素不足を感じると脳が勝手に呼吸を止めてしまうことがあります。これを中枢性睡眠時無呼吸症候群といいます。この病気は、心臓の病気と関係があって、心臓が弱くなると症状が悪化することがあります。そこで、人工呼吸器の管理や心臓の状態を確認することが大切で、心臓の治療が必要になった場合には、専門医と一緒に治療を進める必要があります。
CPAPとは、睡眠時無呼吸症候群(OSA)という病気の治療法の一つです。OSAは、寝ているときに何度も息が止まり、体に悪影響を与える病気です。CPAPは、鼻や口にマスクをつけて、空気を強制的に送り込むことで、呼吸を安定させます。
しかし、CPAP治療中に心臓や呼吸が急に変化し始めた場合、それは深刻な問題を示唆しています。この時に、NOIという指標が上昇し、CSAが増加してきました。NOIは、心臓の負担を示す指標で、CSAは、心臓と呼吸の関係を示す指標です。
その後、心房細動という病気が見つかりました。心房細動は、心臓のリズムが乱れ、体に悪影響を与える病気です。この治療にアブレーション治療が用いられました。アブレーション治療は、心臓の異常な部分を凍結することで、心臓のリズムを正常にする手術です。
その結果、CSAが減少しました。CSAは、心臓と呼吸の関係を示す指標で、心臓が正常なリズムで動作すると呼吸も正常になるため、治療が効果的であったと考えられます。
OSAは、心臓や呼吸に影響を与えることがあるため、治療には注意が必要です。治療をする場合は、病気の重症度や治療の効果を測る指標であるAHIやCPAPの使用状況、治療圧、リークの管理だけでなく、全身の状態を把握し、特に循環器疾患があるかどうかを注意深く確認する必要があります。
また、AHIは「Apnea-Hypopnea Index」の略で、睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度を示す指標の一つです。AHIは1時間あたりに何回の呼吸障害(無呼吸と低呼吸)が起こるかを表します。通常、AHIが5以下であれば正常範囲とされ、5〜15は軽度、15〜30は中等度、30以上は重度のOSAとされています。AHIが高くなると、呼吸障害によって睡眠中に酸素不足が起こり、健康被害を引き起こすことがあるため、早期の発見・治療が必要とされています。
CSA(心臓と呼吸の関係を示す指標)が出現した場合には、
心不全を疑い、早期に専門医と連携する必要があります。
中枢性睡眠時無呼吸に関する論文
以下がその論文です非常に興味深い研究内容で
電子処方箋やマイナンバー等
大量のデータが増えると新たな治療法が発見されそうです!
http://kaseki-jibika.com/cms/wp-content/uploads/ee0be51ff2b05ddedb6660be39357c58.pdf
論文の参考文献
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