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カナダでも花が開いたライラック〜24-25第6週レビュー

大会前のプレビューはこちらからどうぞ。


デジャブとなった🇨🇦サヴィル・シュートアウト

女子(SFM6.5) 優勝:🇯🇵北海道銀行リラーズ

“今週の大会の決勝では、準決勝で🇯🇵中部電力を下した🇯🇵ロコ・ソラーレと、海外の有力チームを破って決勝に進んだ🇯🇵北海道銀行が対戦し、北海道銀行が優勝しました。”

この構図、先週とまったく同じになりました。

負けた側のチームにとっては、2週続けて同じなのは決してうれしくないでしょうが、今回の舞台は🇨🇦サヴィル・シュートアウト(SFM 6.5)です。10チームが参加した先週のアルゴグラフィックスカップ(SFM 4.5)と比べると、シーズン序盤に毎年のように強豪が集まる大会で、参加チーム数も倍の20チーム。グランドスラム常連の🇰🇷キム・ウンジ、🇨🇦エイナーソン、🇨🇦ローズなどとも対戦がある中で、日本から3チームがベスト4に残ったこと自体が、みんなまとめて大きな快挙と言えるでしょう。全試合は見られていませんが、🇯🇵北海道銀行リラーズについては、先週も思ったのですが、“フォースされても、1点取るべきところは1点取って、試合が壊れなくなった”というような印象を受けました。🇯🇵ロコ・ソラーレも、自分らしさは出ていた大会だったかなという印象でした(が、その分、悔しさは大きいのかもなぁと思ったり…)。🇯🇵中部電力も準決勝で負けるまでは全勝でしたし、去年よりも安定感を感じます。

男子(SFM5.0) 優勝:🇨🇦マキューウェン

サヴィル・シュートアウトの男子には、日本から🇯🇵TM軽井沢と🇯🇵ロコ・ドラーゴが出場していました。🇯🇵TM軽井沢は、ビックエンド献上が響く2連敗からスタートしたものの、3勝2敗まで戻して見事に予選通過。準々決勝では、先週同じ会場で行われた「U25 NextGenクラシック」で優勝したばかりの🇨🇦マクドナルドに敗れましたが、点数の取り合いとなる見ていて面白い試合で、氷の上でプレーしていた選手たちにとってもエキサイティングな試合だったのではと想像しています。一方の🇯🇵ロコ・ドラーゴは、3連勝スタートから、勝てそうだった4試合目を落としたのが響いたのか、3勝2敗で予選を終え、DSCの結果でギリギリ予選通過を逃しました。🇨🇦クーイーとの再戦もあり、良い経験になっていれば良いのですが。

ベスト8の壁を感じた🇨🇦Stu Sells オークヴィル

女子(SFM6.0) 優勝:🇨🇭X.シュヴァラー

日本からは🇯🇵フォルティウスが出場していました。Aイベントで🇮🇹コンスタンティーニ戦を含め3連勝を決めて予選を通過し、まる1日試合なしとなった後に、準々決勝で🇺🇸ストラウスと対戦しましたが、負けてベスト8止まりとなってしまいました。準々決勝は上々の滑り出しを見せましたが、第4エンドにミスもあって同点に追いつかれると、第5エンドが若干チグハグな印象のエンドとなり1点スチールを許し、その後は相手がノーミスに近いパフォーマンスで、付け入るスキがなかったように見えました。自分たちの得意な展開なら敵なしにすら見えるのですが…完璧ゆえの脆さみたいなものを感じてしまいました。

プレビューでもわかるかもしれませんが、私が今週上位進出を最も期待していたのはフォルティウスでした。大会自体をサヴィル・シュートアウトと比べると、参加チームは若手が多めで、🇰🇷キム・ウンジや🇨🇦エイナーソンに匹敵する実績のチームは見当たらないので、プレーオフに入ったら優勝しやすいタイプの大会だと思っていました。その分、残念な気持ちは強いですが、まだ遠征は続いていきますので、次戦に期待しましょう

決勝では🇨🇭X.シュヴァラーが🇨🇦スカーリクに勝って優勝いとこのY.シュヴァラー選手との男女同時優勝も良い記念になったでしょうが、世界ジュニア選手権決勝で対戦した🇯🇵北海道銀行との同日優勝も、私としては印象に残りました。この2チーム、今年は同じ大会にエントリーしていないようで、決勝の再戦は来季以降のお楽しみ…かと思ったら、🇯🇵北海道銀行のグランドスラム出場によって、対戦が実現するかもしれません

男子(SFM7.0) 優勝:🇨🇭Y.シュヴァラー

日本からは🇯🇵SC軽井沢クラブが出場していました。最初の組み合わせの時点で🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトとの対戦がありそうで、見る側としてはそれが楽しみだったのですが、結果はSCの負け。その後、2連敗となり、もう1敗もできない状態に陥ります。ただ、そこから3連勝でCイベントから予選を通過したのは、さすがでした。予選最終戦の相手は、グランドスラムに定着しつつある🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁣󠁴󠁿󠁣󠁴クレイクでしたが、見事なエンド管理ができたことの片鱗がスコアボードに見えます(配信があったのは🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイト戦のみ)。ただ、準々決勝では0-10で🇨🇦グジューに完封負けを喫し、貯まっているPCCCの借りを返すことにはなりませんでした。

優勝した🇨🇭Y.シュヴァラーも、男女とも🇨🇭スイスのチームが勝って、めでたしめでたしみたいな写真ですが、大会中はCトーナメントからなんとか勝ち上がった印象です。シードチームで一番最初に負け、2敗した相手も若手の🇨🇦ムーイブルクと🇩🇪ムスカテヴィッツということで、実は少し心配をしていましたが、プレーオフに入ってからの🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアットや🇨🇦グジューとの対戦も乗り切り、決勝では🇩🇪ムスカテヴィッツの細かなミスを誘って、エクストラエンドのスチール勝ちで優勝を決めました。

また、準優勝となった🇩🇪ムスカテヴィッツではありますが、ベスト4に入った🇨🇭フースリと共に、ここ最近大きく獲得ポイントを伸ばしており、「軽井沢国際」のための来日も予定されていることもあり、今後の活躍にも注目したいです。また、男子🇨🇳シュウと女子🇨🇳ワンの中国代表チームは、男女ともに予選通過をしており、PCCCでの日本代表との対戦を前に、改めて警戒が必要なチームだなという気になりました。

現時点での「カナディアン・オープン」出場権争いは?

それでは、今週の大会終了時で、グランドスラム第2戦「カナディアン・オープン」の出場権争いがどうなったか、見てみたいと思います。

第6週終了時点でのカナディアン・オープン出場権争い<女子>

女子の方は、🇯🇵北海道銀行が大きく加点したことで、私が独自に出場ボーダーと想定していた180pに達成し、初めてのグランドスラム出場が近づいています。14位〜16位はなかなかポイントを伸ばしづらい状況で、17位以降に昨季ポイントの大きなチームがつけているので、実際に確定と言えるのは11位の🇸🇪ヴラノーまでで、180pよりもボーダーが上がる可能性もあります。第10週の「ツアー・チャレンジTier 2」には、ランキング最上位のチームは出場しないため、ボーダー争いをしているチームから優勝チームが出る可能性が高く、優勝(45p)で最後に大逆転する可能性も残っていそうです。

第6週終了時点でのカナディアン・オープン出場権争い<男子>

男子の方は、🇨🇭フースリと🇩🇪ムスカテヴィッツがこの2週間でそれぞれ60p近い加点をして、ランキングを大きく上げました。シーズン開幕の遅い🇨🇦カナダ勢が期待通りの成績を残せば、15位で第10週を迎えるのは🇩🇪ムスカテヴィッツになりそうで、スポンサー枠の影響を受けずに出場するには、そのポイントを超える必要がありそうです。ただし、16位でも出場できるとなった場合には、180pよりもずっと低い点数で出場できる可能性もありそうで、ひとまず他のチームを上回っておくのも、結果的には吉と出るかもしれません。

その他の結果・ニュース

新婚ペアが制した🇨🇿プラハ・オープン

欧州のミックスダブルス初戦ともいえる🇨🇿プラハ・オープンは、昨年末にご結婚された 🇩🇪トツェック/ティウリアコヴァ ペアが優勝。2位は昨年の欧州選手権でポーランド4人制代表のスキップをお互いに務めた🇵🇱リピンスカ/スティフ ペア。地元チェコからは🇨🇿ファルコヴァー/ヤクル ペアの3位が最上位でした。元々ロシア代表として2019年世界ジュニアに出場したV.ティウリアコヴァ選手ですが、ドイツ代表として国際大会に出ることは今後あるのでしょうかね

🇨🇦ホーマン/ボッチャー ペアの初陣

先週のプレビューの段階では把握できていなかったのですが、今季から結成された🇨🇦ホーマン/ボッチャー ペアが、サスカチュワン州で行われた「SaskTour MD サザーランド」に出場し、優勝しました。12月の🇨🇦MD五輪トライアルへの出場を目指しているはずですが、8月1日の時点でのカナダMDランキングでは、出場圏外の17位ですので、指定された3つの大会のいずれかで優勝(または出場権のないチームで最上位)するか、ランキングをもう少し上げる必要があります。実績では申し分のない2人ですし、さすがにトライアル出場の16ペアには入ってくるような気がしています

世界カーリング連盟理事選挙の結果

今週行われた世界カーリング連盟の総会で、副会長及び理事の選挙が行われましたが、結果だけお伝えしておきます。

任期が切れた4人の理事のうち、唯一再選が可能だったオーストラリアの🇦🇺キム・フォージさん(Kim Forge)が、理事から副会長に立場を変えて再選。もう1人の副会長には、エキシビションだった1988年カルガリー五輪の男子競技で優勝したノルウェーの🇳🇴モーテン・ソゴールさん(Morten Søgaard)が選ばれました。また、理事には、チーム🇨🇦J.ジョーンズで長く活躍されたカナダの🇨🇦ジル・オフィサーさん(Jill Officer)と、チェコから初めての理事となる🇨🇿ダビド・シクさん(David Šik)が選ばれました。任期はそれぞれ4年です。


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