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おんなとおとこ

要らないものはないかと
部屋を探し回ってみる。
陽は徐々に傾き
気流が安定した交響曲になり
生き恥を晒そうとする指揮者を抑え
智の実を食べたつもりで
狭くも広くもない部屋を
徘徊まがい。

薄汚れた間仕切り
紫煙がこびりついた壁
流行りに攫われた歌手の
色褪せた笑顔は変わらない。
得た思い、失せた思い
唐突に現れ消える
得た思い、失せた思い
とても、美しいからはかけ離れた
記憶
今はただ、追憶と姿を変え
逃げ出さないよう看守を務める。
自動性を失わない呼吸の狭間に身を潜め
変わらないままを願い
変わっていく時の流れを
どう凌ぐかを考えている。

要らないものはないか
明確な違いは救いか
部屋は間も無く景色ではなくなり
始まりと終わりの裁断者へと還る。

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