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なつ

過ぎ去るものだけで
数える指がなくなり
曇天
睨みつける様に
満開の紫陽花。
待ち人は未だこない
待ち人は未だこないのだから
布団にくるまる時間を揺り起こして
二足歩行で光へ。

重力に従順なまぶたに風を
言い訳ばかりの瞳に朝露を
嘘も時にはいい
味気ない事実勘定を寓話にする。

過ぎ去るものだけで
数える指がなくなり
曇天
限りなく蒼を喰らって
昇り、昇り、昇り
語りだす頃に
また生まれ変わりの振動核が
惑星に宿る。

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