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【分散型クリエイティヴ】インディペンデント集結で無敵

メジャーが管理運営してきた業界が、終わる。インディペンデントの責務を理解する時。このトピックでは、「インディペンデントの影響力」を、知ることができる。メジャーに嫉妬しつつ独立派を気取ったが実は現在の“インディペンデント業界”にも属せていないことに気づき始めたアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 集う時。 』

“業界”というと人々は、“業界人が集っている場所”という印象を持っているが、違う。業界とは、そのマーケットを管轄運営するために好都合な“企業”がマーケットに影響力を及ぼしている状況のことである。“業界”、そんな場所は存在しないのだ。そこに重要なのは、先人たちが生涯の学びを積み重ねた“マナー”であり、企業が統制のために強いたルールを遵守する意味はない。

時代はもう、メジャー企業が率いられていないためだ。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:世界8カ国の主要なインディーズ製作会社がクリエイティブアライアンスを締結し、メジャーに技術と資金を提供

フランスのHaut Et Court、イスラエルのSpiro Films、ドイツのRazor Film、オランダのLemming Filmを含む9社で構成される新しい開発アライアンス「The Creatives」は、制作会社大手のFremantleと3年間のパートナーシップ契約を締結した。

世界8カ国の主要な独立系映画・テレビ制作会社9社が、クリエイティブ&ディベロップメント・アライアンスを設立し、ハイエンドのドラマシリーズや長編映画を共同で開発することになる。

The Creativesは、国際的なプロダクション大手であるFremantleのハイエンドドラマシリーズの開発と資金提供を行う。

スコッタは、The Creativesが「共に働く才能ある人々に公正な条件を提供し、脚本家、ショーランナー、監督、そして新しい才能ある人々との長期的な関係を強化する」ことを約束していると述べた。これは、新たな制作ブームがクリエイター自身の条件悪化の代償となるのではないかという、クリエイティブコミュニティの懸念を示唆している。

Fremantle GroupのCOOであるAndrea Scrosati氏が語る。「インディペンデント企業とグローバル ストリーマーとの間の最大の争いは、増大する世界的な需要を満たす映画やシリーズを供給するための人材をめぐる争いだ。」

Fremantleは、ドイツ、イタリア、イスラエルなどの自社制作会社をグローバルに展開していることに加え、英国の制作会社など、数多くの独立系制作会社とファーストルック、開発、制作の契約を結んでいる。 - NOVEMBER 22, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

インディペンデントが集まってメジャーのファクトリーとなりさらに、資金提供も行いながら新たな取り組みを加速させている、という記事。

実はもう、珍しくない。メジャーと呼ばれた“企業”が未だ、業界の中央集権を維持しようとしている図式もまた。メジャーが業界を統括した時代は終わり現在、その機運を先導しているのはプラットフォームに紐づくコミュニティーだ。コミュニティーとは、“体験の共有”である。

『 体験の共有 』

体験を共有する、その本質とは“価値の共有”である。
プロジェクトを分散化して管理し、体験を価値化して成果とする事業形態だ。最先端のプラットフォームはいまや既存の“企業型業界”ではなく、「分散型業界」にフルコミットしている。

時代は企業ではなく、個人に紐づいている。

『 中央集権型と分散化業界の“真逆”構造 』

既存の“中央集権型”による「業界」や「製作委員会」はそもそもに“企業主導”だ。「分散型業界」の、個人からなるコミュニティが集い、価値を共有するのに対し、中央集権型業界や製作委員会の構造は、成果から逆算される“策略型”であり、時代遅れだ。

“業界ルール”とは、時代に逆行する“過去”である。

『 業界を生むのはインディペンデントである 』

メジャーの苦悩を批判することは容易いが、生産性がない。苦もなく最先端を闊歩して時代の風を泳ぐインディペンデントはしかし、新たな「分散型業界」を成長させ続けるための責務がある。

インディペンデントが負う新業界の成長への責務は、「情報価値の共有」である。

コンサルタントたちが発明した「最も高価なのは“情報”だ。」という嘘が通用しなくなった現代、単体ではまったく生産性がない情報という素材を“価値化”するためのプロセスこそが、分散化だ。情報を活用可能な、分散された他の場所に届けることで成果とすることが、“情報価値”である。

『 編集後記:』

ブラックフライデーを、放棄する。
映画監督という生き方はつまりに映画に相応しい技法を提案する立場にあり結果、ありとあらゆる機材、プラットフォームおよびツールのサブスクそして、膨大な資料を手にする必要にある。ミニマリストの、真逆だ。特に、夏からサンクスギビング前後は、酷い。

日本は年末ギリギリまで稼働、ハリウッドは正月の02日から通常営業なのだから実際には02日間しか休みがないにもかかわらず、ガジェットと資料を抱え込む意味はない。ブラックフライデーを放棄する。来年こそ。

各国から、ここぞと届く荷を眺めるばかりの日に。

学び選び集め試した果てに諦めてまた学ぶ、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

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アーティスト情報局:太一監督
■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記