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自分を映す鏡は自分の言葉

川上未映子先生の夏物語を読み終えた。
初めての感情が生まれた。凄い。
きっと、初めての感情なんだけど、それは自分の中に元々あって、その感情が思い出すように浮かび上がったんだと思う。

まるで、地底の湖から宝物を日向に引き上げるような、そんな感じだと思う。
主人公の夏目夏子さんは、自分の隣人の色々な人と重なるし、登場人物全員が重なる。

川上未映子先生の本に込められたメッセージが、自分のようなヤツには刺さるんだと思う。
そう、僕は自分のことを"人間"と言いたくないのだ。
なぜなら、"普通"というルールや枠や決まりごとから外れているし、それなりの大人なのに未熟過ぎるから。

仕方がない。
そういう生き物だから。

大切な友達が言った。
「本は誰かの人生だ」と。
たまたま本であり、それが映画でもアニメでも漫画でもそうだと思う。
音楽も絵も全てが誰かの人生。

「ギャンブルは否定派だ」
その言葉を聞いた時、自分は競馬が競技として人生として好きだけど、ギャンブルとして欲に溺れたせいで、人の人生を台無しにする人がいる事を自分の事のように恥じた。
別にその言葉を塗り替えしたいわけじゃない。なぜなら、自分もギャンブルに向かないし欲に溺れ過ぎて誰かを傷つけるのは嫌だから。
だから、競馬で当たったお金は引退馬に寄付したいと思った。その方が自分には向いている。

色々な本に出会って、影響受けて、自分の中の価値観が変わるのが楽しい。
人の価値観に触れて、どうすれば良いのかを考えるのが楽しい。
夏物語は、時折自分に究極の様な問いをくれた。地面が揺れた。

柔らかくなった。

大好きな競馬でファンになった騎手の言葉で、胸が打たれた。
福永祐一先生や、世界の川田将雅、スペシャルジョッキーのクリストフ・ルメール、そして、武豊。
クリストフは言った。
「私生活も仕事も戦いだ。喧嘩をする戦いじゃない。全てにおいて戦うことがある。」
クリストフはハーツクライとのコンビで、当時無敗の最強馬ディープインパクトを有馬記念で破り、国内重賞初制覇を伝説の様なレースで手に入れた。
「勝てると信じていた。」
2人のコンビこそ、自分の音楽人生においても、生きる道においても、目標であり教科書である。
諦めないこと。

友達は言った。
「5年後には、あなたは本当に優しい人になれてるよ」
俺の憧れてる人は、みんな醜ささえ美しく、真っ直ぐにもがいて苦しんでいても素敵で、どんな姿になっても憧れる。
だからこそ、そんなあなた達の誇りに僕はなりたいんだ。

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