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ジャパンラグビーリーグワンの選手に詳しくなろう25〜27

2️⃣5️⃣ FB/SO メイン 平

リコーブラックラムズ東京

御所実業高校では、1年生ながらレギュラーとして花園に出場し、3Tを挙げる活躍でチームのベスト4に貢献した。2年時には、2年生で唯一、U18欧州チャンピオンシップの日本代表に選ばれ、高校日本代表候補にも入った。3年時の花園予選では、決勝で天理に敗れ(5-20)、花園には出場できなかったが、セブンズのユースオリンピック代表として銅メダルを獲得し、高校日本代表にも選出された。
進路が注目されたが、高校を卒業後、日本の大学には進まず、母国のニュージーランドでプロを目指す道を選択。ノースハーバーマリストクラブなどで2年間プレーしたが、上のカテゴリーで出場することはできなかった。しかし、ニュージーランドでは改めて基礎能力の向上に着手し、そこでの経験は選手としての土台づくりに寄与した。
 ニュージーランドでの2年間の武者修行を終え、2021年にリコーに加入。2021年トップリーグではチーム2試合目にFBとして初先発し、初トライを挙げ、いきなり片鱗をみせた。高校時代は、SOやCTBをメインにプレーしていたが、FBを主戦場とし、1年目から主力の座を確保。今シーズンのリーグワンでは、スタメン10試合を含む11試合に出場し、2トライを挙げた。
各カテゴリーの代表に選出された世代トップの実力者で、コンタクトの強さ、キレのある突破に加え、ハイボール処理などプレーの安定感に定評があり、ユーティリティ性も魅力。6月18日のテストマッチ、ウルグアイ戦に途中出場し、日本代表初キャップを獲得した。今後の代表定着に期待したい。

2️⃣6️⃣ SO/FB 山沢 拓也

埼玉パナソニックワイルドナイツ

深谷高校では、1年生からSO、FBのレギュラーとして活躍。1年時から3年連続で花園に出場し、いずれも3回戦に進出。3年時は、SO/FB松田力(埼玉WK)らを擁する伏見工業に惜敗した(19-23)。また、高校日本代表にも選出された。高校では、一学年下にSH中嶋大希(神戸S)、二学年下にFB/SO金井大雪(GR東葛)がいる。
筑波大学では、1年生からSOのレギュラーとなり、主力の座を確立。対抗戦では、6トライを挙げるなど活躍し、チームを牽引。大学選手権では、ベスト4進出に貢献。U20日本代表、ジュニアジャパンに選出された。好スタートを切った大学生活だったが、その後は怪我に苦しむ。2014年3月のジュニア・ジャパンの遠征で左膝前十字靭帯を負傷。復帰後もその年の大学選手権で再び左膝を痛め、結果的に大学2、3年は満足にプレーすることができなかった。大学最終学年となる年、「より高いレベルで戦いたい」と大学4年生からのトップリーグ挑戦、パナソニックへの入団という前例のない道を決断。史上初の学生トップリーガー誕生となった。
パナソニックでは、分厚い選手層に揉まれながらも、1年目から開幕戦に先発出場するなどいきなり主力に定着。2年目にはアジアラグビーチャンピオンシップにのぞむ日本代表に招集され、3キャップを獲得。2019年にはサンウルブズのスコッドに入り、スーパーラグビーにも参戦した。今シーズンのリーグワンでは、序盤はメンバー外が続いたが徐々に出場機会を取り戻すと、スタメン6試合を含む10試合に出場し、3トライをマーク(プレーオフ含む)。特にプレーオフでは司令塔として躍動し、好プレーを連発、チームをリーグワン初代王者に導いた。
全てのスキルが高水準のファンタジスタで、キック、ランで自ら局面を打開できる。センスあるプレーが注目されるが、タックルや運動量での貢献度も高い。6月25日のテストマッチ、ウルグアイ戦では、10番としてプレーし、勝利に貢献。学生時代から日本の将来を担うと期待されたプレーヤーは、激しいSO争いを勝ち抜き、2023年のW杯出場を目指す。

2️⃣7️⃣ FB/SO 松永 拓朗

東芝ブレイブルーパス東京

大阪産業大学附属高校では、2年生からSOのレギュラーとして活躍。2年時の花園予選では第1地区決勝でその後花園優勝を果たす東海大仰星に敗れた(0-31)。3年時には選抜大会に実行委員会推薦枠で出場。自身も2トライの活躍で新潟工業に勝利し、1勝を挙げた。花園予選では、第3地区決勝で大阪桐蔭に惜敗した(7-17)。高校では同級生にPR小鍛冶悠太(BL東京)、一学年下に弟:貫汰(神戸S)がいる。
天理大学では、1年生からSOのレギュラーを獲得し、チームの司令塔の座を確立。リーグ戦全試合に出場し、全勝優勝に貢献、大学選手権では準々決勝で東海大に敗れた。2年時も引き続き主力として活躍し、チームを2年続けてのリーグ戦全勝優勝に導くと、大学選手権では準決勝で9連覇中だった帝京大を撃破。しかし、決勝で明治大に惜敗(17-22)し、優勝はならなかった。3年時もリーグ戦を全勝優勝を果たすも、大学選手権準決勝で優勝した早稲田大に敗れた。迎えた最終学年となる4年時はBKリーダーも務め、チームを牽引。方式を変更して行われたリーグ戦を全勝で終えると、大学選手権では、準決勝で前々年度に決勝で敗れた明治大を、決勝で前年度に準決勝で敗れた早稲田大を下して初優勝を果たした。大学の同級生には、PR谷口祐一郎(BR東京)、PR小鍛冶悠太(BL東京)、SH藤原忍(S東京ベイ)、CTBシオサイア・フィフィタ(花園L)らがいる。
卒業後加入した東芝では、今シーズンに主力の座を掴み、リーグワンではスタメン13試合を含む15試合に出場し、3トライを挙げた(プレーオフを含む)。
高水準のパス、キックに加え、自ら局面を打開できるスピードのあるランニングも魅力。世代を代表する選手であることに疑いの余地はないが、意外にも各カテゴリーの代表歴はない。日本代表入りも十分に狙える逸材で、その活躍と成長に期待したい。

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