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全個人作家の夢を実現 アメリカの人気恋愛小説作家コリーン・フーヴァー原作の『イット・エンズ・ウィズ・アス』が映画化 観てきました!

アメリカで8月9日に公開されたばかりの映画『It Ends with Us』を娘と観てきました。原作者のコリーン・フーヴァーは、個人作家出身で今では全米で大人気の恋愛小説作家。この映画の製作総指揮もされています!

原作の紹介

フラワーショップを開業したばかりのリリーと脳神経外科医のライルは、情熱的な恋に落ち結婚。仕事もプライベートも充実した毎日だったが、ライルには幼い頃のトラウマがあることが発覚……。
最後の最後まで心を揺さぶりつづけ、全米の女性をとりこにした恋愛小説。
 

アメリカの映画館の様子

封切りされて2日目ということで、郊外の映画館で1日7回上映されていました。かなり期待されている?!と思って座席予約してみると、じゅうぶん空席はあるけれど、良い席に座りたいと思ったら選ばないと……ぐらいの込み具合。

アメリカの映画館では、バターのかかったポップコーンが欠かせません。

これでも大中小の中

感想

原作ではかなりどぎついセリフがあったり、悲惨な事件が起こるのですが、映画ではそのエッセンスは残しつつ、うまくPG-13になるようにソフトにアレンジされていました。

このエッセンスをここに使うのか!という工夫に感心しました。
怒涛の展開で、最後の方はやっぱり泣かされます。

巷では、主人公の年齢が原作よりもかなり年上になっていたことに不満の声もありますが、あまり若いと、熱烈なファン以外の観客は落ち着いて観ることができなかったような気がします。

主人公を演じたブレーク・ライブリ―も夫を演じたジャスティン・バルドーニも素晴らしかった! 初恋の相手を演じたブランドン・スケルナーも良い味を出していましたが、ちょっと霞んでしまったような気がします。

高校生時代を演じた二人は初々しくて、これから注目の俳優さん達です。

小説映画化の難しさ

小説の映画化はちょっと間違えると、監督独自のフィルターがかかり、原作のメッセージが曲解されてしまうことがあるので怖いです。特に今回のような難しいテーマの作品は……。
でも、この映画化はうまく原作者の意図が伝わっていました。

考えられる理由としては

1 原作者のコリーン・フーヴァーが「エグゼクティブ・プロデューサー」という映画製作のすべてを取り仕切るポジションにいたこと

2 監督のジャスティン・バルドーニが、コリーン・フーヴァーが爆発的な人気を博する前から、この小説に心を打たれ、映画化の話を進めていたこと

3 主人公のDV夫の役をジャスティン・バルドーニが監督と兼任で演じたこと。
(コリーン・フーヴァーは“この役は問題をよく理解し、本当に優しい人でないと演じられない”と思い、企画途中で役者でもある監督に打診したそうです)

まとめ

この映画のメッセージはふたつ。

「どんな理由があっても、暴力をふるうのはいけない」
「わたしたちで終わらせる」(このタイトルにもなっているメッセージの意味が気になる方は、原作の翻訳本を読んでみてください)

17歳の娘と観に行ったので、もしメッセージがはっきりしていない場合、話し合う必要があるかもと思っていましたが、間違いようのない伝え方だったので、娘から何か話題にしてきたら対応するぐらいでいいと思えました。

原作者がここまで映画化に関われることは滅多にありませんが、コリーン・フーヴァーはそうやってメッセージを確実に伝えることも可能だということを体現してくれました。

娘の評価 ★★★★★★★☆☆☆(10点中7点)
本を読んで想像していたのを違ったから。
わたしの評価 ★★★★★★★★★☆(10点中9点)
うまくPG-13になるようにアレンジしていた。DVについてのメッセージがはっきり伝わってきた。

映画化された原作翻訳本(二見書房刊)はこちら☟


個人作家の星、コリーン・フーヴァーのことを9ページにわたって紹介した拙著はこちら☟


おまけ

郊外の映画館では『イット・エンズ・ウィズ・アス』よりも『インサイドヘッド2』がプッシュされていて、ちょっと寂しく感じました……

『インサイドヘッド2』にはこんな立派な宣伝物もあるのに……


『イット・エンズ・ウィズ・アス』はポスターも今ひとつ


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