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田草川幸伸の5日

田草川は30を過ぎ、
会社では主任というポストに就いていた。

決して貧しくはないが、
裕福には程遠い。
そしてそれ以上にメンタル的にはストレスを抱えていた。

上司もいるし部下もいる。
上司からの話をどこまで部下に伝えればいいか分からないし、

まあ、営業さんみたいにお客さん相手にするとか、
取引先をあいてにするとかは経験したことないので
どちらが大変か分からないし、
比べるものでもないし、
「分からない」ということだけは分かっている。

ただただ「会社全体のこと」を考えて動こうとは思っている。
嘘は駄目だが「噓も方便」で、
プラスに働くように上司からの伝言を部下に伝えているつもりだ。

しかしながら、
会社内でも思惑というか、
「向いている方向」は同じでないのは当たり前だ。

営業は会社のキャパは度外視でも仕事を取ってきて継続するのが仕事だし
生産は品質は悪くても計画通りに生産するのが仕事だし、
品質管理は生産計画とは関係なく品質がアウトだったら生産を停めに行く。
出荷は計画通りに出荷するのが仕事だ。

その中では民度が低いと「犯人捜し」が始まる。
それを避けるかのように傍観者になる人もいる。

民度が高ければ、
働いている人の全てが「会社全体」のことを考えて行動するはずだし、
そういった方針で引っ張っていく上司もいるはずだ。

そうでなければグダグダになり、
なあなあになってお客さんからクレームも来るというものだ。

しかしながら
それぞれの部署には悪気は全くない。

さっきも言ったように、

営業は会社のキャパは度外視でも仕事を取ってきて継続するのが仕事だし
生産は品質は悪くても計画通りに生産するのが仕事だし、
品質管理は生産計画とは関係なく品質がアウトだったら生産を停めに行く。
出荷は計画通りに出荷するのが仕事だ。

「自分の部署に課せられた仕事をこなしているだけ」であり、
いくら定例朝会で工場長が会社のことを説明しても、
「目先の自分に課せられたタスク」をこなすだけ。

「言われた事をやってるのに何が悪いんですか?」
おそらくみんながそう思っているだろう。

会社の何かの方針はあるだろうが、
それが自分の仕事と結びついていないのだ。

「言われた事をやってるのに何が悪いんですか?」
という気持ちは分かるが、
それで現実的に問題が起こっているのに、
悪くない訳はない。

そういうところにも気が付いてないのが普通の社員だろう。

そこには
「会社的にあらゆる仕組みを改革していく」という必要もあるのだが、
それも必ず大抵は全ての部署が快くOKは出さないのでグダグダになる。

どこかの政治家が集まっている国会とかと同じだ。

こんなことを考えているから、
期待されて昇格の話も頂くのだが、
個人的にはやりたくない。
給料が2倍になるとかだったら考えなくもない。

役職に就かずに年功序列で基本給が上がってればいいと思う。

…けど、もっと思っていることがある。
…それは、「FXで一発当てること」だ。

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