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遮断する事の出来ないアノ流れ

2021.1.23 
VS Waitakere United 3-3 (2-0, 1-3)

久々に体験した。こんだけサッカーを長く続けていてもどうもする事の出来ないアノ流れを。
前半2-0。それに加えて相手は前半終了直前に退場者をだし10人になっていた。個人的な感覚としてはどこかもどかしいというか、変な気持ちを抱いてハーフタイムを迎えた。というのも、前半の自分たちのサッカーが本当に良かったわけではないと思っていた。集中を欠いていたわけではないが、それ以上に相手が集中していなかった、それが故の結果に思えた。そんな状況で迎えたハーフタイムのチームの雰囲気はいつも以上にリラックスムードであった。状況が状況だけに当たり前かもしれない。監督からの指示は「勘違いするな。おまえらは今日は闘っていない。エナジーを見せろ。球際でエナジーを見せろ。ゴールへのエナジーをもっと見せろ。」といった感じのものだった。あとは戦術部分と。

個人的には次の1点が勝負を決めるなと確信していた。2-0というスコアはサッカーでは一番危険なスコアと言われているし経験的にも3-0から試合をひっくり返されるところはそうそう見た事ない。逆の立場であった時もそうだ。どんな状況でも諦めるなんてことはないが、3点差、4点差、それ以上とスコアに差があるときは、勝てるイメージは正直薄れる。とにかくこのまま負けるのは悔しいから、なにか爪痕を残そう、相手に怖いイメージを残そう、こんなことを考えながらとにかく1点を取ろうとする。
しかし、次の1点を取ったのは自分たちではなかった。
後半序盤、数えきれないほどのチャンスをつくり、試合を支配していたのも関わらず。

後半30分を過ぎた頃ついに1点を返された。10人の相手に。チャンスを仕留めきれなかった時から感じていた危機感が確信に変わった。「やばい」と本気で思った。こういった時どうやって流れを断ち切れるのか、どういったメンタリティでいればいいのか未だに分からない。そして2分後、同点に追いつかれた。10人の相手に。こうなったらもう止められない。
セカンドボールは全て相手に拾われるし、相手は湧き出るように攻撃参加してきた。10人とは思えない数的不利を随所で感じていた。何がおかしいのか冷静に判断しようとしたが分からなかった。ロングスローやセットプレーのこぼれ球も相手に全て転がっていくのだ。そしてついにPKを取られ、逆転された。2-3と試合をひっくり返されたのだ。10人の相手に。

その後はなんとか1点を返し3-3で試合終了。どっかの監督が「10人に減った方が、さぼる人がいなくなってチームは上手く回る」なんてことを言っていたのを思い出さざるを得ない試合だった。ここだけの話、残り15分は本当に相手が一人少ないとは感じていなかった。冷静でいたつもりだったけど冷静でなかったのかもしれない。勝てばプレーオフ圏内に順位を上げれていただけに本当に悔しかった。チームの雰囲気もまるで負けたチームのようだった。試合後の監督からは「3点目を取れなかった時からずっとこうなるんじゃないかと怖かったよ。10人の相手に再三チャンスをつくり仕留められなかった。それが全てだ」と言われた。日本ではこういった試合の後はだいたい、メンタルの話、いや説教をされていた気がするけどそこには全く触れられなかった。海外っぽいなと思った。アフターマッチまでは沈んでいたチームの雰囲気も、空港に着いた頃には賑やかになっていた。日本ではこういった試合の後は、「暗くしてなきゃいけない、笑ってはいけない」みたいな本心と偽りの感情が混ざり合った変なチームの雰囲気を感じていただけに、この切り替えの早さはなんだか心地よかった。

先日見た、Liverpool vs Burnley 0-1 の試合でもあったようにどんなにチャンスをつくり支配していても、一つのチャンスで失点し負けてしまう。これだからサッカーは面白い。煮えたぎるような悔しさの中に、わくわくしている自分が今いる。アノ流れを断ち切るためにはどうすればよかったのか。1日経った今でも分からない。きっと分かるときは来ないだろう。だってトップレベルのプロですら止められないのだから。それでも考える事を止める事が出来ない。なんて途方もなく、そして少し虚しくもある戦いだ。ただこれもサッカーに魅了され続け、やめられない理由の一つなんだろうな。

この試合で上向きだったチームの流れもどちらに転ぶか分からない。ケガ人も増えてきた。ただプレーオフ圏内に入るためには負けられない試合が続く。
とにかく頑張るしかない。

観てくれた方、応援してくれた方々ありがとうございました。
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2021.1.31   VS Hamilton Wanderers  13:00 kick-off

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