見出し画像

役に立たない知識をあなたに~          「ちこん」

この時期お盆の休暇等でお子様が帰省して、酔った勢いで「りょうかい、ちこん~♪」などと口にするのを聞いた事がある方もいらっしゃるかと思います。
この治痕(ちこん)についてのお話です。
治痕とは射撃用語で標的に空いた弾痕(だんこん)を紙やシールなどで塞ぎ、再び撃ち込める状態にすることを言います。
25m射場などで空いた拳銃などの弾痕は射座から双眼鏡で覗けばわかるので、確認次第治痕できます。
しかし小銃などは新隊員で200m、一般隊員でも300mで基本射撃を撃ちますから、射座から6㎜程度の穴を確認するには、それこそマサイ族並みの視力が必要でしょう。
その為、自動化されていない射場では標的位置にいる隊員に「弾痕表示」を指示して、標的の黒い場所には白い丸を、それ以外の場所には黒い丸を弾痕鋲で表示して標的を上げ、それを射手に確認させます。
射手が確認すると射撃係幹部は「確認、治痕」あるいは「了解、治痕」と指示をし、通信係がそれを復唱して標的位置に伝え、標的係も復唱して標的を下げて弾痕鋲を外し、標的の色に合わせたシール又は紙で弾痕を塞ぎます。
この時の指示「ちこん」の語感が若者受けをするのでしょう。
したがって、射場以外でこの言葉を聞いた場合
全く意味のない言葉であるという事になります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?