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一期テーマ"影" / ドキュメントテキスト

神奈川県逗子市の小学生&映像作家の山根晋によるアーティストコレクティブ TAGOE(たごえ)。2020年9月からはじまった第一期の成果としての展覧会「まあたらしい影」を〈2020年12月20日~12月26日〉の会期で行いました。第一期のテーマである"影"をさまざまに探求、遊んだ作品を展示しました。今回は第一期(全10回)の制作プロセスを記録した、ドキュメントテキストを公開します。

2020.09.17 / 影を作ってみる

今日からたごえ、今日は試しにやってみる日。昼頃にビル到着、プロジェクターやらカメラやら運び込む。何ができるか。あんまり力み過ぎても良くないし、油断してても良くない。初回の様子を見に来てくれたじゃがさんや、ひなこさんと話をしているとあっという間に15時で、みんなが来る。ごかんの卒園式以来、会ってない子たちも多くて、みんなのランドセル姿を見て、思わずドーパミン?成分が溢れることを感じる。いろいろ趣旨説明をして、提案したチーム名「たごえ」は大反対をくらう。「うみ」が良いんじゃない?とサクタが言う。「はてな」が良いとアサキが言う。確かに結構良いんだけど、ますます「たごえ」が良いように思えてくる。「みんな結構たごえ顔だよ?」とひなこさんが言う。たしかにそうかもしれない笑。決まらなそうなので、徐々に馴染ませて「たごえ」にしちゃう作戦とする。今日はまず、影絵映画に出てくる登場人物を、紙や身体を使って試しに作ってみる。結構早めに誰かから、おばけと出る。おーいいね!影とおばけ、比較的ストレートな連想だけどやってみる価値ある。これを機に、小泉八雲の怪談とかを引っ張ってきても良い。さぁ、おばけを作ろう!おばけを作ったら、映像で記録して、その作り方とかをシートに記録していく。そうやって本撮影の時に、再現できるようにしておく。つまり、計画的に映画を作っていくということ。アサキとサツキ、が腕と頭で目玉を作って、キホが鼻になって、巨人の顔ができあがったり、みんなやっぱり流石だなぁ、斬新なアイディアが出てくる。途中からソウスケが参加。その後、ヒマリとコウノスケも参加。小学生になって、逗子小に進学した子以外は、みんな久しぶりに会うようで、最初はなんとなく照れてたけど、徐々に再会の嬉しさを爆発させて、みんな無邪気に遊びまわる犬のようになる。もはや、映画どころではない。まぁ、嬉しいんだよね、仕方ないよね!と、ひなこさん。前半はみんな結構集中できたけど、後半は戯れる犬たちのようだった。でも良く考えてみたら、15時から18時の3時間は、子どもにしたら結構長いようで、まぁそりゃそうだよなと納得する。なんとなく流れ解散、ひまりが「あさきとご飯食べたい!」と号泣しながら帰る。今日は9人。この人数でやるのはしんどそうだけど、、みんな続けられると良いな。

2020.10.1 / 街で影を見つける

2回目のたごえ。ビルの中に入ってくる風が気持ちよい。前回と変わらず9人が参加。まず最初に、前回みんなで作った影のおばけを登場させたテスト編集版「やなぎおんな」をみんなで観る。やっぱり音とかが入っていると、引き込まれるのか、みんな集中して観る。自分が作ったものや考えたことが映画に登場するということに、何か喜びが生まれてくると良いなーと思う。エンドロールもつけたので、それぞれの名前が出てくるのもワクワクしている。さて、今日は2組に分かれて、影を見つけにご近所にフィールドワークへと出かける。下敷きに使うクリップボードをわたしが持ちたいとか、ずるいとかで、ヒマリとルアンがケンカして泣く。あぁこんな光景、ごかんでも見たなあと思う。感情が生まれて、時にぶつかる、そのことがまるっと素晴らしい。しかし、急がなければ影が夜の国に帰ってしまう。よし、探しに行こう!田越川沿いを走る。壁に移った自分や誰かの姿を見つけて、「にんげんおばけ」とか、アサキが鉛筆の影を縮ませたり伸ばしたりして、「ちーのびおばけ(その名前!)」とかを見つける。エイトク、コウノスケ、ソウスケが相変わらず再会の喜びを爆発させてじゃれあってる。女子たちはそれを見て、3人バカおばけと笑。延命寺のお墓を、フェンスの隙間からみんなで覗く。お墓のディテールを確認する。もう日も暮れてきて、影もいなくなったので、ビルに帰る。途中、サクタが田越川の水面に映る建物を見つけて、そこを撮って欲しいと言う。これも影?かもしれない。水面に映る建物を、ゆうゆうと泳ぐ鯉が横切ると「あー!」とサクタが反応している。サクタは今日、ごかんで見つけたという水晶も持ってきてくれて、作品を制作するということにモチベーションがありそう、どんどんセッションして面白いものを見ていきたい。それと、ルアンが自前の子どもスマホで夕陽の風景を撮っていて、それを見せてもらったけど、びっくりするくらい完成された構図だった。美しいものをどうやって撮影したら美しいのか、そこにルアンはセンスがあるのかもしれない。さぁビルに帰って、お菓子タイム兼、ラッシュのチェック。素材は結構はちゃめちゃだけど、ダメに超いい!があるという精神で、細かいところも振り返っていく。けど、みんなは集中力切れる。。ならば!手を動かす!ということで、影がある場所や風景を絵に書いてもらう。これまた、ある種の詩情を感じさせる情景が次々と出てくる。アサキは駅の様子、たぶん何かの記憶と結びついてるのだろう。キホは、海に伸びるマンションの影。これはあきらかに逗子の海だ。引き気味の画角が、詩的だと思う。サツキは、自転車の影。これも良い。何よりディテールがしっかり書き込まれている。この情景は、しっかり実写を撮影しても良いかも。エイトク、コウノスケ、ソウスケはまだじゃれあってる。君らが本気出したら、もっと面白くなると思うんだけどなー。こっちも引きつける何かを投げかけなきゃなぁと思う。そんな感じであっという間の1時間半。やっぱりこのぐらいがちょうど良い。次は、ものがたりをリサーチして考える会。逗子図書館に行こうと思う。みんなにおばけのものがたり、考えてきてねーと言う。みんな、やだーって言う。なんでや。

2020.10.15 / 物語をリサーチして、絵コンテを書く

先週から続くひどい寝違いが治らないまま3回目のたごえ。今日は始まる前に三星さんに来てもらい、ひなこさんも一緒に展覧会に向けた打ち合わせをやる。空間をどのように使うか、サインをどのようなものにするか。また三星さんと一緒に何かができるのが嬉しいし、頼もしい。またちょくちょく制作日に顔を出していただけることになり、最後にはたごえのロゴまで作りますか!というところまで。楽しみだ。さて今日は雨ということもあってか、少し人数が少なく7名で制作。今日は物語を考える時間を予定している。まず、みんなで逗子図書館に行く。一人一冊、本を選び、それを参考に物語を絵コンテに落とし込もうという内容。図書館ではそれぞれが、思い思いに本を選び、集まって誰かが朗読し、それにじっくり耳を傾けていた。ごかんの時にも感じていたけど、やっぱりみんな物語が好きなんだなぁ。絵本の棚って、面白そうなものが多くて、自分も真剣に選ぶ。 絵本で極楽を表現したものや、五味太郎さんの飛行機の影を描いたものを選ぶ。みんなはというと、すっかり影というよりも、おばけに焦点を合わせており、妖怪が色々出ているものや、かっぱを題材にしているものを選んでいる。「これあんまり怖くない」とアサキ。どうやら、めちゃくちゃ怖いものを選びたいよう。その後、ビルに戻りスタジオジブリも使っているという絵コンテの雛形を使って、物語を絵と言葉で考えていく。今日はみんな集中モード。結構良い空気が流れている。ヒマリは早くもおやつが食べたいよう。アプローチにそれぞれの性格が出てて興味深い。コウノスケは借りてきた本の挿絵を紙にトレースし、アサキは本の内容はもう頭に入っているのか、いやそれとも無視しているのか、黙々と絵コンテを埋めていく。サツキが作るおばけは、どれも見たことも聞いたこともないようなおばけで、これまたすごく面白い。どんな方法でも良い。誤解もどんどんしていい。とにかく、自分のやり方でやる、それが一番良い。結果、みんな物語を作るというよりかは、おばけを作るということになっていった。まぁ、これはこれで良いんじゃないか。というか、影というテーマも今回は薄くなり、もう完全におばけがテーマになりつつある?笑 まぁそれはそれで良いかもしれないし、物語もなくたって構わない。けど、みんな物語が好きだから、それを自分たちで作り出せたら、それはまた特別な体験になるのではないか...と思ったり。ひなこさん手作りの美味しいパウンドケーキを遅めのおやつに食べて、今日は落ち着いて制作時間終了。さ、来週どうしようか。

20.10.22 / 影おばけを作る

2週連続のたごえ。今日は、事前に色々買い出しがあって大船のコーナンに行ってからビルに向かう。三星さんが、制作の前に打ち合わせ可能ということで、まとまってきた作品構成案とスケジュールを共有する。そして、なんともうロゴを作ってきてくれた!僕が映像だから、映画館のスクリーンや劇場を想起させながらも、+という記号を組み合わせて、田越川の田とも見えるような、それでいてシャープな印象もある、とても良いバランスだと思う。「久しぶりに昨夜、酔拳を使って…」と。さすが。ひなこさんとともに、テンションがあがる。さて、今日はスクリーンを設置して、後ろから光源を当てて、実際に影おばけを出現させる。みんなは来てすぐに、既に設営してあった、スクリーンで遊び始める。自分の身体や髪の毛、そこにある椅子や筆箱の練り消しを次々と影にしてみて遊んでいる。そうそう、スイッチは知らず知らずに入るもの。「今日は何するの?」て聞かれるけど、こっちが聞きたい。一応、環境や状況は用意するけど、どんどんそれを書き換えて、超えて欲しいと願う。家からもってきた段ボールや、コーナンで買ってきた厚紙なんかも広げて、それぞれに、自分が考えたようにそれらをメディア化していく。しかし、今日一番興味深いメディアに変わったのは、白い荷造りテープだ。コーナンのレジ横に陳列されていた170円くらいのものだが、これで髪の毛とか作れるかな?程度で用意したのだが。みんなはそれを、ガムテープでスクリーンに張り出して、「蜘蛛の巣」に仕立ててしまった。こうなれば、みんなの想像力は爆発してくる。どんどん目が輝き、集中力が増してくる。(そう、それ!まさに神話的時間のはじまり)なんとそこから、その蜘蛛の巣を体に巻き付け、蜘蛛の巣に囚われた少女という物語を作ってしまった。僕もそれにどんどん便乗していく、それぞれがやりたいこと、やりたそうなことを焚きつけていく。つくづく、自分はそういう係に徹すれば良いと思う。今日はヒマリも集中していて、蜘蛛の巣づくりに才能を発揮しているし、サツキはひたすら蜘蛛の巣である荷造りテープを体に巻きつけていく、きほもそれを見ていて最初は真似していたけど、途中から映画の始まりの言葉と終わりの言葉を言う!と自ら役割を作って、ナレーションという仕事を作ってしまった。コウノスケは色々と探りながらも、後ろにセットしたライトが気になるようで、撮影技師が言いんじゃない?とか聞いてみる、ライトにカラーセロハンを当てて、色の演出とか?向いてるかもしれない。蜘蛛はこうのすけがやることになるのかな?鬼蜘蛛?やるとのこと。今日は、12月20日に予定しているオープニングでのライブ上映会のことを伝えたので、最後には女子たちが自主的にチラシをデザインし始める。アサキは、飲み物とかどうする?と聞いてくる。さすが、パーティー慣れしている。しかも、チーム名たごえで良いよ、と。サツキも、たごえで良いよ〜と。これにて正式に、我々のチーム名は「TAGOE / たごえ」に。さぁさぁ、どんな作品が出来るか。どこまで未知に突っ込んでいけるのか!

20.11.12 / スクリーン投影&映像劇の構成を考える

3週間ぶりのTAGOE。展覧会まで残すところ、1ヶ月と少し。今日も前回と同じく、本番を想定してスクリーンを貼り照明を当てつつ、影で何が作れるか、を実験していく。前回の荷造りテープが蜘蛛の巣になったということから、何かしらのメディアを用意すれば、それをみんなが自由に発想して勝手に面白いものを作れることに気付き、始まる前に100均で色スズランテープやらカラーセロファン、石粘土などを用意する。石粘土は、面白い立体が作れるかもしれない。今日は久しぶりにソウスケも参加。恥ずかしいのか、最初はどこかぶっきらぼう。だけど、すぐに元どおり。間が空いたにも関わらず、事前にそれぞれで話をしていたようで、誰が何をやるのかが既に決まっていた。TAGOEが何をしようとしているのか?までは分からなくても、どういった時間なのか、みんな分かってきているよう。各々が使いたいもの、試したいものを手に取り、まずやってみるということが自然とできている。みんな他の人がやっていることにはあまり興味がない笑。キホは、はじまりの言葉とおわりの言葉を言う人らしく、つまりナレーターであって、脚本も担当してもらうことにした。なので、今日は脚本づくり。まずタイトルは「とらわれた3人の少女」らしい。3人の少女が森の奥に歩いていきました。それからどうする?とちょくちょく相談を投げてくる。キホが思ったように、どんどん自由に想像を膨らませて考えて欲しいと伝える。ヒマリも隣で脚本に参加してもらう。サクタは、早々にカラーセロファンを見つけて、プロジェクターから出力している映像にかざしてみたり、照明に被せてみたりをして、自分が綺麗と思う何かを作ろうとしている。コウノスケは「照明技師」という役割ができて、それに徹していて、照明の前でどのように場面に応じてカラーセロファンを変えれば良いか工夫をしている。ソウスケは、久しぶりだから自分のすることを見つけれるか少し心配だったけど、粘土でおばけ作っても良い?と自発的に作ることに集中する。サツキは、さすがファッションデザイナー志望ということで、今日も荷造りテープで蜘蛛の巣にとらわれた少女の服を黙々と作っている。アサキとルアンも、粘土で蜘蛛を作る。意外に反応が良かったのが、僕が事前に撮影してきた蜘蛛や蜘蛛の巣の映像で、みんな「きれー」とか「めっちゃ怖いじゃん」とか、実際の蜘蛛がスクリーンに映って、影を作っているところに重なり迫ってくると、キャーキャー言う。粘土組は、作った蜘蛛や人やらに紐をつけて、スクリーンの上方に投げて、上からぶら下げている。その様子はさながら、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のようだった。

20.11.26 / スクリーン投影&映像劇の構成を考える2

本番を想定したセッティングの中で遊ぶことで、何か面白いことが突然現れるのではないか?ということで、3回連続でスクリーンを張り、後ろからライト、前からプロジェクター映像を投影する。前回くらいから、みんなが僕の想定以上に趣旨を理解していて、自分たちなりに考えて何かを試していくことが分かったから、今日は特にやることを決めずに、自主的にどのような実験や遊びが生まれるかを見守ってみようと思った。最初は戸惑って、「今日は何をやるの?つまらなーい」と言われても、僕が何かを与えるのではTAGOEではないし、そもそも僕の引き出しもそんなに多くない。そのうちに、前回キホを中心に書いた脚本通りに、みんなでやってみよう!ということになり、1回目の通し練習。やりながら、面白いことを見つけてそれを付け加えたり、全然関係ないような遊びと合わさったりを期待してさらに見守る。しかし、ストーリーもほとんど把握していない?と思うのに、その場その場でそれらしい動きをしていくアドリブ力が面白い。2回目の通しをやったくらいで集中力が切れそうだったので、映像で使う音を、それぞれの声を使ってやることにした。サツキが得意のケタケタ恐怖音や、男子陣の犬の遠吠えも良かったのだけど、今日はキホがいきなり「笑い声やります」と言い、3分くらいの引き笑いを演じたのにはびっくりしたのと同時に声に出さずに爆笑。決して演じているわけではないのだけど、あれは確かに演技だったようにも感じる。あーいうのって本当に不思議だなぁ。そして今日は、三星さんがゲストで来てくれてTAGOEのロゴ缶バッチのワークショップを行ってくれた。みんな持ち寄った紙にTAGOEのロゴをスタンプして、集中して缶バッチを作る。上映会の時に、1個200円で販売することになった。打ち上げのお菓子がたくさん買えるように高めに設定。みんな本当に楽しそう。自分が作ったものって、嬉しいよね。

20.12.10 / 映像劇の練習

今日は、事前にひなこさんに届けてもらった台本をもとに、本格的に「とらわれた少女」を練習する日。あらかじめ台本を読んでたり、読んでなかったり、あんまり興味なさそうだったりと、各々だけど、まず読み合わせをする。書いている時は、気づかなかったけど、理解しずらそうな箇所がそれで分かる。この物語、結構ふしぎな要素があるんだけど、そこには誰も気づかない?みたい。というよりも、不思議さ、つまり論理的に整合していないものに関する疑問が少ないのかな?台本だけだと、イメージがしづらいだろうから、突貫で、別撮影の素材を用いて仮構成の映像も見せる。そのうえで、各箇所の役割分担を明確にする。すこし心配だった、サクタが蜘蛛をやってくれるかどうかは、、結構やる気になってくれたみたい。最後、蜘蛛の巣をカッコよく投げるというのが、本人的にはグッときたよう。蜘蛛の衣装もサツキと相談しなくては。本番が近いからといって、こっちが想定しているものだけに、まとめていくというのも嫌だし、でもそうしないと本番が成り立たなそうだし。緊張感は必要だけど、緊張の中では、こどもたちからはあまり良いものは出てこないような気もしていて、自由に発想を膨らませれる状態をどれだけキープできるか。これは結構、今まで経験したことのない感じで、自分自身もすごく鍛えられる。おそらく、これを続けていけば、僕個人としても新しい制作の方法や捉え方みたいなものが見えてくる気がしている。1時間半みっちり練習をして、たぶんみんなほとんどの構成は頭に入ったと思う。最後に、サツキのお母さんが、なんとTAGOEマークのクッキーをおやつに作ってきてくれて、感激!しかも、さすがクッキーがすごく美味しい。本番も、TAGOEクッキーを販売してもらうことに。明日もたごえ、明日は冒頭の実写箇所を撮影に行く。ヒマリも3人の少女役なので、別の予定があったのに、お母さんと相談して撮影に来てもらうことに。展覧会迫る。

20.12.11 / 実写撮影・映像劇の練習・缶バッチ制作

11時から展覧会の作品設営についてオンラインで三星さんと打ち合わせ。それに合わせて、作品をリストアップする。これぐらい揃えることが出来たら、展覧会としても結構見応えがあるものになるのでは?と思う。そして、昨日予定していた通り、今日は15時に集まって披露山に撮影に行く。今日は金曜日で、今まで別の用事があって来れなかったミナミも参加する。すると総勢9名なので、2台の車で向かう。僕の車には、コウノスケとソウスケの男子チーム。しかし、キャッキャッと本当に楽しそう。特にコウノスケは、心底楽しそうだ。到着してダッシュしてロケ現場まで行き、劇中冒頭の森で遊ぶ少女たちを実写で撮る。披露山から浪子不動に降りる途中のあじさい広場、アサキ、サツキ、ヒマリに遊んでいる少女の演技をしてもらう。想像以上に、演技が上手でびっくり。こんな時、アサキはやる気と才能を発揮する。まったく台本を読んでなさそうで、セリフまで完璧なタイミングでアドリブで付け加えてくる。駐車場が16時半で閉まるので、1時間勝負で3カットから4カットくらいなんとか撮影ができた。アザーは週末じっくり撮りにこようかな。終えて、「撤収〜」いそぎ山頂の駐車場に戻る。息が切れる。確実に運動不足。行きと同じく、ソウスケとコウノスケを車に乗せて、ビルに戻る。戻ったら、映像劇の練習を通しでやる。確実に昨日よりそれぞれが役割を把握している。むしろ、もうちょっと詰めれるくらいだったから、昨晩さらに更新したバージョンの練習用映像を作ってきたら良かったと後悔する。蜘蛛によって投射される記憶の映像というのが、なんか微妙。ぐっとこない。だから、ここもうちょっと作り込んで、他の可能性も考えた方が良いかも。

20.12.17 / 展示作品制作・映像劇の練習

いよいよ今週末に迫る会期。ぎりぎり早朝までかかって、編集をほぼ完成版まで仕上げる。とにかく、あらためて記録映像の素材をセレクトするのに膨大に時間がかかった。どういった素材を選ぶのか?それは、感覚の初源を記録しているようなものが良い。なんとかそういったものを選べたかな?台本にも修正を加えて、セブンで印刷してビルに行く。ひなこさんがスクリーンの端を裁縫し、アイロンを掛けてくれていて気持ちが引き締まる。打ち合わせしつつお昼を逗子の「ざくろ」で食べる。うどんが美味しい。ダイソーで画材等を調達。今日明日は追い込みだから、15時スタート。本番練習の前に、以前春日大社のプロジェクト時に撮影した、今回のチラシにも使用しているビジュアルを、みんなにドローイングしてもらう。その方法は、9種類の画材を用意して、くじ引きで引き当てたもので描く。くじ引きとか、盛り上がるよな。キホが「炭を使って手で描く」に当たってすごく不服そう。炭はかなり面白いと思うんだけど、やっぱりそうだよね笑 お絵かき教室ではないから、技術も教えないし(教えれないし)、もちろん正解もない。もうちょっと言うと、アートの教室でもなくて、上手くいかないことや、価値にならなそうなもの、黙々とやる時間、そうした時に見えてくるダイヤの原石的な煌めきをただ見たいだけなのです。そのあたりって、伝わりそうで伝わらないし、出る場合もあるしまったく出ないこともある。それぞれに作品が完成して、映像劇の練習を始める。こっちがまだ確定していないところもあるから、まぁ色々と修正点は出てくる。当初、ナレーションは録音が良いかと思ったけど、キホが断固としてライブで読むとのことで、そうすることに。帰って、キホのナレーションにタイミングを合わせるために録音をする。一通り練習をした後は、大道具や小物作り。コウノスケが、くもの巣づくりを黙々とやっていて、かなりカッコ良いものが出来ている。そもそも、くもの巣はひまりが最初にやり始めたから、あらためてそれを言うと、ひまりも集中して作る。なかなか良いものが出来てきている。フレームを本番用と展示用の二つ用意する。サツキは疲れと格闘?しながらも、少女たちの衣装を作る。サクタには、水晶を使った展示作品の構成を伝えて、お母さんに水晶を持ってきてもらい、僕が家で撮影してくることになったが、解散後やっぱり水晶は渡したくなかったと泣いていたと連絡が入る。ちゃんと本人の意思を確認したつもりだったけど、少し強引だったかなぁと胸が痛む。でもそれだけ、サクタがあの水晶を大事にしていて、そういったものがあること自体が素晴らしいなと思う。今日の練習をもとに、家で再編集して台本も直す。とりあえずやれば良い、というものではなく、どうしても良いものにしたいから粘る。

20.12.18 / 映像劇の練習

朝起きて、光の状態が良いので、サクタから預かった水晶の撮影をする。サクタが見てみたいと思う水晶の美しさを写せるかどうか、時間との勝負。こういう時って、日頃からガラスの撮影しているから、なんとなくどうしたら輝くか、綺麗かが分かる。いくつか納得できるものが撮れた。その後、再編集したものをチェックして書き出して、ビルに向かう。よっちさんがパーテーションを組み立ててくれて、その間にスクリーンを張ってみると、かっこいい展示スクリーンができあがった。今日はとにかく練習!でも、何回も繰り返すのが難しい。よっちさんが一人お客さんということで、本番さながらで練習がはじまる。今日サクタが休みなので、ソウスケがその分もやる。まだ粗いんだけど、ひとまず通しで出来ることに嬉しくなる。昨日もそうだけど、15時からやると、みんなも途中で疲れてくるので、休憩を入れてやることを変える。おやつタイムを経て、少し追加で練習(とくにエンドロールが盛り上がる)黒い画用紙に、映像中に出てくる空欄に入れる言葉を考えて書き、スクリーンの脇スペースに貼っていく。ミナミは、昨日みんながやったドローイングを黙々と進めて、細かいところまで模写した完成度の高いドローイングを描きあげる。さすが、ミンミだなぁ。12月に入ってから参加しているのに、内容をもう理解して仕上げてくる。最初、かあさん役が嫌と言っていたけど、いざその場になるとちゃんとやってくれる。その後は、大道具や小物を仕上げるなど。役割がないメンバーはかくれんぼとかし始めて、カオスタイムに突入。まぁ、昨日も長時間やっているし、ここまでが限界かなぁと思いながらも、コウノスケとソウスケの男子チームは、せっせと手を動かしている。どうしても女子のパワーが強いんだけど、スロースターターな男子たちも、頑張っている。さぁさぁ、あとは本番前の練習で仕上げることができるのか...!

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