見出し画像

21.07.29_TAGOE活動記

文字造形を制作

ランチに粟津さんの海の家、Happy Go Lucky へデザイナーの三星さんと行く。美味しいサバサンドをほうばりつつ、近況報告と、第三期のテーマである“文字”について、いろいろ話す。前回みんなが作った(書いた?)文字面がすごく良いので、Tシャツにしたいと相談など。ヒマリの「気分」などがTシャツになっていたら、個人的に欲しくなる。さて、今日のTAGOEは前回に引き続き、気になる文字/漢字を、手遊びしつつ、想像を遊ばせて形にしていく。TAGOEメンバーがすごいのは、各自が自分の興味というものを知っていて、それぞれが独自の方法をすぐに見つけて、それを形にしようと手を動かすこと。これって、アーティストそのものではないだろうか、と思う。

画像1

このあたりで、僕の文字に関する興味も深掘りしていきたいところ。でないと、みんなに置いてけぼりをくらってしまう。文字に対する興味は、何かを媒介するもの、つまりは総じてコミュニケーションを媒介するものとしてあると思う。そして、日頃から私たちが慣れ親しんでいれる“漢字”に関しては、人間同士のコミニケーションの道具としてだけでなく、自然と人間のコミュニケーションも表意したものでもあるところが、なんとも興味深い。だから、私たちが自国の文字を扱い、それに向き合い、自由に遊ぼうとすると、必ずそうした始源のコミュニケーションの景色が見えてくる。そこに、今時点での興味がある。なので、TAGOEメンバーが造形する文字の世界には、そういった景色が見え隠れするのではないかと思っていて、実際にこのテーマに決めてからの数回で、そのようなことを少しづつ目撃している。きっとこの成果が作品になり、展覧会でそれを空間化していくことが、今回の道筋なのだろう。

画像2

さて、今日のそれぞれの制作をメモに残すと、コウノスケは関という自分の苗字を立体化する制作を黙々と進める。どうも自分で、やり方に納得が行かない点があるらしく、それを説明してくれるのだが、そのことが分からない。この齟齬がとても面白いなぁと思いつつも、理解してあげたいのだが、どうも、分からない。その間にも「しんくん来て来てー!」とお誘いがあるので、ひなこさんにバトンタッチをすると、どうやらその点がわかったようで、「こうのすけ、分かってあげれなくてごめんー」と。このやり取りに、こどもたちの作品の面白さ、が隠されているような気がした。それにしても、コウノスケのひたすら黙々と作る姿は頼もしさもある。急に大人が近づいてきた雰囲気もある。サツキは最初、どうしようかなぁと、少しエンジンがかかっていない様子だったけど、「とりあえず手を動かせば、面白いことが自然と湧いてくるのがさっちゃんじゃない?」と投げると、「たしかに!」と、パッと切り替わり、あれよあれよという間に、しんにょうの右辺に、さまざまな絵を組み合わせるという、驚きの制作に取り掛かっている。これには本当に驚いた。そしてサツキがすごいのが、これをやや自覚的に行っているところで、きっとお題に対する読解力が深くあり、そこにみずみずしい感覚を制限なしに働かせる楽しさのなかに、自分を見つけているのだろう。(という分析が、つまらないものだけど...)スロースターターのサクタは、今日もモジモジ。とりあえず、小麦粘土を捏ねている。けど実は、その手持ち無沙汰で、あまり乗り気がしないけど、なぜかやってしまうというその行為に、才能は見えるもので、何気なくできあがった造形には、確かに個性がある。少しだけ我田引水すると、これを見つけれるのは先生ではなく、アーティストの視点であり、それが許されるのは現状、芸術だけ。そこを讃え、励まし、形にすることを後押しすることは、あえて教育という言葉を使うならば、それは教育の根っこの領域なのではないか。ソウスケは久しぶりに参加「何やればいいのー?」と今では他のメンバーが口にしないことを言う(笑)そう、どうせ僕に聞いたって、やりたいことやりなよーとか、何やったって良いんだよーということぐらいしか返ってこない。でも、小学二年生にでもなると、その時間で自分の居場所が欲しくなる。結果、黙々と作業をするコウノスケのサポートをしている。そういう関わり方も、良い。途中で自分もやりたくなったら、やれば良いのだし。アサキは、前回作った恐ろしいクオリティの「太陽」の神話紙芝居の続きを作るも、何か気乗りがしないようで(前回はとんでもない集中だったけど)、途中から、劇をはじめる。犬の形で文字を作るということで、わざわざ家から、犬のカレンダーのコピーを持ってきていたキホも、そっちの方が楽しく思ったようで、ほっぽり投げて劇に参加、そして一緒に脚本を考えている。8歳と言えど、今まで膨大に浴びて吸収してきた物語の中から、瞬間的に断片を組み合わせて、物語を作っている。それをソウスケが、カメラマンになって撮影している。「文字に関係ある劇を作りなよー」と言うと、すぐそんな内容になる。素晴らしいアレンジ力。第一期の影の時の映像劇とはまた違った内容をやるのも、こんだけ楽しそうにやっているんだから、良いのかなぁと思う。

画像3

ここから先は

0字
この『TAGOEサポーターマガジン』では、二週に一度活動をしているTAGOEの活動記録(テキスト:山根晋)が掲載される他、TAGOEメンバーによる投稿や連載も?予定しています。ぜひ、購読者となってTAGOEの活動を応援してください!

神奈川県逗子市の小学生&映像作家の山根晋によるアーティストコレクティブ TAGOE(たごえ)です。2020年の夏より活動をはじめ、毎期ごと…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?