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今季のブレックスの振り返りと来季の展望(2023-2024)


はじめに

RSをクラブ史上最高成績(51勝9敗)でリーグ首位で駆け抜けたブレックス。
QFでは千葉ジェッツ相手に1勝2敗と惜敗し今シーズンが終わった。
千葉ジェッツには今シーズン天皇杯で苦渋を味わったものの、レギュラーシーズンでは4勝0敗だったことから、QF敗退は個人的にダメージが大きく気持ちの整理をつけるのに時間がかかった…

そうはいってもとても濃いシーズンだったことは間違いないし、ベンチの雰囲気は過去最高と言っても過言ではないくらい良かったように思う。

そんな充実した今シーズンを独断と偏見で振り返るとともに来季の妄想をしてみたい。

編成について

昨シーズン、Bリーグ以降初めてCS進出を逃したブレックス 。(もっと遡るとナベやロシター達が加入後初めてのCS、PS進出を逃した。約10年ぶり)
要因はいくつかあるけど、編成も間違いなくその一因だった。
その反省を活かし、コアメンバーは継続しつつ、千葉ジェッツからギャビンエドワーズ、大阪エヴェッサからDJニュービルを獲得する大型補強を行った。
個人的にbリーグ初年度、21-22シーズンと並ぶかそれ以上の過去最高の編成になったと思うし、フロントの本気度がうかがえた。
(人件費も過去最高でしょう、、)

また、コーチ陣として秋田ノーザンハピネッツよりケビン・ブラスウェルアソシエートコーチを招集。もともとスリーをベースとしたオフェンス構築に定評があり、昨シーズン課題だったオフェンスにも力を入れる姿勢が感じられた。
その他、加藤さん等々もいるが文字数が果てしないので割愛させていただく🙏

プレシーズン〜序盤戦

夏のワールドカップ影響で佐々HC、比江島、フォトゥはチーム練習にほぼ参加しない中でのプレシーズンイン。プレシーズン自体もスタメンではなく、コンディション調整程度の起用だった。

プレシーズンで特に印象的だったのが、オフェンスの変化と選手各人のフィジカルコンディション。

オフェンスの変化について

ライアンロシターの脱退以降、フォトゥやジョシュを起点としたインサイドバスケをしてきたブレックス。どちらかというとスローテンポでローポストに預けてから展開する少し古いハーフコートスタイルのバスケを得意としてきた。
プレシーズンでは、アウトサイドのボールムーブやビッグマンのドライブインからのキックアウトからの3P主体の代表に近いバスケをしたいように見えた。また、隙あらばボールプッシュを速くするトランジションの意識も高いように感じた。
後述するが、この時点でのバスケの完成度(やりたいバスケを体現しようとする意識)はかなり高かったからか、開幕戦以降数試合は正直物足りなさもあった。それくらい個人的に好きなスタイルへの変貌を感じたシーズンインへ期待の持てるプレだった。

フィジカルコンディションについて

おそらく昨シーズンCSを逃した影響もあり、オフシーズンのラジオなどを聴くと例年より早く練習に励む選手がほとんどだったとのこと。
昨シーズンプレの横浜戦を観に行ったとき、歴代ワーストレベルのフィジカルコンディションに愕然とした。とにかく若手以外足が動かない。また前半のビハインド時点からベンチの緊張感のない雰囲気に唖然としたのも覚えてる笑
その悪い印象との高低差もあり、今シーズンのコンディションやベンチの雰囲気(特にナベはかなり緊張感を持って指示を出していた)に今シーズンに賭ける思いが伝わって熱くなったのを覚えてる。
唯一プレで残念だったのが怪我人(高島、ギャビン)が出てしまったこと。
高島はケガ前後でのシュートタッチが全然違ったし、ギャビンは加入まもなくの怪我でチームケミストリーを構築する前だったのが今振り返っても残念だった。

上記プレシーズン、天皇杯を経てシーズンインしたブレックス。プレで作り上げたチームに佐々HCのエッセンス、比江島、フォトゥを組込んだことで少しTOなどのハレーションも気になったものの、安定した勝率をキープしたブレックス。
この時期はスタメンを遠藤ではなく鵤を起用していて、個人的には予想外だったけど思いの外安定していて面白い采配だと思った。
ただ、セカンドに回った遠藤の存在感が薄れたこと、遠藤と高島のセカンドユニットでの共存が難しいことなどもあり、中盤からは鵤→遠藤がスタメンに起用されることになる。

中盤戦

この頃にはスタメンは鵤から遠藤に定着。
またトランジションはTOが改善されないことからか徐々に頻度を減らし、ハーフコートバスケが主体に。ちらほら怪我人が出るものの、代わりの選手がステップアップ(特に公輔は凄かった)し大崩れしないで乗り越えた時期だった。
個人的には1月の琉球戦のオフェンス(カッティングを織り交ぜたチームオフェンス)がオフェンスのピークだったように思う。これ以降あまり見なかったのはなぜだろう?

終盤戦

チーム史上最高連勝記録を作ったり怪我人が戻ってきたり、インサイド陣の連携によるオフェンスバリエーションを増やしたりと振り返ってみればチームのピークがここと言われても仕方がないくらい充実していた。
久しぶりの地区優勝を獲れたりと素晴らしい時期だった。

CSについては結果が出なかった以上、どうしても課題が目につく。フラットに戦力はどこにもひけを取らなかったと思うんだけどなー、、

今シーズンの総括

CSで望むような結果ではなかったかもしれないけど、RS最高勝率と連勝記録、近年稀に見る平均得点、ベンチの雰囲気、選手のバランスをみると最高のシーズンだったと思う。
出来ればこのメンバー、コーチ陣を極力継続して来シーズン、このバスケスタイルの可能性を追求して欲しい。
1年間素晴らしいものを観せてくれてありがとうブレックス✨

来季の展望(妄想)

ここからはネガティブなことも含めて好き勝手書いていくので気分を害する方はスルー推奨です笑

コーチ陣、采配について

仮にコーチ陣、選手、戦術を継続路線で行くのであれば、まずコーチ陣、采配のステップアップが最優先だと感じたCSだった。
個人的に感じた課題は以下の通り。

1.若手の起用と育成

ここ数年、CSは主力組のプレータイムが偏る傾向にあるけど、主力組の加齢も相まってこれ以上の成績を望むのであれば、若手ないし新加入選手の台頭が不可欠だと感じた。
親会社を持たず、アリーナの民設民営を謳うチーム事情を考えると人件費にばかり投資できない。
DJ、ギャビン、比江島などを主力に据えるのであれば言い方は悪いが実績のない安い選手を上手く育てる他ないように思う。

今季の若手の起用法を観てると、上位チームとの対戦ではほとんど起用せず、かつガベージでまとめて起用するケースが多かった。

日々の練習でのアピール不足もあるのかもだけど、拮抗した展開での起用も我慢して行って欲しいのが本音。そこまでやったうえでも育たず今回のCSのような起用になるのであればまだ納得できるかな。

2.セカンドユニットの確立と信頼

昨シーズンに続いてセカンドユニットを確立(信用)できなかったのも課題。
昨シーズンは、比江島、遠藤
今シーズンは、比江島、DJ
どちらかをコートに立たせるローテーションをしてるけど、どっちが出るかはその日の出来次第。
そして競った試合の終盤はその日のパフォーマンスに関わらずスタメンの起用がほとんど。

この起用だとCSで必要なXファクターの台頭は難しいし、対戦相手としてもスカウティングしやすい。誰かに依存する選手起用は今シーズンに関してはもったいなかったように思う。

3.対戦相手に応じた選手起用

これは前HCを長く見てきた自分の身勝手な主張かもしれないけど、対戦相手に応じたベストDFの配置を第一優先にして欲しい。うちは創設当初からDFファーストのチーム。オフェンスやフロアバランスはその次でいい。
例えば富樫には鵤、河村には高島、重量計ビッグマンにはオールスイッチできる遠藤、鵤など。
CS千葉戦では富樫に鵤、スミスに高島をつける時間をもっとみたかった…

4.来季の戦術と勝負所の選手起用

来季も今季のスタイルを継続するのであれば、遠藤の起用法(もしくはマインドセット)は生命線のように感じる。
入団当初から見てるけど彼はリーグ屈指のシューターだけどクラッチシューターではない。
特にCSのような一点の重みが変わる試合で、終盤に誰を使うのかはフラットに考えて欲しい。
彼を批判したいのではなく、今回のCSの彼のシュートフォームや顔つきは明らかにおかしかった、そこをケアできる体制を作って欲しい。

そしてCSは独特の緊張感や普段より大きな箱で開催されることからシュート確率が落ちることが前提としたCS用の戦い方を準備したい。
また、シュート確率が上がらなくても打ち切るマインドを選手全員に植え付けて欲しい。

5.ファールストップとファールドローの使い方

ここは来季かなり伸び代があるように思う。
オフェンス、DFともにトランジションについては伸び代がある。とくにファールストップの意識は今だと鵤とナベくらいしかないように感じる。
試合に絡める選手が増えればこの辺の幅も広がるはず。

あとファールドローを貰いに行く意識をもっともたないと来季結構マズイと思う。
CS3試合通して、比江島とDJにはファールOKな守り方を頻繁なローテーションを駆使してとられた。
きっとFT確率の悪さ、ファールドローの意識の低さを逆手に取られたうまい戦術だったと思う。来季この守り方をされるケースは増えるだろうし、対ブレックスの守り方のお手本になるような気がしてる。逆にブレックスもこういう割り切った守り方を学ぶべきかもね。どこで点を止めるかがシーズン通してふわっとしてたようにも思う。

来季の編成について

前提として今季のメンバーはバランス、役割りともに過去最高だったと思う。悔やまれるのは若手の台頭が間に合わなかったことくらい。
ただ、今季以上の成績を踏まえたとき、戦術と選手の相性を考慮した際に考える個人的な入れ替えポイントを書いてみる。

四家

すでにリリースがあった通り退団が決まった。
年齢や伸び代を考えると、出場機会のあるチームで試合に出た方がWin-Winなように思う。
個人的に外国籍と臆せずコミュニケーションがとれることやメンタルはPGやる上で強い武器になると思うので、大化けする可能性を秘めてるし小川よりも早く台頭する気もしてる。頑張って欲しい。

フォトゥ

フックはもちろん、クリアアウト、ディープシール、ブリッツと献身的で大好きな選手。
ただ今季のようなアウトサイド主体のチーム編成のチームだと能力をフルに発揮できないようにも思う。ハードワーク故にディープシールしているフォトゥにボールを入れることがファーストオプションになって、シュートチャンスを逃すシーンも今シーズン増えたようにも思う。
戦術のバランスを考えると、ストレッチビッグ系(インサイドが強い3P35%セブンフッターとかだとなおよし、バジェット度外視!)の選手の方がマッチしそう。

田臥

編成の話になると田臥不要論が出るけど個人的には大反対。
たしかに選手としては計算できないかもしれないけど、そもそもベンチ入りも減ってきてるのに加えて、広告塔、メンター、英語話せる、コーチ陣に近いこともしてる、スポンサー獲得。仮に彼を切ってこれらを上回る価値を与えられる選手を教えて欲しい笑
何より彼が入団してから作り上げたチームコンセプトを継承できる若手(個人的には高島に期待)を育てるまでは最低でもいて欲しい

公輔

今季の活躍見て若手日本人を獲得希望する声があるけどこれもよくわからない笑
現時点で彼の代わりになる日本人はほぼいないし、ギャビンと公輔いてプレータイムほぼない中誰が呼べるのかと笑
なんならCSのプレータイムもう少し増やして欲しいまであった選手。それくらい今シーズンの彼の活躍は素晴らしかったし、まだ数年は最前線で続けると思う。

その他

その他は継続路線なのかなーと思ってるけど、ジャーニーマンのジェレットがどうなるか。
絶対残して欲しいし、彼がいるいないでフォトゥの所の選択肢が大きく変わる気もしてる。
若手に関しては、高島はまず手の怪我を万全に治してほしい。怪我に泣く選手にはなってほしくない。
村岸はとにかくDF。プッシング系で吹かれることが多かったから手の使い方を先輩から学んで欲しいのと3番固定化で起用して欲しい。
そして小川くんは多分感覚派だから良さを消さずにまずはアウトサイドを磨いて欲しい。

日本人選手に関してはXにも書いたけど、下手な補強するくらいならスキルコーチ雇って育成に注力して欲しい。いくらいい選手がいても使われなきゃ意味ないし、今の若手が育たなければリクルートのアプローチを変えるべき。
若手の台頭、戦術や起用のブラッシュアップで来季は十分優勝を目指せると思います✨

長文になりましたがスッキリしたのでこの辺で🙏

#ブレックス

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