cookpad techconf 2019での学び

内容自体は、公開資料を見る方がよさそう。
資料にもよるが、説明無しで公開資料単体だけで内容の骨子が理解できるようになっているのと図があってわかりやすい。

今回、プロダクトマネジメント、デザインの発表の範囲で感想を書いている。下記の技術の発表も先進的な話、レガシーの話があって面白かった。
・Challenges for Global Service from a Perspective of SRE 2nd season
・レシピを解析する!Machine Readable Recipe(MRR: 機械可読なレシピ)の開発
・クックパッド動画事業開発のチャレンジ
・クックパッドiOSアプリの破壊と創造、そして未来
・スケーラブルなセキュリティ監視基盤の作り方
・新規アプリ開発を支えるユーザ・決済基盤
・Re:silience から始めるカオスエンジニアリング生活

クックパッドが目指す、これからのデザインとプロダクトのあり方

入社してまだ17営業日なのに、デザイナー統括マネージャとして、発表するという無茶振りをされた宇野氏の発表。「レシピの会社ではなく、毎日の料理を楽しくする会社」というのは、2018年のtechconfでも同様のことが言われていたが、入社17営業日の方が、去年よりも明確に説明できるくらい浸透しているのだなと感じた。また、cookpadの課題として、「全社のプロダクトを通した横断体験が設計されていない」はまさにそう思って、外部から見ると、cookpadTVとかkomercoとか料理に関係するのはわかるのだけど、なんとなく、できるからやってみたとか、新規事業をしたかっただけじゃないの?みたいに思っていた。今後の新規サービスの位置付け、横断した価値に期待したい。

生鮮ECクックパッドマート - サービスの立ち上げから拡大に向けて

MVPで学びを得るとか、仮設が間違っていたらピボットするとか、いわゆるリーンスタートアップの事例紹介だが、意外とこういう事例を具体的に詳細に紹介されることは少ない。何を学んだか、何が価値なのかということが、スタートアップにとっては、競合に対する情報流出になるからだと考える。特に、料理、食品系は、比較的参入障壁が低いため、他社でも真似しようと思ったら、真似できるはず。そんな中、情報を公開するのは、他社よりも仮説検証、グローススピードに対する自信の現れのように感じた。
デザインスプリントは接点の無いユーザに対する価値検証として、有用そうなので、自社で試してみたい。

料理の学習体験をデザインする

発表資料公開されておらず・・
ユーザの料理を上達させるためのサービスの検討過程の発表。料理の上達という定義が曖昧なものをヒアリングして、「パパっと作れる」ことと整理し、それを料理の発想力、料理の具現化力等に分解するヒアリング力、概念化力、ロジカルシンキング力が高いように感じた。この個人ごとの能力を会社的どう育成しいるのかが気になった。能力だけを見ると、コンサルの能力に近いのかもしれない。「ヒアリングして、論理的に整理して、解決案を出す」のは、コンサルも変わらない。0->1のデザイナ、プロダクトマネージャは意外とコンサル出身者もあうのかもしれないと改めて考えた。

新規サービス開発を加速させる技術とデザイン

料理が楽しくなるこだわりの皿、食材を買えるアプリ・サービスをデザイナーとして、どう高速に開発できるようにしたかについての発表。
sketch+abstract(管理)+zeplin(共有)+marvel(プロトタイプ)をFigmaに変更して、エンジニアとのコミュニケーションコストを削減したということで、かなり興味を持った。自分が担当しているプロダクトでsketch、adobe xd、Figmaのどれがいいか検討したことがあったが、コミュニケーションコストの点をあまり評価基準にしていなかったため、adobe xdを使っていた。最近、コミュニケーションコストを感じるようになってきたため、試してみようと思う。atomicDesignは初期コストがかかりそうだが、いづれ対応したい。
アプリのデザインコンポーネントのコード化までデザイナーが対応していて、エンジニアは機能開発や体験改善に注力できるようにするというのは、ロールを越境していていいなと思った。ただ、考えてみると、デザイナーが最終的なデザインの成果物である画面のUI部品まで責任を持って対応するというの理想にかなっているようにも感じた。なかなか、そこまでできるデザイナーはいないと思うのだけど、そこまでできるデザイナーがいるのは強い。

基調講演

なぜ毎日の料理を楽しくする必要があるのかという発表。
会社の定款に「毎日の料理を楽しみにする。そして、世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになったときに、当社は解散する」という内容を記載したらしい。体は食べ物でできているという当たり前だけど、健康大事だよねという話から、自炊の方が健康的だよね、料理楽しかったら自炊するよねというロジックで非常に納得がいった。
そこから、何があると楽しくなるかということで、
・楽しくする食材が買えるkomerco, cookpad mart
・料理スキルを上げるcookpadTV LIVE、たべどり、cookpad Do!
と、『なるほど、「毎日の料理を楽しくする」というビジョンに従っていたんだな』と本日、最初に思っていた、できるからやってみたとか、新規事業をしたかっただけじゃないみたいな思いが払拭された。ちゃんとビジョンに向かって、デザイナー、エンジニアみんなが進んでいるのだと。
さらに、「今の流れとして、世界は料理が楽しくない方向に進んでいる」と名言していたのも、とてもいいなと思い、中食とかuber eatsとかと戦う壮大なビジョン、ミッションになっている。ちょっとこれには、cookpadで働きたいと心を動かされそうになった。
自分も最近、エンジニアグループで行動指針とかサービスのビジョン的なものを検討したり、決めたりしているが、人を強力な推進力で同じ方向に動かすため、離職防止のため、採用のため、こういう腹落ちするビジョンは必要だなと改めて感じた。

・cookpadの社員は実際、料理を楽しんでいる?毎日?
・中食、外食に関わっている人の料理は料理ではない?スコープ外?本来は、中食、外食に関わっている人こそ、料理が楽しくてがきっかけとか、今後も楽しく料理したいのでは?
という疑問を持ったが、懇親会で聞くタイミングを逸したので、また機会があったら、聞いてみたい。

おまけ(cookpad techconfを楽しむ技術)

毎年、恵比寿ガーデンプレイスでやっているので、エビスビール記念館に寄って、ビール飲んでから参加するのお勧め。


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