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私の人生経験値を例えるならはぐれメタル級 思春期編①

中学に上がると同時に私は 
昔祖父母と同居していた家に戻り
両親がなんとか建てた二世帯住宅に
住むことになった
小さい頃に住んでいた土地なので
あまり抵抗は無かったが
小学校とは別の学区だったので
ほぼ転校生気分でいた 
幼稚園時代の友達で文通してる子が
一人いたが後は知ってる友達もいなかった
私の家は中学校から5分くらいの所にあり
目立つ場所にある
我が家は昔から犬を飼っていて
めちゃくちゃ吠えるし
めちゃくちゃ逃走するので
「怖い犬の家」で有名だった
思春期だからめちゃくちゃ恥ずかしかった
なるべく目立ちたくない
しかも 
その時代でもあり得ない田舎のヤンキー中学で
校舎の窓が割れてたり
バイクが学校の中を走ったり
登校時には裏門にヤンキーが並んでいて
目が合ったらカツアゲされる学校だった
だから更に目立ちたくない
小学校でちょっとやんちゃだった私は
ここでは 大人しく過す事にした
不安だったがテニス部に入り
友達もできた
キクヨ(仮名)とトモコ(仮名)
とっても真面目で汚れを知らなさそうな二人
そして無駄のない明るさ
この二人の神に出会った事で
私は中学校生活を乗り切ったと
言っても過言ではない

入学して数日経った頃…
登校していた私達の前を
3年生で学校一の番長が通りがかった
まるでゴリラ
五分刈りで柔道してそうな体で
金の太いネックレスしてる
「今どきセカンドバックってダサくない?」
私は思った事口に出してしまう事がある
学ランにセカンドバックの組み合わせを見て
私は我慢できなかった
キクヨとトモコはオシャレに無頓着
「そうなの?セカンドバックって
 ダサいの?何がおしゃれなの?」
キクヨが大きな声で聞き返してきた
その後セカンドバックの話しになったけど
番長も気づいてない様子だったし
ほのぼの話して登校した

その日の夕方…
下校しようと思って席にカバンを取りに行くと
私の机とイスにノート細かく破いたような
紙くずが置かれていた…
なんだよコレ
と思ってゴミを払いながら気がついた
まさかコレ…イジメか?!
町の小学校からやってきた
転校生同様の私についにイジメが来た!
放課後の教室で顔を上げると
いつの間にかイケイケ女子グループが
集まってて私の周りを囲んでいた
「あんたさ 朝〇〇さんの
 カバンをバカにしてたよね」
あぁ あのダサいセカンドバックの事ね
「はぁ?カバン?そんな事言ったけ?」
ヤバいなぁと思ってとぼけてみる
「とぼけんなよ!
 うちら朝後ろで聞いてたんだからなぁ」
やべなぁ
「ホントに言ったのかよ?」
皆の後ろから明らかに一番キレイな
女の子が出てきた
「ホントだよノゾミ!
 私達こいつが言ってるの聞いたんだから
 ノゾミの大好きな〇〇さんの悪口
 言うなんて許せないよなぁ」
ああ この美人は番長の事好きなのね
まあそりゃ怒るか
なんか ちょっとしょーもないけど
「言ったよ それが何?
 あんたの事バカにしたわけじゃないじゃん」
はい 私の気の強さ抑えれない
「やっぱ 言ってるじゃん 殴らせろ」
美人の手が振りかぶる
「やってみろ」
私も美人の目をじっと睨みつける
周りの女子は息を呑む
美人の手が私の頭を平手で殴った
私も振りかぶって美人の頭を殴り返した
周りの女子の空気が張り詰めた

「あはは やっぱりnikiヤバいなぁ」
美人が大笑いする
「ノゾミもヤバいって!変わってない」
私も大笑いした
実はこの美人のノゾミは
私の幼稚園時代の友達で唯一文通してた
友達だった
気の強い女子同士で仲良しだった
お金持ちのお嬢様で
小さい頃から可愛かった
こんなに美人になってるとは!
しかも大勢の取り巻きを連れてる
子分の様な女子達は状況を飲み込めず
ポカーンとしている
クラス違ったらか探せなくて
どこにいるんだろうと思ってた
影の女番長を
変な空気の中 教室のドアが開いた
キクヨが満面の笑顔で登場した
「nikiちゃん 
 朝セカンドバックの事言ってたじゃん
 〇〇ちゃんにダサいって言っといたよ」
「えっ?」
私もノゾミも皆も固まった…
「そしたら〇〇ちゃん
 1年の女子に何持ったらオシャレか
 聞いといてって言ってたよ」
キクヨがニコニコして言った
なに?どう言う事?
キクヨがあのゴリラ番長をなぜちゃん付け?
「あっノゾミちゃん  
 ノゾミちゃんオシャレなバック 
 知ってそうだよね!教えてあげて」
キクヨの勢い止まらない
「あっうん 考えとく」
ノゾミが顔を赤らめる
ゴリラ番長の事やっぱり好きなのね 
「nikiちゃん帰ろー」
理由のわからないまま
キクヨに手を引かれ私は教室を出た
トモコも教室の外に待っていて
3人で下校した
「どう言う事?」
よくよく話を聞くと
キクヨはゴリラ番長と幼馴染で
兄弟の様に育ったそうだ
そしてキクヨにお兄さんがいて
ゴリラ番長の兄的存在だから
キクヨ達兄弟にはゴリラ番長も
頭が上がらないらしい
って事はキクヨがこの学校で
一番最強じゃねぇ?
ニコニコしながら歩くキクヨの顔を見る…
「助けてくれたの?」
「エッ?なんで?あれケンカだった?」
やっぱり天然かぁ
「あたしがキクヨに教室行ってあげて
 って言わなかったらnikiちゃんヤバかったの」
トモコはその辺わかってたのね
差し出しが良くて機転が利く
賢いトモコ 天然では無いのか
「でも大丈夫だった ありがとう」
私も二人にノゾミとの関係を説明して
安心してもらった

この二人+ノゾミ
私は最強の仲間を見つけて
経験値を上げながら
ひっそりする事を目標に
中学生活をスタートさせた







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