人生の可能性

ちょうど先日書いたように、ある人がどういう人になるのかは幾ばくかの先天的な要因の他はほぼ全て環境によって定められている。そして、その環境は初期条件と数多くの偶然の積み重ねによって時間の経過とともに変わりゆく。初期状態がどんなものであっても、その後がどうなるかは分からない。

だから、全ての人の人生は可能性に満ちている。それって、恐ろしくもあり素晴らしいことだ。人間の運命は、誰かに定められているようでいて、実はそうでもない。本人がそのことに気づけば、尚更そうなる。そして、そうした心の持ちようは自己肯定感と深く結びついている。

また、環境が偶然の積み重ねであることを踏まえると、「Xというバックグラウンドを有する人には、Yである傾向がある」というのが統計上の事実だったとしても、いま目の前にいる人に対してそういう先入観を持つことは、なんだかとても間違っていると考えるようになった。家がお金持ちだからとか、●●人だからとか、虐待を受けていたからとか、そういう背景情報をあてにせず、目の前にいるその人と話をしたり、その人の行いを観察してみて、自分なりに考え続ける以外ないんだと思う。


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