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【らいすき会】星野源さんの文章分析

この記事は、ライティング力を高めるべく発足されたらいすき会(ライティング好き&ライティングスキルUPの会)に向けて執筆しています。
※らいすき会とは、メンバーが同じ文章を読み、その文章について分析し合う会のことです。分析した内容をnoteにまとめていきます。(これでライティング力が高まるといいな……)


お題の本

文芸オタクの私が教える バズる文章教室(三宅香帆 著)

「言葉の発信力を上げたい人へ」というキーワードが帯に書いてあるこちらの本。50名ほどの文章をそれぞれ分析しており、『なぜこの文章がバズったのか?』を解説してくれています。

自分でも分析する+筆写の分析を読んで、ライティング力アップを目指します!

本日のお題:星野源『そして生活はつづく』より

 どういうわけか洗面台がビシャビシャになるんです。
 こんな相談を、雑誌で一緒に連載対談をしている細野晴臣さんにしてみたところ、「気にしないのが一番だよ」とのお答えをいただいたので、気にしないでいたらどんどん洗面台がビシャビシャになる一方だ。
 昼頃、起きてまず顔を洗うのだけど、驚くのは水を出す前の時点で洗面台はもう既にビシャビシャなのである。おそらく前日の夜に歯を磨いたときにまき散らしてしまった水滴が残っているんだろう、と横にあったタオルでそれを綺麗に拭く。そして満を持して顔を洗うのだが、サッパリした気持ちで顔を上げるともう目の前の鏡から洗面台のまわりから足元の床までビシャビシャなのである。
 さすがにこれはどうかと思いもう一度、なるべく飛び散らないようにそっと、水量も少なめに、内股で、なんとなく体を小さくして顔を洗ってみるが、やっぱりというかなんというか、今度はなぜか自分の後ろにまで水滴が飛んでいる始末で、ここまでいくと水に意識があって私に嫌がらせをしているとしか思えない。

出典:文芸オタクの私が教える バズる文章教室
〜星野源『そして生活はつづく』より

私の考察

1段落目と2段落目:主張
3段落目:詳細
4段落目:結論

顔を洗うのって毎日のことだし、主張している問いもあるあるすぎて、誰もが共感できる内容だと思う。世の中のみんな、この疑問を抱えながら生きているのでは?ってくらい思う。(もちろん私も毎日ビシャビシャにしてる)

だからこそ、この問いに対して興味を持つし、「星野源さんのこの問いに対する答えはなんだろう?」って気になるのだと思う。
私からするとこの問いの答えって「自分が大雑把に顔を洗っているから」っていう結論に達しちゃうんだけど。自分の答えを持っていたとしても、「星野源さんの考え」が知りたくて読み進めちゃう人もいると思う。
星野源の解答っていうのが一つポイントな気もする。

個人的には細野さんの「気にしないのが一番だよ」っていう答えになってない答えも好き。そして、その通り気にしないで顔を洗い続けて、結局ビシャビシャになることに不満になってる星野源さんも好き。笑

最後の、ここまでいくと水に意識があって私に嫌がらせをしているとしか思えない。っていう自責じゃなくて他責で結論づける、答えになっていない答えを出す星野源さんの考え方や表現も面白いと思うし、ちょっとふざけた結論にしてるのもお茶目だなって思う。

著者の分析

星野源さんって、にわかファンからしたらしっかりしてるイメージ。そんな人がどういうわけか、なんていう曖昧な文章からスタートすると、「こんな一面もあるんだ、思ったよりしっかり者じゃないのかも」っていう親近感が沸いて心の距離が縮まる。

また、問いを勝手に共有しておきながら答えを提示せずに終わる。でも問いに興味を惹かれるから最後まで読み進めてしまう。

なんてことない日常の問いについて、答えを出しても出さなくてもいい。その問いについて試行錯誤したり考えた過程を読者と一緒に共有することが重要。

でもこの手法…見せ方を間違えると、未熟で可愛いと思われたい感じが出ちゃって反感を買う可能性もあるから注意!

まとめ

世の中の常識だと思われていることに対する疑問とか、日常の些細な気づきがネタになるんだなぁと思った。けど今回の洗面所ビシャビシャにしちゃう問題は、星野源さんのイメージがあるからこそあざとくならずにギャップ萌えできてる内容なのかも。(私が書いたら自責しちゃうし、他責したら反感を買いそう笑)

でも、世の中のみんなが「なんで?」って思うことを題材にすればこの手法も取り入れられそう!

日常の小さな違和感にも目を向けて生活してみよう。

おわり

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