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「スピリチュアル」の考え方

久しぶりに、尼さんらしい話をひとつ。
といっても、仏教要素はあまりないかもしれませんが。

私の夫は、割と「素直」なほうです。
人の言うことを、簡単に信じてしまうところがあります。

さらにいえば、自分より立場が「上」と思っている人の言葉や文章を、鵜呑みにしてしまう傾向があります。

夫は、前妻と別れる時、別れた後、けっこう苦労をしたという話を聞いたことがあります。

前妻の不倫による離婚(あ、前妻は事実婚だった)…
実家に戻っても、妹とは不仲。
仕事も、そのころは人間関係などでうまくいってなかったそうです。

人間、しんどい時は「誰かのせい」にしたくなるものです。
それは、仕方がない。

そして、辛い時は「救い」を求めます。
それも、どうしようもない。

当時夫は、苦労を「悪霊」のせいにし、「スピリチュアル」に救いを求めてしまったのです。

かの有名な下ヨシ子さんの本を買い、死後の世界に興味を馳せ…
「霊」の存在を、信じてしまうようになりました。

仏教の世界では、建前上「霊魂」の存在は認めていません。
お釈迦様は弟子たちに、除霊をはじめとする、超能力の使用を禁じていました。

ですが、夫はそんなことを知りません。
砂が水を吸い込むように、スピリチュアルの世界にのめりこんでいったのです。

「俺も除霊してもらった方がええんちゃうか」

と、夫は思ったそうです。
そして、下ヨシ子さんのセミナーに申し込もうとした、その直前…

私と付き合うようになったのです。

私は時間をかけて、「あれは違うんやで」ということを説得しました。
あれは半分詐欺だ、被害者も出ている、訴訟も起こされている、ということを話しました。

夫は少しずつですが、理解してくれたと思います。

それにしても…
怖いですね。
人間の弱みにつけこんでの、霊感商法。

私が「霊の存在」を全く信じないかというと、そうではありません。
科学では説明できない、不思議な現象があることもわかっています。

祖母の家には、本物の心霊写真がありました。
お寺で撮った集合写真、その真ん中のお坊さんの顔が…
亡くなった先代の住職の顔だったのです。

ですが、自分に起こる悪いことを、すべて「霊のせい」にするというのはどうかと思います。
霊が可哀そうじゃないですか。

そんな夫も、西国33か所観音霊場、西国薬師49か所、近畿不動36か所と、霊場巡りをするにつれ、変わってきました。

「昔からある宗教って、すごいんやなぁ」

と言うようになりました。

そうです。
歴史があるんです。

もとい。
良いものだから、長く続いているのです。

夫はようやく、「本物の良さ」をわかってくれるようになったのです。


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