漫才 「人の不幸」

A:こんにちは!!白いメダル(任意のコンビ名)です、よろしくお願いします


B:お願いしま~す。
一生のお願いがあるんやけどさ


A:一生のお願いを出し惜しみしないタイプだ、コイツは信用できますよ皆さん。だってね、一回頼んでみて渋られてから「一生のお願い!!」(手をパンと合わせる)って言ったらよくない?そうですよねえ


B:人生で一番悲しかった出来事教えてほしい、俺はそれを聞いてお前を憐れみ下に見て笑い帰ってからお前の悲しかった出来事を肴にして酒を飲むよ


A:前言撤回していい〜!?コイツのこと一生信頼しないでくださいね、すみませんね、人を見る目がなくて。なんなんコイツ最悪やん


B:美味い酒が飲みたいんだよ、人の不幸で。


A:最悪がとどまることを知らないな


B:いや、俺は今お前の目を潰すこともできる。それはかなりお前にとって不幸だ。つまり酒は自ずと美味くなるだろう。でもそれをせずに過去の不幸話で我慢しようとしているんだから、俺は最悪ではない。最も悪くはないから、そうだなあ、まあチョイ悪くらいか。


A:こわ~~~~!?!?どうしよ、この人の隣立ってるのすごい怖くなってきた。もうずっと喋ってるし......あと、チョイ悪ってそういうことじゃないんだよ。最悪、チョイ悪、普通、最高、みたいな階層にはなってないんだよ


B:早く。お前の悲しみを聞かせてくれ。


A:聞く耳失くした!?!?相方のっぽい聞く耳落ちてるの見つけたら教えて下さ~い。ツイッター・インスタどっちもDM開放してます~!
しょうがないな……今までで一番悲しかった出来事な?高二のときに家族で回転ずしに行ったんだよ。そこでこぼれイクラを頼んだら三粒しかこぼれてなかったんだ、考えられるか!?三粒なんて乗せようと思えば乗るじゃないか......「こぼれている」という体を保つためだけに乗せられなかった三粒のイクラ、あれが俺の心の柔らかいところにずっと刺さっているよ。


B:いや、幸せに暮らしすぎ悲しみから縁遠い暮らしすぎ、お前の幸福な人生聞いて体調悪なった。やめさせてもらうわ。


(退場)

カッコいい剣とか買いたいです