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【詩】

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【詩】をまとめたものです。
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2022年9月の記事一覧

【詩】帰宅は雨の中

雨の中の車内には ラジオの声 エンジン音 車体を打つ雨音 ワイパーのリズム 視界不良で曇る心 …

【詩】紙の静かさを受け取って

あの喧騒なデジタル世界から離れて 手にする本は できれば しずかな本がいい その世界をゆっ…

【詩】世界の端で浸る

永遠に続くと思われる 静かな雨の音はやわらかく ずっときいていたら 部屋は水の中だった めだ…

【詩】休日午後の遠雷

雨雲が大きく広がって 薄暗くなるころに 雷の音が遠くのほうで鳴り始め 灰色の空の中を 音をた…

【詩】コロニーとなって待つあいだ

刈り取られた僕たちは良く晴れた日に生まれた場所に横たわりよく干されみんなといっしょにクル…

【詩】フルムーン9月

森のうわさに引き寄せられ 畑に向かった タヌキやキツネやシカは帰ってこない あのクマだって…

【詩】過去や未来やチョコレート

あの部屋にはいろいろなドロドロが詰まっている。 過去や未来やチョコレートをとかしてしまう。 意識や決意や氷菓をとかしてしまう。 ネットや物語やマネーをとかしてしまう。 それらが混ざり合って壁や床に張り付いて部屋を満たしている。 これらをドア全開にマド全開にして流れ出すと現実の風と自然の香りと夜の時間が入ってきていつもの部屋へ戻していく。 壁にあるアートたちはいつもの色でスピーカーの音楽はリズムを整えライトの電球色はやさしく照らし扇風機だけが忙しそうで。 この部屋の言葉をひとま

【詩】アスファルトに落ちていた三日月

夜中の道で出会った 鹿の親子は じっとこっちを見てる 鹿の親子は 逃げるわけでもなく じっと…