彼女たちのコズミック・イラ Intermission.02

閑話、そして考察です(しているとはいっていない)。

主に原作、本作におけるキャラクターの寸評となります。描写補完といえば聞こえはいいですが、実際は好き勝手に書いているだけだったりします。

ついでに第二部に登場する主要人物の記述もしてあります。年表どころか原作すらもない領域なので、本当の意味でFREEDOMな展開となっています。コズミック・イラという範囲内でですけどね。


この度は『彼女たちのコズミック・イラ』を読んでいただきありがとうございます。筆者のレイヴンです。SEEDシリーズの二次創作は『大天使の戦女神』以来、2作品目となっております。これをシリーズの二次創作と呼べるかどうかは疑問ですが。

本作前半となる第一部は若い頃のアウラ・マハ・ハイバルと後のプラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルの出会いから別れまでを書いた内容でした。

本作の要点となった箇所は主に2つ。1つ目はアコードとして生まれたラクス・クラインがなぜアウラの手元を離れたのか。そして2つ目が、なぜアウラとデュランダル議長が袂を別つことになったのか。この2点以外は割とノリと勢いで書いてしまった側面があります。

実際にはラクスの母親、作中では一貫して『クライン博士』として表記された女性が大きく関与しているはずなので、本名不明なキャラが重要人物となりましたが、あくまでも主軸であったのはアウラとギルの2人だったという感じです。

じゃあどうしてそんな2人でSSなんて書こうと思ったかと言われれば、アウラの年齢がC.E.51時点で28歳、ギルバートが12歳。この年齢差を見た瞬間にニュータイプのアレみたいなのが頭の中を駆け巡ったんです。そして気付けば第一部を書き終えていました。ガンダムはオカルトですからね。

・登場人物紹介

◇アウラ・マハ・ハイバル

本作第一部の主人公にしてヒロイン。地球へと向かう時点での年齢は38歳。年齢的にはストライクですが既に幼女の姿になっていました。

実はプロットを書いた時点では終盤まで成人体型のままで話を進めるつもりだったのですが、2度目のスクリーン観賞をした際に幼女モードでデュランダル議長と写った写真を確認したので、プロットを変更したという経緯があります。一応原作準拠を心掛けているんです。

そして本作最大の独自設定が、ラクスの母に対して恋愛感情を持っていたという点。いわゆる同性愛者という人物にしました。こちらは本作の基礎設定でもありましたので、物語の序盤からそれらしき描写は散りばめていました。

ラクスの母のことは愛していたものの、女同士で子供が作れるわけがないので、自らの遺伝子を継いだオルフェと、クライン博士が産んだラクスを番にするという……クレイジーサイコレズが本作におけるアウラの正体です。

でも実際オルフェのラクスに対する執着がどこから来ているかと考えれば、推定母親であろうアウラと考えるのが妥当だったりするのです。それでもアウラ一人でオルフェを生むことは出来ないので、どうしても必要な男が本作におけるもう一人の主人公となりました。

◇ギルバート・デュランダル

本作第一部におけるもう一人の主人公。作中ではギルと呼ばれ続けた少年。遺伝子上はオルフェの父親。劇場本編では一切明かされなかったオルフェの父親を推察した要素です。実際には母親も不明なんですけどね。

アウラとは疑似親子、あるいは師弟のような関係を築きながらも、最終的には交際トラブルに端を発した口論の末に離別。傍から見ると中々にしょもうない別れ方だった気がしますが、議長がデスティニープランを推進する原動力が実際に男女関係でしたからね。

ちなみにアウラとは肉体関係はない設定です。一応“慰める”という発言がありましたが、あくまでも傍にいるという程度のニュアンスで受け取っていただければと思います。別にあってもいいとは思うんですけどね(おねショタ寛容論)。

◇クライン博士

元凶その1。彼女が娘のラクスをプラントに残したこと、アウラのもとから連れ出したことが、全てが狂い始めたといっても過言ではありません。おそらくデスティニープランに悪い意味で影響を与えた一番の人物かと。しかし本人が悪女かといえばそんなことはなく、むしろ常識人という趣がある人物だったりも。

アウラよりも美人で異性にも人気があり、シーゲルと結婚する前の男性遍歴も割と派手。それでいてアウラの自身への恋心にも気付いており、長年共に過ごしてきたという関係。やっぱりビッチな気がしてきた。

実は本人には確固たる理念や思想があるわけでもなく、良く言えば柔軟、悪く言うと染まりやすいという、ある意味でガンダムシリーズの女性キャラを描いていたのかもしれません。本人は夫であるシーゲル、クライン派に賛同しただけでしたが、アウラからしてみれば裏切り行為でしたからね。

最終的に本作ではアウラによって死ぬこととなりましたが、見方を変えるとアウラが属したザラ派、そして夫であったシーゲルが率いるクライン派の対立によって犠牲になったという側面がある人間だったのだと思います。

◇オルフェ・ラム・タオ

最近実装されたウマ娘の略称と名前が被っている人。実は劇中だと『タオ閣下』とファミリーネームで呼ばれることが多かったりする。

とにかくラクスが大好き。とはいっても赤子の頃に共にいただけで、同じ母乳を飲んで育った時期が少しだけあるという程度だというもの。母親の乳は吸いましたが、娘の乳にはちょっと触っただけでした(暴言)。

上述のアウラの項目で書いた通り、ラクスに対する執着はアウラの遺伝子を受け継いだことによるものだと、本作では結論付けています。さらに父親であるギルも、クライン博士には恋愛感情を抱いていたので、純粋培養されたクライン親子への激重感情が実装されてしまったのです。

実際ラクスが関係ないところでは有能な宰相、政治家として腕を振るっていたようですから、アコードという括りじゃなくても優秀な人間だったのだと思います。まぁラクスが関係しないと生まれてくる理由がなかったのですが(無慈悲)。

◇イングリット・トラドール

アルテミスに監禁されていたラクスを無傷で逃がす、決戦時にカルラの操縦を放棄してオルフェに抱き着く。ストーリー上は悲劇のヒロインですが、戦略的には戦犯度がかなり高い子。

実は年齢がオルフェ、ラクスと同じ20歳なので、アコードの中では最年長の部類になります。おそらくはほぼ同時期に誕生し、ラクスが不在となったことでそのスペアとして後天的に調整を受けた可能性があるのかもしれません。

本作ではラクスと同様、幼少期をメンデルの外で育った経緯があり、他の子供たちに馴染めないところをオルフェに救われた……という、エピソードを書いたというもの。彼女にとってのオルフェは、本当に王子様のような存在だったのだと思います。

実際何かしらの不具合、不規則な事態が起きないと、イングリットが劇中みたいな感情を持つことはないと思うんですよね。大体妹とも全く似ていないし……というか妹との絡みって全然なかったよね。

◇ラクス・クライン

元凶その2。クライン博士の娘。言わずもがな、C.E.70年代における象徴ともいえる女。当人が全く知らないところでデスティニープランを明後日の方向へと導いた存在です。

第二部における主要キャラの一人にもなります。そんなに出番はないですけど。きっちり世界を引っ張っていただくとします。

◇タリア・グラディス

元凶……とは言い難い人。確かに種死本編での行為と行動は人として欠けた点がありましたが、少なくともそれ以前のギルとの関係は健全なものでしたからね。

とはいえ若かりし頃のギル、後のデュランダル議長の人生を狂わせた女であることには変わりなく、本作においてもアウラとギルの関係に致命的な亀裂を生んだ存在となりました。

デスティニープランの外にいながら、最もデスティニープランに影響を与えてしまうという、本当になんとも言い難い女性なんです。まぁ夕方5時台に不倫描写と尻を出した時点でロクな存在ではないんですけどね(暴言2回目)。

◇ラウ・ル・クルーゼ

被害者。ガチで可哀そうな人。年齢的にギルは直接誕生には関わっていないはずですが、その分成人した彼からは同情を受けることが出来たのかと。

本作では登場こそラスト付近となりましたが、前半からアウラが言及する程度に存在は示唆されていました。

実際にユーレン・ヒビキの資金調達のためだけに作られた存在ですので、スーパーコーディネイターを嫌悪していたアウラからはギル同様に同情をされていたと思います。むしろ、クローンに手を出したことで、アウラやメンデル内部からは白い眼を向けられたのがヒビキ博士な気がします。

ちなみにSEEDの世界観だとクローン技術は違法とされていますが、他のガンダム作品だと割と当たり前のように出てきているんですよね。コズミック・イラって割と倫理観まともなんですよ(暴論)。

・考察(予定地)

もう登場人物紹介に付随する形で考察っぽいことをしましたので、特に書くことがありません。むしろここからは第二部に関する話を書いておくしかない気がします。

本作後半となる第二部ではSEED FREEDOMの後日譚、本編終了後の話が展開されます。仕様上、第一部に出てきたラクス以外の人物は全員死亡しています。富野由悠季作品みたいなことをやっちまったな。

後半の主人公は第一部から唯一残ったラクス……ではなく、コンパス所属のパイロットであるヒルダ・ハーケンとなります。まぁ主人公とはいっても後日譚なので群像劇みたいな話になっちゃったんですけどね。

一応戦闘シーンや世界情勢の変化、そしてちょっとセンシティブな描写もあったりします。逆に第一部みたいな鬱展開や地獄展開はありません。この先のSEEDは両澤千晶女史の手を本当に意味で離れた作品なのだと思います。

それでは、後半となる第二部にもお付き合いしていただければと思います。

◇キラ・ヤマト

本作第二部の登場人物にして、無印SEED、そしてSEEDFREEDOMおける主人公。種死の主人公はシンです。

一応本編終了後の話ですが出番はあります。とはいえラクスとロマンティクス(意味深)をしたり、傲慢機体ではないモビルスーツに搭乗したりと活躍は控え目です。彼の話は劇場版でほぼ書き終えていますからね。

◇シン・アスカ

SEEDDESTINYの主人公です(大声)。ぶっちゃけ劇場版でキャラが変わり過ぎた前作主人公。いくらキラがいるからってあそこまで変わるか?などと少しは思ったりも。

そんなわけですので、本作ではキラが不在となったミレニアムで、シンがどういった振る舞いをするのかを書くことにしました。

◇ルナマリア・ホーク

シンの保護者。ミネルバ乗艦時はレイがいたので、そこまでシンに手を焼いていませんでしたが、そのレイがどこかへ行ってしまったので、一人でシンの手綱を引くことに。まぁキラがいるので割と楽そうなのが劇場版ですけど。

本作における扱いはあまりよくありません。というのも、とある設定がブラックボックス化しているので、安易に書くことが出来ないキャラだったりもします。

◇アグネス・ギーベンラート

どうして生き残ってしまったのか。中の人的にも逆張りのような感じで生き残り、作中でも作品外でも扱いに困りそうなSEEDFREEDOMからの新キャラ。実際に本作を書く上でも扱いには困りました。

それでも出番は割とあります。誰かとくっ付けたりはしません。準主役級程度の扱いに留めております。

◇ヒルダ・ハーケン

第二部の主人公でありヒロイン。種死、そして種自由でも姉御肌なお姉さんキャラなのですが、まだ20代前半という事実。年齢的にはキラやラクスとかなり近いんですよね。もう5歳は加算されていてもいい気がする。

キラ不在のミレニアムにおいて、10代のパイロットたちをまとめ上げる姐さん主人公となります。この手のキャラって色々とフラグを立てているのは、気のせいだと思いたいんですよね。

それでは、改めまして本作の後半にもお付き合いしていただければと思います。

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