Ironman Tallinn Estonia参戦記(2024年8月)


TADASHI! You Are An Ironman !!!

2024年8月に、Estoniaの首都Tallinnで開催されたIronmanに出場、完走したので、残しておきます。

Estoniaってどこ?

Estoniaと言っても、半分位の人は「エストニア?どこ?」という状態だと思います。自分もそうでした。とりあえず地図を載せておきます。

エストニアの場所

首都のTallinnが北緯59度位、稚内が北緯45度位なので、かなり北です。

Tallinn市内

魔女の宅急便のどこかのシーンにも使われているらしいです。

なぜTallinn

毎回書いているのですが、以下のような条件で選びました。

  • 1週間くらいの休みが取れる時期であること。8月ならOK。

  • バイクが楽なこと。フラットかローリングまで。

  • 日本から行きやすいこと。

同じ条件で、1回目はCopenhagen、2回目はKalmarに出たので、今回はTallinnとしました。ちなみに、Ironman Racesで見ると以下のようになっています。日付はすでに2025年のレースになっていますが。

Ironman Races での表示

事前準備

Tallinnの場合、レース会場(スタート、ゴール)が市街地から5Km位離れています。ホテルは市街地がメインなので、どこでも良い。適当に Booking.com で選びました。あえて言えば、Viruというバス停がシャトルバスの止まる場所なので、その近くだと少し楽かも。飛行機は、ANAを使いたいので、羽田発フランクフルト経由ルフトハンザでTallinnまでとしました。

懸念事項

気になるのが、水温18℃というところ。去年のKalmarが、平均20℃と書いてあったのに、実際の水温が17℃で寒かったので、平均18℃と書いてあってももっと寒いこともあるはず。実際、「超寒くて凍えた」みたいなレポートも読みました。念の為に、冬のサーフィン用のインナーとヘッドキャップを準備しておきました。こういう冬の道具は夏になるとなかなか買えないので、冬のうちに買っておいて、試泳もしておきました。
それから、Netで調べると Tallinn は windy と良く書いてあります。これは、脚力をあげることでしか対応できないので、練習の積み重ねでなんとかするしかありません。
また、昨年のアスリートガイドには、チェクイン時とスタート時のシャトルバスについては記載があるものの、帰りについては記載がありません。緯度が高いので、午後8時位まではまだ明るいので自走で帰るというのも出来そうですが、自分は15時間以上かかるので、もう真っ暗。自走しかないなら、しかたないので、ヘッドライトつけて帰るしかないか、と思ってました。(実際には、レース直前に、帰りのシャトルバスもあると連絡があったので、最終のシャトルバスで帰りました。)

日本からレース直前まで

レースが8月24日(土)(ちなみに翌日は70.3があって、こちらはプロも参加します。)。チェックインが23日、レジストレーションが22日からなので、21日に現地着となるように日本を20日に出発。帰りは、レースの後2日開けて27日現地発、28日日本着としました。
20日に羽田まで車で行って、車は駐車場においていきます。お盆や土日に重なると駐車場に入れるのが大変なのですが、20日で火曜日だと、一応満車表示にはなっているものの、10分位待てば入れました。出発は第2ターミナルだったので、国際線カウンターもガラガラであっさり入れました。バイクも特に問題なし。この後、フランクフルト経由でタリン空港まで。
荷物が出てくるのを待っていたら、予約しておいたタクシーの運転手から電話。外で待っているとの事。バイクケースが、空港だとスーツケースとは別の窓口から出てくることが多いのですが、今回はスーツケースとかが出てくる荷物レーンから出てきました。タクシーに積んでホテルまで。
ホテルは、エレベータが大きくてバイクケースも余裕で入ったので、部屋まで持ち込む。ホテルのレストランでランチを食べてからバイクを組み立てて、とりあえずその辺回って動くのを確認。あとはレジストレーションして、バイクチェックインすれば良いところまで来たので、とりあえず一安心。

泊まったホテルです。

コース変更

コースは、スイム会場が Lake Harku という湖なのですが、当初から水質が悪いのが話題になっていて「現地は遊泳禁止になっているぞ。」「本当にここで泳ぐのか?」等の書き込みがありました。ところが、レースの3日前に「コース変更します。具体的には、スイム会場を、当初予定のLake Hark(湖)から、Stroomi Beach(海)に変更します。」と連絡が来ました。オリンピックの影響もあったかもしれません。それに伴い、T1も移動して、バイクコースも少し変更になりました。

自分としては、どうせどっちも初めてだからどっちでも良いんだけど、水温だけが気になります。この日に測って、ほぼ20℃だったらしいので、これが本当ならまあ問題ありません。
大会のFBには、「海で泳いだことないけどどうしよう」みたいな悲鳴もあがっていました。アイアンマンに出るような選手でもそんななんだと少し驚き。ヨーロッパだと湖が普通なのかもしれません。

8/22 試泳、レジストレーション

この日は、まず新しいスイム会場に試泳に行きました。レースは6時45分スタート。本当ならその時間に行きたいところだけど、ホテルからは5Km位あってそんなに早く行けないので、朝食後バスで移動。ちなみに選手にはQRコードが発行されて、バス乗り放題です。
新しい会場は、海水浴場。すごい遠浅。すでに何人か来ていたけど、かなり沖まで(150m位?)歩いています。自分も歩いて海に入ります。時々岩があるけど、足の裏を切るほどではありません。かなり沖まで行って、その辺りを泳いでみます。水は冷たくないし、この日はベタ凪で、波も流れもほとんどない。これなら全然大丈夫と、この時は思っていました。

沖に本当のスタート地点が見える

一旦ホテルに戻って、ウェットとか水着を干してから受付会場(Rocca Al More Mall という大きいショッピングモール)に行きます。JTUの会員証、パスポートを見せると、自分の名前の書かれた袋が出てきましたが、「ちょっと隣で手続きしてきて。」と言われます。
隣に行くと、「昨日のメールを見たか?」と聞かれます。
「え?メールなんて来てないよ。」
「メールを調べてみて。」と言うのでチェックするものの、出てこない。
しばらくやり取りした後、「Ironmanの自分のページを見て。」(Active.comの事)本来であれば、エントリーした大会が表示されるはずが何故か出てこない。過去の大会は表示される。ここもしばらくやり取りしたあと、「もう一人隣の人と話して」となった。
どうも、レース直前に誓約書へのリンクが送られてきて、それを読んでサイン(画面の上でチェック)しないといけないとの事だった。
結局、誓約書の画面を係の人が開いてくれて、「これを読んで、一番下のチェックボックスにチェックを入れて、名前を書いて」と言われて、その通りにしたらOKになって、書類+バッグ等一式をもらえて、レジストレーション完了。

この後、モール内のスポーツショップのIronmanコーナーに行ってグッズを探しましたが、品揃えが少なくて、大会の名前入りTシャツだけ買って帰ります。

8/23 バイクチェックイン

市街地からシャトルバスでバイクを運んでくれるので、T1まで移動する。レジストレーションが終わっていないとこのバスには乗れない。
自分は大丈夫だったけど、バスに乗ってレジストレーションに行ってチェックインしようとしている選手が何人か断られていた。
T1まで移動。会場に入るのに少し待っている間に日本人の選手に話しかけられた。前にフィンランドの大会に出て、雨が降って寒くて大変だったとの事。お互いに健闘を祈って分かれる。
チェックイン自体は特に問題なし。
念の為にブイを見に行ったが、まだ設置されていなかった。

8/24 レース本番

強風!

シャトルバスでスイム会場へ移動。試泳の時は無風だったのに、この日は朝から強風。夜は吹いてなかったので、まだ海面は荒れてないけど、絶対すぐにうねりになるだろうと思われる状況。
スタートは自分で予想時間の場所に並ぶ。最後が1:40以上だったので、ここに並ぶ。

スイム

岸から150mほど先にポンツーンが設置されていて、そこまで歩いていって、そこから4人ずつローリングスタート。
案の定、すでに海上は白波もたっていて、かなりのうねりになっている。この位のサイズ自体はサーフィンで経験があるので怖くはないけど、泳ぐのは結構大変。
うねりでブイが全然見えない。一応遠くの景色も確認するものの、大きなビル等がなく、ほとんど同じような景色で、あまり意味ない。
参加人数が少ないので、周りにあまり選手がいなくて、自力でちゃんとブイを見つけて泳がないといけない。
しばらく泳いでタイミングが分かってきたので、うねりで体が押し上げられた時だけヘッドアップして方向を確認するようにする。
コース自体は単純で、1周1.9Kmの細長い四角いコースを2周。ただ、最後のブイを回って浜にあがる所が、またほとんど目標がみえないので、ブイを回ったら90度曲がるという感覚だけ信じて泳いでいたらやっとスイムフィニッシュのゲートが見えてきた。
遠浅なので、最後の100m位は歩いてスイム終了。1:43だから、予定通り。

スイムコース
 当日のスイムフィニッシュ地点の写真(FBより)

T1

全部着替えるので、バッグをピックアップして着替えコーナーへ。ここにいる人達は、要はあんまりタイムを気にしていない人達ばかりなので、自分が持ってきたお菓子を周りに配っている選手までいた。

バイク

60Kmを3周回。
最初の15Km位は、ずっと向かい風で登り。泣きたくなるほど進まない。こればっかりは脚力の問題なので仕方ないけど、予定ペースより遅れ始める。
最初のエイドが21Kmにあるはずなのが、ない。おかしいなあ、と思っていたら24Km位にあった。要は、T1の場所は変わったのに、エイドの場所はそのままなので、エイドまでの距離が変わっているだけだった。エイドまでの距離は多少変わっても良いんだけど、カットオフ時刻はどうなるんだろうと悩む。
コースの配置で、前半が向かい風で遅れて、後半が追い風で遅れが取り戻せるという感じなので、ギリギリで走る自分には気になるけど、今更どうしようもないので、まあカットオフ時刻は変わらないだろうという想定で走る。後半は、ちゃんと追い風+下りで、何もしなくても 40Km/h 位出てしまう。正直この速度でDHポジションで走るのは自分には怖いので、少し速度を落として走るしかない。
同じ調子で、あと2周。足切りに合わないように、かなり頑張って走る。SWIM+T1+BIKE で足切りが10時間30分。SWIM+T1で2時間かかったので、BIKEには8時間30分残る。結果は8時間は切れなかったけど、+数分位でバイク終了。

バイクコース

T2(あと3分?)

全体の制限時間が17時間で、ここまで10時間数分だから、ランに6時間半以上は残っている。だから、まあ大丈夫だろうという感じでのんびり着替えていたら、スタッフの人が着替えコーナーに入ってきて、「何やっているの!あと3分だよ!」と言われる。

「えっ?何それ?」

状況が飲み込めないけど、とにかく補給食とか取らないで焦ってランに進む。(後から調べても、ここの「あと3分」は良く分かっていない。)

ラン

バイクで足を使ってしまったので、相対的に一番得意のランのはずが、最初からキロ7分。6時間目標にして、エイド以外では止まらずに、キロ9分は超えないように走る。
歩いている選手がかなりいるんだけど、走っても何故か追いつかない。足の長さの問題か?普通に走れれば、1キロに900歩はかからないんだけど、1200歩以上かかっているので、ストライドがかなり落ちている。でもまあ足が超重いのでしょうがない。とにかくキロ9分を越さなければ大丈夫、と自分に言い聞かせながら走る。
残り5Km位でGarminが電池切れで消えてしまう。余裕で行けるはずだけど、リアルタイムで分からないとかなり不安になる。それでも、今までのペースで止まらなければ大丈夫と信じて走る。
この時間になると、だいたい同じ選手が同じ位の速さで並走しながら走って(歩いて?)いて、折り返しが多いので何度もすれ違い、お互いに声掛けしながら「残り少し。完走しよう。」みたいな感じになっていて、元気づけられる。
残り500m位で歩いている選手を抜く。「行って良いよ。Good Job!」みたいに声をかけられる。
MCが聞こえてくる。

「次の選手が見えてきました。」

「あ、これは自分の事だな。」と思いつつレッドカーペットへ。例によって、色々話しかけられながらゴール。

ランコース

なんとか3回目完走しました。記録は16:04:50。ほとんどビリだけど、Finisher Tshirt はもらえました。レース後の食事はほとんど残っていませんでした。この後、バイクとバッグを回収してシャトルバスで帰りました。

medal 刻印

次の日にメダルに刻印をしてもらったのですが、合計タイムだけ。CopenhagenもKalmarも、名前も種目別タイムも入れてくれたので、少し期待外れでした。

以上

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