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【オーディブル】嘘つきジェンガ/辻村 深月 著

大掃除しながら聴いた。
掃除機をかけると聴こえないので、iPhoneを片手に持って耳に当てたりしながら。
なにか耳に入れてないと、身体だけじゃなく頭も使って疲れてしまう。
そうじゃなくて、おもしろくて止められなかった。

後味のすこぶる悪い、イヤミスというジャンル(?)があるらしいが、こちらに収録されている三話は、タイトルに詐欺とあるのにも関わらず後味爽快だ。
どう考えても悪い展開しか予想できないのに、あっけなく裏切られる。

一話目はこんなともあるものかと、キツネにつままれたような気持ちがするが、二話目になると、自分がいかに直線的な思考をしていたかにはっとした。

物事には全て理由があって、原因にはふさわしい結果がある…
誤った行為には何らかの罰がある、よいことをしたら救われる…
人の行動には逐一確固たるワケがある?

二項対立的な思考から導き出される理由は、根拠のない単なる後付けに過ぎないんじゃないかと言う気になってくる。

どれも犯罪、れっきとした詐欺である。
やむにやまれぬ事情もなく情状酌量の余地はない。
だけど責められない。
情けで許されるのではない。
ふと心が共鳴したのだ。

ぜんぜん整合性がなくても理にかなっていなくても、大切なことは人それぞれで、それさえ守れればあとはどうでもいいのかもしれない。

課題山積で、ときに途方に暮れてしまうこともあるけれど、世の中そう捨てたものじゃないという気になった。


※かわいいジェンガの画像はダラズさんよりお借りしています。
ありがとうございます♪

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