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黒田杏子俳句鑑賞1 句集「八月」より


   沈黙は金ですか蓮ひらきつぐ             黒田杏子

                         (P20)


2023.8.14 藤原宮跡の蓮田にて

どうなんでしょう? 沈黙は金ですか。

沈黙は金でもあるように思うし、そうでもないようにも思えます。時と場合ですね。饒舌は性に合いませんが、言うときにはビシッと、も必要でしょう。
しかし、金か金でないか、そんなことは評価の問題だからどうでもよくて、沈黙、つまりただひたすらに「はなひらく蓮」を、そして「はなひらく蓮を次に繋いでいく」ことが大事だと。泥よりいずる蓮に生き方の指針が示唆されています。また「つぐ」に大きな慈愛がにじんでいます。このことが「金」なのだと思う。

(はじめに)
2023年10月、黒田先生の最終句集「八月」から一句選んで鑑賞しようとする試みを始めました。おそれおおいことですが、先生は許して下さるでしょう。たぶん。

最初に一句選のルールといいますか、考え方を整理しておきたいと思います。今後変更しまくるかもですが、まずは、心構えですね。

[心構え五則]
一 一句はその日、(不遜にも)先生から呼びかけられていると感じた作品を選ぶ(ランダムです。したがって、作品の季語と本投稿時の季節が一致しないことがある)。
二 鑑賞する、ということはできの悪い弟子(自分)にはできませんから、先生の句を鏡として自らを映すような文章になると思います。たぶん。
三 投稿頻度は週一ぐらい。文字数は400字以内。(とりあえずスタートします)
四 過去撮影を含む自分で撮った写真を一枚貼り付ける。このnoteが見つけてもらいやすいように、あるいは見栄えするように。(マッチングにおいて先生に叱られるかもですが)
五 真面目にやる、急がば回れ、志を高く(先生の教え三訓)
以上

2023.10.16