今日もいつのまにか一日が終る。

宵。朝、コーヒーを飲んで、そのままにしていたカップを水道水で軽くさっと洗う。蛇口から出る冷たい水に、じんじんと指先が痛みを感じる。濡れたままのカップに、ミルクを注いで、電子レンジで温める。ぼんやりとオレンジ色に染まる景色をじっと見つめながら、意識はほんの少し向こう側へ。チンっという音が、現実に引き戻し、意識と身体をくっつける。ゆっくりとスプーンでかき混ぜながら、ごくり、ごくりと。深いため息。コーヒーカップをぎゅっと両手でつつむ。残る余熱がまだ暖かい。

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