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過去の自分と重なる。

仕事帰り、買い物に立ち寄ったスーパーに入った途端、目に入ったもの。

それは親子連れ。お母さんと子供。

子供は2人。
1人はベビーカー。
もう1人は歩いてた。

歩いてる子供の上着のシャツの裾から肌着の端っこがニョンってはみ出てた。
オマタの所にはスナップボタンが付いてる肌着(ロンパース)。

歩いてる子供は、何か商品を持って 
呼び止めるお母さんの
言うことも聞かず
楽しそうにわが道でヨチヨチ。
お母さんも髪型が少し乱れてた。


その親子が目に映ったとき
過去の自分を見ている感覚になった。

お母さん、イライラしてる。
何故わかったか。
それはかつての自分もそうだったから。
さっさと用事を終わらせたいのに
思い通りにならない小さい子供。

その親子からは和やかな雰囲気は伝わって来なかった。

私はそれ以上は何も思わず
その親子の横を通り過ぎた。


自分の買いたい物を買い物カゴに入れ、レジに向かった。
レジに向かう途中、先程の親子とすれ違った。

さっきヨチヨチしていた子供はお母さんの左手で小脇に抱えられてた。
お母さんの右手はベビーカー。
片手運転。

かつて私もそうしていたから分かる。
1番手首に負担のかかるベビーカーの操縦法。
でもどうしようもない、上の子を抱えてるしね。


狭い店内の曲がり角でそのお母さん、急いでいたのか急カーブをきった。

その時、ベビーカーの下のどこかが棚に並べられていたマヨネーズに当たり
マヨネーズが床に転がった。


というお母さんの顔。
知らんぷりしてその場を通りすぎようとした。(そんな風にに見えた)
でもすぐ止まった。

そして落ちたマヨネーズを拾おうとした瞬間

咄嗟に私の手が伸びた。

私の手が、そのお母さんより先にマヨネーズを持ち、棚に戻した。

「ああ!」
お母さんが言った。


驚きと申し訳ない気持ちが混じった声。

私はそのお母さんに言った。

大変ですよね。


その後のお母さんの言葉は聞いていない。

でも、本当にそのお母さんは大変そうで
泣きそうだった。
疲れて、でもやらないわけにいかなくて
でも疲れてて。

そんな気持ちが伝わってきた。

きっとかつての私もそうだった。

末っ子をオンブし、
その上の子をベビーカーに乗せ、
その又上の子と一緒に歩いた日々。

ベビーカーには買い物袋が沢山引っ掛かっていて。
気が緩むと、その買い物袋の重さでベビーカーがよくひっくり返っていた。
本当に何回も。

鬼のような形相で買い物をしていただろうな。


大変だったな。
本当に大変だった。


その気持ちからにじみ出た言葉、

大変ですよね。


この言葉が、どうかそのお母さんにしみてくれますように。

毎日が大変で大変で
毎日を繰り返すことに、嫌気がさして
何もかも投げ出したくなっているかもしれないそのお母さんに
この言葉が少しはしみてくれて

明日も頑張ろって気持ちになってくれますように。

私以外にも、もっと他の沢山の人のヘルプをもらって

人生捨てたもんじゃないな

って思ってもらえますように。


大変ですよね、って言えて嬉しかった。

なんか過去の自分と再会したみたい。
だから私は私で過去の自分に言ってあげよう。
ホント大変だったよね。
ホントよく頑張ったよ。

これからは、
助けて、手伝って
って言えるようになろうね。
そしたら助けてもらえるし手伝ってもらえるからね。

自分で抱え込んじゃダメだよ。

そしてこれを読んでくださる方
そんななりふり構わないお母さんを見たら
少しだけでもいいから手を差し伸べてあげて。

この世の中は素敵だって

そんな気持ちにさせてあげて。



よろしくお願いします。



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