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桜満開の季節に生まれ
桜満開の3月26日に
父は母のところに旅立った。

母が亡くなった時、
父がたった一つ母にかけた言葉


『すぐにわしも行くから

         そっちで待っとけ』


そんな約束をして、
それを果たせたのがちょうど10年後。

きっと母も痺れを切らせていただろうに。

父はそれをずっと
待ち望んでいたのだから
今頃きっと喜び勇んで
母のところに一目散で向かっている事だろうな。


今日その旅立ちを見送って
ホッとしたような、
でもやっぱり寂しいような…


いや…、


全く以って寂しいじゃないか!


この10年は父にとって
とてつもなく長い時間だったろう。

連れ合いに先立たれるなんて
夢にも思って無かっただろうし…。

更には
最後の5年間は施設で過ごし、
そして最後の最後の一年はコロナ。

直接逢うことも許されず、
逢えたのはパソコン画面の中。

ずっと孤独との闘いだったと思う。

画面を通して念仏のように


『コロナが明けたら、

        コロナが明けたら…』


沢山した約束は
結局果たされず仕舞いに逝ってしまった。


コロナは人の命を奪う
恐ろしいウィルスであると共に
コロナの一番の悪は
感染するしないに関わらず
人の大切な


『時間』


を奪ってしまう事なのではないだろうか?


『触れ合う時間』

『笑い合う時間』

『話をする時間』

『振り返る時間』

『旅する時間』

『挑戦する時間』

『考える時間』

『好きな事に夢中になれる時間』

『感動する時間』

そして

『共に過ごす時間』


…、


そんな大切な時間を
全て奪い去ってしまう。


奪われた父との時間はもう
戻ってはこないけれど、

これを教訓に
これからの人生、これまで以上
時間を大切に過ごして行こう。

そして、
その大切な時間を使い尽くしたら



『親父、お袋!そっちに行くから

          それまで待っとけ!』



『…。』




すぐにじゃ無いけど(笑)

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