5歳の娘から聞いた「怒らない方法」
赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。
わが家には、小6長男、小3次男、5歳長女の3人の子どもがいます。
休日は、子ども3人+夫(仕事がお休みであれば)と過ごすのがあたり前でしたが、近ごろは、上の二人の子どもたちは、友だちと遊びに行ったり、習いごとに行ったりと、家に居ない時間も多くなり、3番目の5歳長女と過ごすことが多くなってきています。
あと数年すれば、3番目の5歳長女も、休日は自由に出かけてしまうだろうから、一緒の過ごせる今を大切にしよう!という思いが、変な力みとなり、イライラを引き起こすので、子育ては難しかったりします。
とあるワンオペの休日のできごと
とあるワンオペの休日。
昼食を食べ終わると、上の子どもたち二人は、遊びに出かけてしまったので、夕飯までの4~5時間を、5歳長女と1対1で過ごすことになりました。
5歳長女にどう過ごしたいか聞くと、「プールに行きたい」と言うので、自転車で15分ほどの公営プールで、1時間ほど遊び、自宅に戻って、おやつを食べてひと休みです。
こんな時間に、家にお兄ちゃんたちがいれば、5歳長女と遊んでもらえるので、自分一人でさっさと家事をこなせます。
・夕食のカレー作り
・洗濯ものを取り込んでたたむ
・お風呂を洗って沸かす
・部屋を片付けて、掃除をする
といった家事をやってしまいたいのですが、子ども一人に対して、親が一人だと、私が何かしていると「私も、やりたい」と声をかけてきます。
なので、自分一人でさっさと家事をこなしてしまいたい気持ちもありながら、一旦、手を休め、彼女の「やりたい」を叶えられるほどのよい塩梅を探しながら、彼女に付き合うことになります。
でも、そんなことが、なんてことない家事を3倍も5倍も大変にし、ちょっとしたイラッが、スタンプのようにたまっていくのです。
夕食のカレーを作り出したときに「私も、やりたい」と言えば、「あぁ。面倒だなぁ」という気持ちもありながら、「料理は生きていく上で大切なこと」なので、休日くらいは一緒にやってもいいかと思い直し、「んじゃ、何やる?」と聞いて、一緒にやります。
料理と言えば、包丁。「何を切ろうか?」と言う話になり、「玉ねぎ。玉ねぎ切ると涙が出ちゃうから、ゴーグルつける」と言い出し、ゴーグルをとってきて、装着してあげてから、玉ねぎ切りが始まります。
玉ねぎは、丸くてコロコロしちゃうので、半分に切ってあげて、平たい面をまな板に置いて、「猫ちゃんの手ね」と言って、玉ねぎを切るのを見守ります。
私がイメージする幅よりも、はるかに大きく切られる玉ねぎを見ながら、「もうちょっと薄く」という気持ちを抑えて、「お、切れたね」と伝えます。
切り終った玉ねぎを見ながら、考えます。
・この大きく切られた玉ねぎを料理に使うか。火を通すのに、時間はかかるけど、食べられないわけはないし、子どもと一緒に作った料理だし、このまま突き進む?
・「これ、もう半分に切ったら、さらにおいしくなりそう」と言って、さらに彼女に切ってもらうか?でも、切ったものをさらに半分に切るのって難しいかな?上手くできず、彼女が不機嫌になったら面倒だな。
・じゃがいもやニンジンなどの野菜も続けて、切ってもらうか。でも、固い野菜だから、上手く切れるかな?
・野菜を切ってもらうのは、時間がかかりすぎるから、玉ねぎを飴色に炒めてもらっている間に、私が残りの野菜と肉をさっと切っちゃうか?それを見たら、「それ、やりたい」と言い出すかな?
・「ありがとう。助かったよ」と娘をご機嫌のまま、他のことに興味を向けて、いったん台所から去ってもらうか?
さまざまな選択肢を考えて、彼女のやる気やご機嫌次第で、どこまで何をやるかの兼ね合いを考えるので、子どもと料理を楽しくやり切るのは、結構、疲れます。
一人でカレーを作る2~3倍の時間をかけ、なんとか、一緒に料理をするという難関を切り抜け、あとは、洗濯ものをたたんで、お風呂を洗って、できれば、お兄ちゃんたちが帰宅する前に、のんびり、5歳長女とふたりで、夕食前にお風呂に入れたら、いいペース!なんてイメージをして、「次は、洗濯もの、たたんじゃおー」と声をかけました。
タオルでも、たたんでもらえると助かるなと思ったからです。
でも、5歳長女の口から出てきた言葉は、「アイロンがけが、したい」でした。
あぁ、失敗したー。
タオルでもたたんでもらえれれば、少しは早く終わるかなと思ったのが、誤算でした。さっさと一人で、たたんでしまえばよかった。
アイロンがけしている間は、目は離せないから洗濯物はたためません。
「夕食前にふたりでゆっくりお風呂に入るのを諦めれば、アイロンがけに付き合えるか…」と思って、アイロンを出してあげて、アイロンがけするのを見守ります。
「タオルにアイロンをかける」というので、「ファファのタオルがぺっしゃんこになっちゃうよ?」と言うと、「んじゃ、このハンカチにする」ということで、アイロンがけがはじまります。
ハンカチにアイロンをかけるといっても、真ん中あたりでアイロンを左右に動かし、アイロンがあたった部分のシワがのびるのが楽しいといった様子です。
ちょっと欲をかき、ついでに、お兄ちゃんが、小学校から持ち帰った給食当番セットの「エプロン」と「帽子」をアイロンがけしちゃおう!と、提案し、手伝ってもらうことにしました。
「エプロン」を、アイロン台に広げて、彼女がアイロンを左右に動かすだけで、アイロンがかけられるように、手伝いながら、アイロンがけをしてもらい(これも、一人でやってしまった方が断然早い)あとは、「帽子」のアイロンがけで完了する!というゴールが見えたときに、トラブルが発生しました。
「あそこから、帽子をとってもらえる?」と頼むと、
「やだ!」という一言が速攻で、返ってくるではないですか。
その一言に、この3〜4時間「うーん、面倒くさいな。一人でやったら早いのに…」の気持ちがありながらも、5歳長女の「やりたい」を優先してあげたのに、私の頼んだことに「やだ!」って、ずいぶん勝手なもんだなと、ついイラっとして、「んじゃ、もうお母さんも、やだ!」と、強く言い返してしまいました。
そしたら、5歳長女は、みるみる悲しい表情になり、泣き出してしまったのです。
あー、やってしまった…と思って、「ごめんね。でも、やだ!って、言われて、なんかお母さんもいやだなぁって思っちゃったんだよ」というと、
「お母さん、嫌なことがあったら、胸にため込まずに、その時に言葉で伝えていくんだよ。まとめて強く言われたら、悲しいよ」
と言い出すのです。
「え?なにそれ?」
「嫌なことをガマンしていると、強く言っちゃうから、なんか嫌だなと思ったら、そのときに、やさしく言葉で伝えるんだよ」
「え、そうなの?」
「うん」
「あー、確かに、ちょとずつ嫌だなと思うことを、胸にため込んでいて、それが溜まって、強く言っちゃったかも」
「ため込まなければ、怒ったり、強く言ったりしないですむよ」
「…。わかった。お母さんも、気を付けて、自分が嫌だなって感じたら、我慢しないでやさしく伝えていくね。それ、自分で考えたの?」
「鈴木先生(仮名)が、教えてくれた」
「保育園の鈴木先生が教えてくれたんだ」
「そう。わたしが美紀ちゃん(仮名)に、強く言って泣かしちゃったことがあったの。そしたら、お話を聞いてくれて、教えてもらったの」
「そんな、素敵なことを教えてもらって、ちゃんと覚えているんだね。お母さんも、やってみるね」
保育園の先生とのやりとり
保育園の連絡ノートにこのできごとを書いたら、鈴木先生からこんなお返事がありました。
こんな経験をしていることやこんなあたたかな見守りをしてくだっている先生に恵まれていることを、5歳の長女に話を聞かせてもらって、知ることができました。
せっかくの休日にトラブってしまいましたが、確かに、たくさんの学びがあったなぁ。
子どもを怒ってしまったときは、ひどく自己嫌悪に陥りますが、怒ってしまった自分を責めるのではなく、怒るに至った小さなガマンや小さな不快に気づいて、ため込まない。
そのためには、このブログで紹介しているアクティブリスニングを自分にしてあげるのが近道です。自分の気持ちを相手にやさしく、ポンと置くだけでいいのです。相手に投げつけたり、受け取るのが当たり前と思い込んだりせずに。
5歳の娘に教えてもらった「怒らない方法」を実践するために、子どもの話はもちろんのこと、自分にも、丁寧にアクティブリスニングをしてあげて、リラックスして自然体で、子育てしていきたいです。
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