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AirPodsPro顛末

AppleStoreの初売りでAirPodsProを購入しました。
オンライン会議などはiPhone付属のマイク付きヘッドフォンで行っていましたが、会議が長時間・頻繁になるにつれ有線が不便な場面が増えてきたので、オンライン会議用に。
音質の良さや、マルチペアリングのスムーズさ、ノイズキャンセリングの性能すばらしかったのですが、イヤーチップが左耳の形に合わないみたいで、1時間も装着していると痛みが出るようになりました。
で、何か改善できないかと思いサポートに相談したのですが、その時のやりとりが印象的だったので、話題にしたいと思います。

アップルのカスタマーサポート

アップルサポートをトラブルで使った事がある人はわかると思いますが、対応は丁寧で、的確で、大体問題は解決します(修理対応も含む)。
しかし今回の対応は、身に着けるデバイスで、トラブルが体の痛みという事で、だいぶ印象が変わりました。まあ、インタビュー感が強くなるわけです。どういう場面で痛くなるのか、時間はどれくらいで痛くなるのか、痛みの種類はどんな感じか?、耳の中の写真を送ってくれないか?など、これでもかというくらい詳しく生活や行動、使い方に関して聞かれました。(ちなみにオンラインと電話でした)

で、これはまさに、私が新製品開発の指導で行っている「行動観察」でした。行動観察に関してはこちらを参考にしてください。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00I336BJA/ref=cm_sw_r_tw_dp_0oaeGbMM82WZS

このインタビューで私は、漠然と感じていた左耳の痛みが、ちょっと特殊な状況で起っていて、もしかしたらノイズキャンセルの違和感がそれを増長しているかもしれない、と気がつきました。「行動観察」の目的の一つはユーザが気がついていない問題を明らかにすることです。

そういった意味で、私にはいろいろな「新しい発見」がこのやりとりの間でありました。これはメーカー側にもユーザーの細かな情報として大変重要なデータになると思います。
「行動観察」を仕事でやっているので、その効果の高さは実感しているのですが、労力やコストも大きいので、本格的に行う難しさも実感しています。

「行動観察」とサポートの一体化で価値を生む

「行動観察」に近い事を今回Appleはチャットと電話と写真転送を組み合わせて、効率的に行っています。ほんとに細かく聞かれるので、人によってはキレるかもしれませんが、淡々とこれを行えば、素晴らしいデータが集められるでしょう。

多くのメーカーはこういうトラブルを販売代理店や、サポートサイトでクレームに近い形で処理していると思います。今回の場合だったら「耳が痛いので、商品返品希望」くらいの情報しか残せない所も多いかと思います。オンラインと電話だけでしたが、結果的に割としっかりした「行動観察」のインタビューを行なってしまっているアップルに驚くと共に、こういうコミュニケーションがメーカーとの新しい形なのだ、と思いました。
アップルの製品のユーザーはおそらくリピータが多く、買い替え需要が大きいと予想します。使っている人から得る知見が、既存製品の改善や次の新製品のアイデアになっているのは間違いありません。おそらくAppleWatchをはじめ身に着けるデバイスのラインナップを増やしているアップルはこの手の個人差に関係する情報を積極的に取っているのではないかと思います。いやほんとに細かく聞かれましたから。

みなさんも、何かアップルの身に着ける物系のモノで違和感(細かい不満って結構あると思います)があれば、サポートで相談すると面白い体験ができるかもしれません。(結局AirPodsProは返品処理になりました。)

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