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組み合わせの妙! ぶち上がれ鼓動! もう徹する気で 追うテックツリー!『アトラスロスト:ライズオブザニューソブリンズ』のご紹介。


みなさんキャッチーですか。ぬんです。


つってね!突然ごめんなさいね!ちょっと前通りますよ!

私、ぬん(Twitter:@be_catchy)と申す者でして!
タクティカルゲームズさん×戸塚中央さんの新作『ATLAS LOST : RISE of the NEW SOVEREIGNS(アトラスロスト:ライズオブザニューソブリンズ)』に、ルールライトで参加させていただいております。

かっこいい箱絵

いよいよ9月6日にKickstarterにてローンチ予定ということで、実物を拝める日が楽しみだな~~とぼんやりしていた私に届いた1件のDM!
何事だと開いてみれば、「製品サンプルが出来上がったので、これで是非紹介記事を書いてくれ」と言うではありませんか!

やるやる~~! 全然やる~~!(ノリが軽い)


ということで張り切って参りましょう、大注目の新作『ATLAS LOST : RISE of the NEW SOVEREIGNS(アトラスロスト:ライズオブザニューソブリンズ)』、略して『アトロス』(適当)について、

・ざっくりどんなゲームなのか
・ざっくりどんなところが面白いのか

について書いていきたいと思います。
よろしくお付き合いください。



さて『アトラスロスト』、まず目を引くのがゴリッゴリのアートワーク

デジタルゲーム文脈も感じさせるアートですが、それもそのはず!
メインアーティストは、NieRシリーズACE COMBAT7ファイアーエムブレム等、様々なビッグタイトルに関わってこられた幸田和磨氏なのです!

こう言っちゃなんですがタクティカルゲームズさん人脈どうなってるんだ


この最高のアートの裏側には、こんな世界観設定があります。

・かつて、人工知能同士による最終戦争があった

・戦火によって文明のほぼすべてが消失し、わずかな人類だけが残った

・人類は人工知能による脅威の排除に成功し、新文明を築こうとしている

・しかし、限りある資源と過去の文明の遺産をめぐり、新たに生まれた小さな国家同士の戦争が始まろうとしている……


なんやこのスケール海外ドラマか???

世界観だけで3シーズンぐらい余裕でいけちゃいそうです。

そんなこんなで、各プレイヤーは小さな新国家のうち1つを担当し、この地域での主権国家の地位を目指します。



続いてセットアップどん!
ここで目が行くのが豪華なコンポーネントの数々!
一応まだサンプル版ということで、仕様やデザイン等が変更になる可能性がある旨明記しておきますね!


テーブル中央には、テックツリーと呼ばれるエリアが3つ連ねられています。


それぞれ、文化のテックツリー、科学のテックツリー、経済のテックツリーと名前が付けられているようですね。
こういった様々なジャンルの技術を活かしながら、新たな世界の覇者になりましょうってワケね!


各テックツリーをさらによく見てみると、複数枚のタイルが組み合わさって出来ているのがお分かりいただけるかと思います。
この合体感かっこいいな! なんというかこう、理系的な気持ちよさを感じませんか。


一方の個人ボードでは、クールな駒類が戦闘態勢!
駒関連の仕様はuchibacoya氏! なんてナイスワークなんだ…!



ではでは、実際のゲーム内容に切り込んでいきましょう。


『アトラスロスト』は言ってみれば「如何に勝利までの最短ルートを敷くかのレースゲーム」です。
以下の3つの勝利条件のうちいずれかを満たした状態で、自分の手番を終えると即座に勝利、的な仕様になっています。

①TPを30点ぶん集める!
②自分の影響力をマックスまで上げる!
③主導権タイル4枚共を保有する!

TPってなんやねん! 影響力ってなんやねん! 主導権タイルってどれやねん! って感じかと思いますが、ちょっとずつ一緒に噛み砕いていきましょう。


『アトラスロスト』ではいわゆるラウンド概念はなく、誰かが上記の条件を満たして勝利するまで、時計回りにぐるぐると手番を行っていきます。

各手番は大きく前半部分後半部分に分かれるわけですが……
前半部分の最終的な目標は、テックツリー上に自分の先遣隊駒を送り込み、テックを使用することでTPを得ることです。
勝利条件の1つに関わる単語「TP」が出てきましたね。


改めて各テックツリーを見てみましょう。
どうやらテックツリーごとに3つのレベルがあり、能力らしきものが示された八角形=テックが、レベル1には1つ、レベル2には2つ、レベル3には3つあるようです。


例えばこれは、「文化のテックツリーのレベル2のテック」みたいな呼び方をするわけですね。
「東京都の港区の芝公園の4丁目の2の8」的なノリです。なんで東京タワーの住所なんだ。


テックは言わば過去の文明からの贈り物。
対応したスペースに自分の先遣隊駒を置くことで、このテックの能力が使えるようになるぞ!


「なるほどな! じゃあ早速、この最強のレベル3のテックを使えるようにするわ!」


はいダメ~~!!


なんせテック「ツリー」って言うぐらいですからね。
テックツリーごとに、レベル1から順に、導線で繋がったテックを一筆書きでアンロックしていく必要があります。
レベル2で右のテックを選んじゃうと、レベル3の左端のテックは習得できないってワケよ。なんか人生こういうこといっぱいあるよな。



というわけで、手番の前半部分でやることは、


・資源を払って先遣隊駒1個をテックツリーに置く=テック1つをアンロックする

か、


・自分の先遣隊駒がある、つまりアンロック済みのテック1つの能力を使用する

かのいずれかが主になります。


テックはちょっと多めに数が用意されていまして、ゲームごとにランダムな組み合わせを使用する感じ。
さらに、テックの能力はもちろんテックツリーの種類によって特色があります(詳しくは後からチェックしましょうね)。
どれ中心にやっていくか悩む~~!


抑えておきたいのは、各テックツリーのレベル3のテック
これが、勝利条件「①TPを30点ぶん集める!」でお馴染み「TP」を獲得する主要な手段の1つになること!
TPは要するに勝利点です。がんばって30TP集めていきましょうって話!



さて、テックのアンロックには資源が必要、という話をチラッとしました。
さらにこのゲーム、テックの能力を使用する際にも、そこそこの個数の資源を要求されがちです。


資源は個人ボード上のトラックで管理します

じゃあ資源はどうやって補充すればいいんだー!
てことで手番の前半では、「テックのアンロック」や「テック能力の使用」の他に、

・資源を補充する

という選択肢があります。


面白いのが、先遣隊駒をたくさんテックツリー上に置いているほど、補充できる資源の量が増えること!
こういうの嬉しいよな!



ちなみに基本っぽい資源はの2種類ですが、1回の手番で補充できるのはいずれか1色のみ。 さらに先遣隊駒も、「紫の補充量を増やす先遣隊駒」と「緑の補充量を増やす先遣隊駒」に分かれている始末。

・どちらの補充を先にやるのか
・序盤はどちらの先遣隊駒を優先して出していくのか

などなど、厳しいリソース管理観が求められます。意地が悪いぞ戸塚中央!



手番の前半では、ここまで説明した「テックのアンロック」「テック能力の使用」「資源の補充」から1つを選んで1回実行することになるわけですが……

それに加えて、こういうものを持っていれば、追加でこういうことをしてもいいですよ、的なサブっぽいアクションが2種類実行できます。


1つが、ちょっと高級な資源を消費して行うサブアクション。

先程の紫と緑は比較的獲得が容易な資源ですが、入手方法が限られる3種類目の資源として「コマンド資源」と呼ばれるものが登場します。


コマンド資源は、各手番に1回だけ、1~3個を払うことで、払った個数と同じレベル任意のテック1つの能力を使える、という優れもの。
例えば、コマンド資源3個でレベル3のテックがポンと使えちゃうわけよ。

しかも、能力の使用は自分がアンロックしていないテックでもOKとか言い出しちゃうのよこのコマンド資源!
すご! 使いどころむず!



もう1つが、手札のカードを使用して行うサブアクション

実は、各テックツリーには対応したカードがたくさん用意されています。これは文化のカード、これは経済のカードとかそういう感じ。


これをゲーム中にちょいちょい引く機会があるわけですよ。
例えば、テック1つをアンロックするたびに、対応するテックツリーのカード1枚が手に入ります。ええね。


サンプルですので英語記載ですが、製品ではもちろんテキストは日本語です

そのカードを手札からプレイすることで、様々な効果が得られますよというのがこのサブアクション。
文化のカードだったら、文化の能力に関連した効果が書いてあるイメージです。


カードは使い捨てだったり、手元に残って毎手番発動できたり、条件を満たすと自動発動したりと様々。
いずれもなかなか強力で、この辺のとりあえず引いたものでテンポよく目標に向かっていく感じは、『ワイナリーの四季/Viticulture』の訪問者カードを彷彿とさせます。個人的に超好みのやつだ。



さて、ここまでをガチャガチャと終えたら、手番はいよいよ後半部分に突入!
後半部分では資源を払うことで、影響力トラック上の自分の影響力マーカーを進めていきます。
勝利条件の「②自分の影響力をマックスまで上げる!」にかかわる部分ですね。


3つのテックツリーの側には、影響力トラックと呼ばれるトラックが用意されています。
手番の後半では、トラックの下に描かれた資源を払うことで、自分のマーカーを右へ右へと進めることができるんだね。

進めた先の上側にボーナスが示されていれば即座にゲット。
先述のコマンド資源ももらえたりして嬉しい。


各手番では、支払える資源がある限り、任意でトラック上をどこまで進んでもOK!
一気にガーッと進められたら気持ちよさそうですが、まあやれるもんならやってみなって感じです。


勝利条件「②自分の影響力をマックスまで上げる!」は、自分のマーカーがトラックの右端のマスまで到達することを意味します。
ものすごい量の資源が必要となる茨の道ですが、逆に言えば資源がありさえすれば良い、という単純明快さが魅力です。



これで手番の流れはひと通り説明し終えたわけですが、聡明な皆様はお気づきでしょう、まだ触れられていない勝利条件が1つ残っていることに!

①TPを30点ぶん集める!
②自分の影響力をマックスまで上げる!
③主導権タイル4枚共を保有する! ←これだー!


ゲームには「主導権タイル」と呼ばれるタイルが4枚登場します。
各テックツリーに1枚ずつと、


影響力トラックに1枚。


これらは『カタン/Catan』の最長交易路最大騎士力に近い概念です。
対応するジャンルで誰よりもすごく頑張ることで、手元に自動的に飛んできます。


例えば、影響力トラックで自分のマーカーを最初に4マス進めたプレイヤーには、影響力の主導権タイルがやってくる。
以降、影響力が首位である限りこのタイルを保持できますよ、もし影響力で抜かれちゃうとその人に所持権が移りますよ、と。


主導権タイル4枚ともを集めるということは、3つのテックツリー+影響力の4ジャンル共で誰よりも活躍することを意味するので、これまたかなりの茨のみち。
ヘイトがヤバそう!


実は主導権タイル、持っているだけで1枚2TPをプレイヤーにもたらしたりもするので、実際にはそれこそ最長交易路や最大騎士力のように、あがり=30TPへと近づくために、あるいは誰かのあがりを阻止するために、プレイヤー間で奪い合っていくものになります。
バチバチやんけ!


ここまでを1手番として、自分の手番終了時に勝利条件を1つ以上満たしているプレイヤーが出るまで、時計回りにぐるぐる繰り返していきます。



いや~~どうですか『アトラスロスト』
3つの勝利条件のいずれかに当たりをつけ、そこに至るまでの最速ルートを構築するために、厳しいリソース管理をこなし、活用するテックを適切に選択するのだ!

しかーし! ここまでご紹介したいのはあくまでさらっとした流れのみ!
『アトラスロスト』を最高のゲームたらしめるキャッチーポイント!
ドドンと2点ご紹介だ!



キャッチーポイントその①!
テックツリーの組み合わせによるプレイ感調整!

さて、冒頭から文化のテックツリー、科学のテックツリー、経済のテックツリーのトリオとよろしくやってきたのですが、実はこの『アトラスロスト』、これら3つのテックツリーが毎回登場するわけではありません

どういうこと???


実はここに宗教のテックツリー軍事のテックツリーを加えた5つのテックツリーが収録されており、なんとゲームのたびにここから3種類を選んで遊ぶという超カスタマイザブル仕様なんですよ!
な、なんだってー!


使用するテックツリーによって、個人ボードに付けるパーツまで変わる徹底ぶり

ここまで散々もったいぶってきましたが、5つのテックツリーはそれぞれ豊かな特色を持ちます。


文化緑資源基盤の安定に寄与。テックツリー上でのスペース早取り要素


科学コスト軽減やアクションに付随したボーナスに特化。


経済紫資源基盤の安定に寄与。自分がすごく得をして、他のプレイヤーも少し得をする


宗教他プレイヤーに自身の宗教を根付かせ、その行動や数によって利益を得る。ヤバい。


軍事他プレイヤーをいろんな形で殴る。ヤバい。


文化・科学・経済の3つのテックツリーは、あくまで初プレイ時に選択することが推奨されている組み合わせ。
慣れてきたら、宗教や軍事を加えてヤバくなってみるといいんじゃないかと思います。



この5つのテックツリーのうち3つのみを使用するシステム、組み合わせによってゲームの毛色が変わる楽しさがあるのはもちろんですが……


イケてるのは、各テックツリーに

拡大レベル(プレイヤーが資源を得やすくなるかの指標)
干渉レベルプレイヤー同士の駆け引きや攻撃の多さの指標)

という2つの数字が振られており、それらの合計を調整することで好みのプレイ感が得られること!


例えば、初めて遊ぶ際に推奨されている文化・科学・経済の組み合わせ。
これは拡大レベル12、干渉レベル5ということで、他のプレイヤーに大きく邪魔されることなく、伸び伸びと資源を得ながらルールを把握していける感じになるんだな!


一方で、文化・宗教・軍事の3つを選んでみれば、拡大レベル5、干渉レベル12という一触即発ゲームの出来上がり。


いわゆるモジュール式っぽいゲームってたくさんありますけど、プレイ感を数値で表すことでユーザーの好みに寄り添おうとするものって少なくとも私は見覚えがなくて、なるほど1つ発明なんじゃないかと感心している部分です。
もうこんなの……カルピス原液じゃん!(好きな濃さで飲んでねの意)


あとはもちろん、全10通りのいずれの組み合わせが選ばれたとしても、ゲームを楽しく成立させる制作チームの調整手腕!
これもシンプルにすげえなって感じ。感想が他人事すぎる。



キャッチーポイントその②!
「俺が考えた最速・最強の勝ち方発表会」の楽しさ!


どのテックツリー3つを選んだとて、『アトラスロスト』はやっぱり「如何に勝利までの最短ルートを敷くかのレースゲーム」です。

先遣隊駒を全部置き切ろうが、資源の量産体制を作ろうが、他の誰かに先に30TP取られちゃったらお前はもう敗者なんだよ!


ということで、

・どの条件を満たして勝利するのか
・3つのテックツリーのどれに特に注力するのか
・各テックツリー内で、どんなルートを辿ってテックをアンロックしていくのか
・そのためにどんなカードをプレイするのか

などなど考えることは尽きず、各々が好き勝手にやっていった結果、ゲームは「俺が考えた最速・最強の勝ち方発表会」の様相を呈します。
こんなの楽しいに決まってる!

「あがりまでの手番数圧縮のためなら、使えるものはなんでも使ったるわい」という泥臭さが完全にスポ根モノのそれ
終盤のグイッとくる成長曲線と白熱のレース感で、もうあなたの卓はドッカンドッカンよ!


この記事を書くに際して、文化・科学・経済の3つのテックツリーを使用した3人戦をやったんですよ。
私はカード効果を駆使して、資源を切らさずに経済のテックツリーで得点し続けるループを構築。
好きな感じの動きができて満足しちゃったのですが、如何せん足が遅かった!

勝者は文化&科学で資源基盤を整え、経済でラスト12TPを一気に稼いだ方でした。
あともう1手番あれば~~!という最高体験!
皆さんにも是非味わっていただきたいです!


そんな『アトラスロスト』は、9月6日にKickstarterでプロジェクトがローンチ!
キャンペーンの事前登録も受付中とのこと!
忘れずにキックしたい!という方は今すぐチェックだ!

Atlaslost - Kickstarterページ


というわけで、新世界超カスタマイザブルレースゲーム『ATLAS LOST : RISE of The NEW SOVEREGINS』、ご紹介させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


当レビューで使用したサンプルは、製造可否を確認するために全てのストレッチゴールを達成した場合の仕様となっています。実際の製品とは一部仕様が異なる場合があります。

脚注


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