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第53回:音と薬は正しい摂取を!

さて、前回の記事では「音が医療分野にもたらす効果」についてお話しをしました。


最近では軽度認知障害(MCI)や初期段階のアルツハイマー型認知症の被験者に40hzのサウンドをヘッドフォンで聞かせることで、アルツハイマーの脳委縮を防ぎ認知機能の改善が見られたとのマサチューセッツ工科大学のラボの研究結果も発表されています。

一方で、アルツハイマーなどの症状が進行した中等度以上の場合、ヘッドフォンを自分で取ってしまったり、同じ場所にいられなかったりすることから、必要な音の処方時間(音を聴取する時間)を保たせることが困難であるため、今後は聴取方法も研究する必要があること、また中等度以上の患者への効果に対する信頼性と妥当性の精度を高める研究なども今後は進んでいくことでしょう。

そしてここ日本でも、最近では40hzのサウンドを「スピーカーなどから」聴取させる商品も販売されているようですね。

ここで、本日の「音とお薬は正しい摂取を!」という投げかけをしたいと思っています。

お薬が最大の効果を発揮するためには、正しい摂取をすることが大切なのはみなさんが当然ご存知のことで、そのように実践されていると思います。

食間に飲むのか、食後に飲むのか、1日何回飲むのか、何と一緒に飲むのか・・

どのようにお薬を摂取すると最大の効果を発揮するか科学的治験のもとに実証され、わたしたちの手元にお薬が届いているというわけですね。

薬と同じように音にも科学的治験に基づいた「正しい摂取」が必要です。

「40hzのサウンドを聴くと認知症に効果があるらしい!」ということが世の中に取り上げられることは大変喜ばしいことではありますが、そのセンセーショナルな一面ばかりが取り沙汰され、「音の聴取方法」によっては、効果が大きく異なることについては、触れられていません。

ですから今日は、「軽度認知障害(MCI)や初期段階のアルツハイマー型認知症の方に40hzのサウンド聴取していただき、アルツハイマーの脳委縮を防ぎ認知機能の改善されるためにとても大切なこと」を申し上げましょう。

スピーカーでの聴取ではなく、ヘッドフォンやイヤフォンで聴取すること。

これが大切なのです。

骨伝導で周波数をダイレクトに耳が捉える率が強いほど、脳へのインパクトが大きくなります。逆に、脳や耳と音源が離れれば離れるほど、音の振動が退化しますので、効果も小さくなります。

一見「音の摂取で認知症やアルツハイマーが改善する魔法!」のように見える情報も、正しい専門家の科学的エヴィデンスに基づいた正しいアドバイスのもと、活用することが大切ですね。

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