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ニンジャスレイヤーTRPGロールプレイセッションリプレイ:「ハロー・ワールド、ハロー・ヒーロー」

◆ドーモ、Tac.Tと申します。この記事は5月12日の夜に、Discord上で実施したニンジャスレイヤーTRPGの突発的なロールプレイセッションを、少々の加筆修正を加えて公開したものです。◆よく分からない方は、ニンジャスレイヤーの二次創作とお考えください。◆
◆前書◆今回のセッションはT1000G=サン(https://note.com/tg1000)との、テキストカラテやシナリオ構成の練習を兼ねたロールプレイ(RP)のみのセッションとなりました。この場を借りてT1000G=サンにお礼を。ありがとうございます!◆判定を用いたバトルはありませんので、実際ニンジャスレイヤーの二次創作ショートショートとお考えいただければ幸いです。また、実際のセッション時の文章を加筆、再構成しております。◆


(発端は自分が、夜遅くにこんなことを呟いたところから…)

自分:議題・卓も中止になったので、昨日雑談で話したなんかRPやってみたいです
ついさっきできたばかりのヒロインミームに生きるオイランドロイドを使って何かしたみはある…

(実は私、そのつい少し前にこんなスレイトを描いておりました)
◆ソード山脈:遺棄された研究施設◆
外は猛吹雪である。激しい風音が一瞬だけ聞こえ、二人の人物が今エントリーしてきた。
片方は銀色の軍服と軍帽を纏っており、フードを纏ったもう片方に背負われている。
軍服の人物は施設の床に横たわらされる。

フードの人物がその顔をあらわにした。水色の髪に青い瞳。
まるで人為的に作られたかのような、少々人間離れしたアトモスフィアの美しい少女である。
…よく見ればその瞳にはオイランめいた紋章が刻まれている。少なくともヒトではないのだろう。

軍服の人物が目を開けて、少女を見た。「………何故………」
疲労しきりくぐもった低い声は、彼自身声を大きく出せないが故にほとんど聴き取れぬ。
「………何故………俺を助けた………」

「それがヒロインの役目だからです」少女は好意的に、かつ淡々とした調子で問いに答えた。
「傷ついたヒーローを助けるのはヒロインの役目です。それが常識です」
瞳の中のオイランの意匠と、もう片方の瞳の三つ巴紋が、軍服の人物にはっきり見える。

「……オイランドロイドか」
「さぁ、どうなのでしょう?」彼女は曖昧に微笑んだ。
(一部編集済み)
(すると突如、T1000G=サンから”卓終わったらやります?”とお声が掛かったのです。ウレシイ!)
(あれよあれよと即興でシチュエーションが決まって行き、T1000G=サンの方でも出されるキャラが決まり……)

T1000G=サン:準備はオッケー!

自分:ヨーシ!ヨロシクオネガイシマス!

T1000G=サン:ヨロシクオネガイシマス!


◆本編開始◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆これまでのあらすじ◆メガロ・キモチ社の研究者…モキチ・ニシムラの命が狙われているという情報を得たキモチ社は、さる傭兵にニシムラの保護依頼を要請する。これを受けた”さる傭兵”…バーゲンは、ニシムラの身柄を保護せんと彼の研究室へと急ぐ。

バーゲン(PL:T1000G=サン):「間に合うと良いがな……」バーゲンは駆ける。駆ける。その鋼鉄製のヒキャクに置換された脚で。

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◆忍◆ニンジャ名鑑【バーゲン】◆殺◆
特定の組織に属さないフリーランス・ニンジャ。依頼遂行中、爆発に巻き込まれた際にニンジャソウルが憑依する。
ニンジャソウルが憑依して一命をとりとめたのは良いものの、ほぼ全てのサイバネが故障してしまう。
そしてマネーが足りなかったために寄せ集めのジャンクサイバネや非戦闘サイバネで置換されてしまった。
そのショックによってカラテは鈍り、さらに後遺症によって視界は白黒となる。
現在は順調に最新型戦闘用サイバネに置換していっているが、視界は白黒のままだ。
戦闘スタイルはイアイドーと、赤熱チェーンナックルやヒキャクブースターによる奇襲攻撃を得意とする。
(キャラクターシートより抜粋)
幸いにもまだ追っ手はそこまで手が早くないようで、彼は一足先にニシムラがいるであろう地点へと到達した。厳重にロックされたニシムラの個人研究室。しかし……

バーゲン:ニンジャの力……そして、その鋼鉄製のテッコに置換された腕は、例え厳重にロックされた扉であろうと開けることは容易い。「ベイビー・サブミッションだ」扉で強引に開けようとする!

CRAAASH!

……研究資材やプログラムの資料集、パンチシートなどで散らかった室内の中心に、彼は居た。…既に事切れている。

バーゲン:バーゲンはサイバネアイでしっかりと確認する。白黒の……事切れた者、ニシムラ。泡から白いものを吹いている。「毒殺ってわけか、チキショーめ」

バーゲン:ニシムラに歩み寄る。「死体は喋らねえが……教えてくれる」死体を確認する。

…ふとバーゲンは、己の横の手術台めいたベッドに、何者かが寝かされているのを発見する。

…青い服を見にまとった少女だ。水色の髪に青い瞳。どこか非人間的なアトモスフィア……関節が人とは違う。オイランドロイド?

バーゲン:「オイランドロイドの類か?」バーゲンはニシムラに向けて「ナムアミダブツ」と呟くと、そちらへ歩み寄る。
「オイ、アンタ。起きてるか?」テッコを少女の前でひらひらとさせる。

………ガガガガガガッ。キャバァーン!何らかの機械の駆動音とともに電子音が鳴り響き、少女の瞳に電子の光が宿り始める。

バーゲン:「ンン……?」瞳を覗き込む

オイランドロイドの少女(PL:Tac.T):「…………」少女はむくりと起き上がり、バーゲンの方を見た。両目には三つ巴の雷神紋と、翼をはやしたオイランの意匠。

少女:「………ここはどこですか?」開口一番少女は問いかけた。

バーゲン:「ニシムラって研究者の個人研究室だ。ここの担当はもういないがな」

少女:「研究室………?」首をかしげる。「……ワタシ、囚われの身ですか?」

バーゲン:「さあな」バーゲンは肩をすくめた。「もう担当はいない。アンタが誰だか知らんが……自由だぜ」
バーゲン:「昔は囚われの身だったのかもしれないが……アンタは自由だ。今はな。アンタが追手を寄こされるようなヤツじゃないと祈っておくよ」

少女:「自由………」両手を見て、再度バーゲンを見る。まじまじと見て……唐突に思い出したように歓声をあげた。「アナタのこと、ワタシ知ってます!」

バーゲン:「な!?」バーゲンはびくりとする!「何だ、知ってるのか?」

少女:「ハードボイルドなサイボーグ・ヒーロー=サンですね!」

バーゲン:「ぷっ」バーゲンは噴き出した。「俺はハードボイルドでもないし、サイボーグヒーローでもないさ」
バーゲン:「ただのサイバネ野郎だ。汚れた傭兵さ。今は汚れを落とそうと努力してるがな。ま、見方によってはサイボーグなのかもしれないな」

少女:ベッドから下り、少々おぼつかない足取りでバーゲンの周りを一回りしながら、まじまじと眺める。「ワタシ、きっといると思ってました。鋼鉄の体に身を委ねながら、ハートは生身のヒーロー。思った以上にカッコいいですね」

バーゲン:「俺がカッコイイ、か。そう見えるなら嬉しいね。だが俺は生優しいヤツじゃないぞ」バーゲンの汚れたサイバネやカタナがコートからチラつく。

バーゲン:「それに、俺はもうハートは一度”クローム”に変えちまった」バーゲンは己の胸にテッコをあてる。「もう元には戻らんさ。できるのは生身を模範するだけ。もっと他にいるぜ、生身なハートを持ってるヤツは」

少女:「これ、なんですか?」カタナを取ろうと手を伸ばす…

バーゲン:「ンン、触るか?」カタナをベルトから外す。バーゲンは慣れた手つきで鞘からカタナを抜く。美しい刃が露わとなる。
バーゲン:「”カタナ”だ。俺たちの武器。人を守るために、人を殺める、サムライの武器だ」

少女:「……スゴイ。鏡みたいです……」刃に彼女の青い瞳が映る。「…人を守るために、人を殺すんですか?」

バーゲン:「ああ、そうさ……」バーゲンはカタナを見つめ、言った。「人は互いを求め合い、時に拒絶する。時に助け合い、時に殺し合う。これは大切な人を守るための道具で、大切な人を傷つけようとする野郎を斬るための道具だ」

バーゲン:「そして人は、大切な人が斬られたと言って、これでまた違う野郎を”斬る”」

少女:「………………」バーゲンの話を、目を丸くしてじっと聞き入っている。

バーゲン:「……スマンな、変な話をしちまった」

少女:「…こういうのって、”タフ”って言うんでしょうか?」

バーゲン:「……俺が、”タフ”か」バーゲンを肩をすくめた。「そう言うのかもな。アンタは、”タフ”をどういうヤツだと思ってるんだ?」

少女:「…………………」

少女が答えあぐねた、その時である!
SLASH!

少女:「ピガッ………」少女の首筋に穴が開き、そこからコードや内部の機械が覗く!

バーゲン:「……な!?オイ、何が起きた……!?」

???:「………っと、お楽しみ中スマンよっと……」ステルス機構を解除し、現れたのは…ニンジャである!
「ドーモ、クリアスティーラーです」

バーゲン:「オイオイ、しんみり話してたのに冗談キツイぜ」サイバネアイが赤く光った。「……ドーモ、バーゲンです」

クリアスティーラー(PL:Tac.T)「しんみりした話ってのはどうも嫌いでね……それにビズにセンチメントはご法度だ。だろ?」ケラケラと笑う。「悪いが、そのお嬢さんの体を持ってかなきゃならないんでね…」

少女:少女はバタリと倒れ込む…まだ意識はあるようだ。「い………たい………」

バーゲン:「ダイジョブか、アンタ」カタナを構えた。「すぐ片付ける。見てろ、これが俺の”タフ”だ」

クリアスティーラー:「……なんだ?アンタ。大人しく渡しちゃくれないのか」

バーゲン:「確かにビズにセンチメントは不要だ。それは分かる」バーゲンは油断なくカタナを構える。中段の構え。カタナを間合いを測る物差しと化す構えである。「だがセンチメントが心を救う。俺はそれなしじゃやってられないよ。で、センチメントをくれた野郎を助けるのは当然の道理ってヤツだ」

バーゲン:「……ま、簡潔に言えばだ」

バーゲン:「渡しはしねえよ、スマンノー」

少女:「…………………」少女は何とかバーゲンの後ろに這いずり、彼を頼るように脚にしがみつく。
…彼女の擬似自我には、彼女にも理解しがたい未知のノイズが襲っていた。

バーゲン:それを一瞥したバーゲンはクリアスティーラーをサイバネアイで見る。


バーゲン:「ハンデだ、クリアスティーラー=サン。俺はコイツに脚を預けながらアンタを”斬る”」


クリアスティーラー:「ハン…甘い奴め。後悔すんなよなッ!イヤーッ!」突如として深く踏み込み、ステルス・ジツで隠された透明なカタナでバーゲンに斬りかかる!

バーゲン:恐るべき剣閃。クリアスティーラーのワザマエが分かる。だが、バーゲンのサイバネアイの視界は白黒だ。故に、物事を……戦場を白と黒で見分けてきた。ステルスブレードは、バーゲンにとってただの焼け石に水でしかない。「見えるぞ、イヤーッ!」バーゲンはカタナの刃で受け止める!
「……アンタの装束は何色だ。クリアスティーラー=サン」

クリアスティーラー:「透明さ。今からな」前触れなくクリアスティーラーの姿が消えた!

バーゲン:「……チッ、そうかよ!」カタナで周囲を薙ぎ払う!まずは周囲にいないことを確認する。

…しかしバーゲンは、クリアスティーラーの感覚が何処かから近づいてきていることを悟る。少女がちょうど彼の足に縋り付いている方向……真後ろだ!

バーゲン:「……!」真後ろにいる!「イヤーッ!」カタナをヤリめいて操り、真後ろの空間を突き刺す!

クリアスティーラー:「アバッ………」

ニンジャのイクサは、わずかなかけ違いによってしばしば一瞬で終わりを告げる。その瞬間、クリアスティーラーの一瞬の慢心が、彼の命を奪った。

少女:「………………!」クリアスティーラーに気付き、少女もバーゲンの向く方向の真後ろに這いずっていく。

バーゲン:「キリステ……いや、ツラヌキスマンノーと言ったところか」カタナを抜き、向き直る。「小細工なしでやれば良かったな。アンタの剣閃、良かったぜ」

クリアスティーラー:黒いクリアスティーラーの装束が、わずかに血で赤く染まる。頭巾の下の表情が、自嘲とも満足とも取れぬ笑みを浮かべる。

クリアスティーラー:「畜生……サヨナラ!」爆発四散!


雑然と散らかる研究室。もはや彼以外には、呆然とする少女しか残っていなかった。

少女:「……………」

バーゲン:「……これが、大切な人を守るために、大切じゃない野郎を”斬る”って事だ」深くザンシンし、カタナの刃を拭って納刀する。

少女:「……スゴイです………」惚けたように少女が呟く。
わずかに縋り付く腕に力が篭り始める。

バーゲン:「……スゴイ?」バーゲンは予想もしてなかった答えにきょとんとした。

少女:「そ、その………何といえばいいんでしょう……」様々な事象を目の当たりにし、マイコ回路が高い音を発し始め、自身の中でも未知のエラーが起き始める。脳内での処理が追いついていないようだ。
「アナタ、とてもスゴイ、です……」今の彼女にはそれしか言えなかった…

少女:ふと彼女は、バーゲンの片足を強く抱きしめすぎていることに気づくと、目を丸くしてパッと離れた。

バーゲン:「気にするな。俺の体は所詮クロームだ」少し笑みを浮かべると、バーゲンは壁にもたれかかった。
「スゴイ、か……だが、こういうことをやってのけるヤツは他にもいる。アンタが街に出たらスゴイで溢れているだろうよ」

少女:「スゴイが……いっぱい……!」少女は腕の損傷も忘れて、両手で頬を覆った。嬉しそうに見える。

バーゲン:「ああ、そうだ」微笑ましそうに見つめる


バーゲンは、もたれかかった壁の先の景色から、ふとニシムラ研究員のデスクを見た。「遺書」と小さく書かれた封筒が置いてある。

バーゲン:「……ウン?」バーゲンは歩み寄って封筒を取る。「遺書だ……?」

『この手紙を読んでくれている君へ
私はモキチ・ニシムラ。メガロ・キモチの一研究員だ。そこに寝かせてある娘の名前は「ループ」。』
手紙はそう書き出されていた。

バーゲン:「アンタ、ループって言うのか」封筒を読みながら言う

少女:「ループ…………ワタシ、ループって言うんですか?」きょとんとした顔を浮かべる。

バーゲン:「みたいだ。よろしくなループ=サン」笑みを向けた。

手紙の続きはこうだ。
『手間をかけてしまって本当に申し訳ない。社に送った私への暗殺予告は私の、いわば自作自演だ。それもこれも、元はループを守るためといったところだ』

バーゲン:「……」黙って読み進めている

『オイランドロイド・アイドルユニット、ネコネコカワイイを見た時、私の価値観は一変した。こんなにも素晴らしく、こんなにもカワイイな存在が、よもやこの世界に、否、この次元に存在しうるだろうか!?私の研究者としての情熱が一気に広がった。そして行動に移した……私の人生の集大成と言える血と汗と涙の結晶が彼女だ。』
『しかし開発にはリスクがあるのは当然承知だった。私が開発した高度なAIを、オムラの連中が放っておくわけがない。私を殺してでもループを奪おうとするだろう。……彼女自身にとっても、それは望まぬはずだ』
『故に、これを読んでくれている君に彼女を託す。どうか彼女を、できる範囲でいい。守ってやってくれ。彼女を、どうか彼女で居させてあげて欲しい。オイランドロイドのボディでどこまでできるかは未だ不明だが……』

バーゲン:「……託す、か」

『……私はこの先もう長くはない。不治の病に侵されている。彼女との最後の別れを済ませたら、自ら潔く命を断つつもりだ。才能の無駄遣い?知ったことではない。ループの技術は万人のより良い社会のために用いられるべきだ』
『いきなりで本当に申し訳ない。一人の愚かな男の、身勝手な願いを、どうか引き受けて欲しい。ループを、私のただ一人の娘を、ヨロシクオネガイイタシマス。

………モキチ・ニシムラ』
手紙はこれで終わりだ。

バーゲン:「万人のより良い社会か……ニシムラ=サン、アンタは大きい夢を持ったな。俺は、大きい夢は好きだ」バーゲンは手紙を静かに閉じた。

ループ:「………大きい夢?」ループ、と名付けられたその少女はとっさに聞き返した。

バーゲン:「……ああ、大きい夢さ。アンタは大きい夢を背負ってる。俺も背負わされちまった。まさかこんなことになるとは、な」

ループ:「ワタシ、何も背負っていませんが…」自分の背中を見る。

バーゲン:「そうじゃない、そうじゃない」バーゲンは微笑んだ。そして己の胸と、ループの胸を指さす。「”ここ”で、背負ってるんだ。夢は、見えないが……いつか見えるようになる」

ループ:バーゲンの胸と、彼女自身の胸。交互に見比べながら彼女は、何やら納得したように頷いて、一言呟いた。


ループ:「あなたのハートは、やっぱり生身です」

ループ:「冷たいクロームだなんてとんでもない。暖かい生身です。ワタシにはわかるんです」


バーゲン:「そうか」バーゲンはメンポを取り、笑みを浮かべる。「じゃあアンタも、生身だな。アンタのハートは暖かい」

ループ:「そうですか?」両手をやはり頬に当て、殊更嬉しそうに笑みを深める。「嬉しいです…」

バーゲン:「ハハハ!それを忘れるなよ」顔を指さす。「アンタの笑顔は素敵だ。アンタの笑顔は皆を救う」

◆◆◆

…やがてループ自身も遺書をみて、己の生みの親と、己が"内蔵する"物についてを何となく知った。
損傷した右腕を強化パッチで直しながら、突然彼女は何事か決めたように発する。

ループ:「ワタシ、一人でネオサイタマに行こうと思うんです!」

バーゲン:「ウオッ!?」

ループ:「手紙から推察される情報によると、ワタシと一緒にいた場合、アナタにも危険が及ぶ可能性、非常に高いと思うんです…」

バーゲン:「……そうかもな。だがアンタ1人でも危険だぞ」

バーゲン:「でも……アンタならやっていけるだろうな」
「ネオサイタマには”スゴイ”以外にもある。恐ろしいものや、闇も満ちている。だが、アンタはそれに遭っても真っすぐ生きろ。アンタが正しいと思ったことをやれ。自分を貫き通すってこった」

ループ:「ええ。ワタシの都合はワタシの都合です。多分、他の人を巻き込むのは良くないです」自分で納得したように頷きながら、身支度を進める。
「多分、私が思うに、これがワタシのタフだと思うんです。…………たぶん。」

バーゲン:自分がしっかり思えているなら、それを貫き通せば良いのさ。それが”タフ”だ。俺もまだよくわからねえが」

ループ:「しっかり貫き通す………」

ループ:「………ワタシ、アナタみたいな”暖かいハート”を持ったヒトに、もっと会いたいです」
「ネオサイタマって、どんな街なのでしょう?”暖かいハート”のヒト、いっぱいいるんでしょうか?」

バーゲン:「ああ、いるさ。でも、冷たいハートを持つヤツも多い」
「だがな、そいつらの奥にも……暖かい部分はある」

ループ:「ハッキリしていないんですね。複雑なのですか…」

バーゲン:「ああ、複雑なのさ。ハートを閉ざしているヤツもいる」
「誰とも関わろうとせず、ただハートをヤスリがけして苦しんでるヤツもいる」
「アンタがどうするかは自由だ。自分を貫き通せ。そいつが苦しんでて、助けたいと思うなら助けてやれ」

ループ:「……………」今一度自分の手を見る。自分の胸を見る。「……頑張ってみようと思います。暖かいハートがあるって、バーゲン=サンが言ってくれたんです。きっとワタシにもできます。」
手始めに、彼女はバーゲンを抱きしめた。

バーゲン:「ウオッ……!?」バーゲンは驚いたが、抱きしめ返した。「……ありがとう」
「こうして誰かと抱き合ったのは、いつぶりだったか……ハハハ」

ループ:「きっと、アナタももっと抱き合えますよ」
数秒抱きしめてから離れると、応急パッチやニシムラの遺品のコミック本などを詰め込んだフロシキを引っ掴んで、研究室の戸口に立った。

ループ:「サヨナラ、ハ、イワナイヨ!」彼女の意識に最初にインストールされた、SFカトゥーンのヒロインの言葉だった。

バーゲン:「ハハハ!そうかい、そうかい」バーゲンは手を振った。

◆◆◆

……かくして一人の不思議な存在が、今、ネオサイタマの街に解き放たれた。スズキ・マトリクス理論が公開される前、この世にウキヨと呼ばれる存在が生まれる前。それらに思いがけず近づこうとした一人の研究成果が生まれたことを、知るものは少ない。

赤い瞳の傭兵と、青い瞳のオイランドロイドは、その後再び合い見えただろうか?ループがこの先進む物語とは?ただわかることと言えば、重金属酸性雨に濡れた街は全てを覆い隠し、全てを受け入れること。そして、暗黒の破滅も、黄金の成功も、真紅の修羅の道も、純白の希望の道も、その街にはあるということ。

ここはケオスの街・ネオサイタマ。

◆「ハロー・ワールド、ハロー・ヒーロー」完◆



◆セッションを終えて◆
自分:オツカレサマドスエ…!お付き合いいただきアリガトゴザイマシタ!
T1000G=サン:オツカレサマドスエ!こちらこそありがとうございました!ループちゃんかわいいね!
自分:アリガトゴザイマス!ヒロインカラテの糧としたいな…
T1000G=サン:極論ヒロインカラテがあればどんなものだってできちゃう(らしい)からね……
自分:ヒロインカラテ万能説、少しワカルような気がします…
T1000G=サン:ヒロインカラテがあればPC達が動く理由も作れるし、戦う理由も作れるし、ヒロインの因縁の敵だったらまるでこちら全員の因縁の敵だって思えてしまう……すごいぜ
自分:実際ループのキャラからニシムラ博士やクリアスティーラーが15秒で生まれた………ヒロインって偉大だぜ。ポッと出のあのサンシタが、我ながらまさかあんな渋いセリフ吐くなんて思わなんだ!ループちゃんのおかげだ…
T1000G=サン:ツヨイ!
自分:つまり…パイロちゃんだけでなく、うまくやればデッドゲイズくんもヒロインにできるわけだな()(注:”パイロちゃん”、”デッドゲイズくん”共に自NMキャンペーン、バッドアス・グッドフェローズ・キャンペイグンのNPC。)
T1000G=サン:ヒロインは少女だけじゃないからね!()(注:”デッドゲイズくん”の方はサンシタクソ上司野郎ニンジャ)
T1000G=サン:つまりPC達が動く動機とかになるキャラならそれらは全部ヒロインってわけだ(ぐるぐる目)
自分:PCはヒロインで動く。何となくわかったような気がします!(ループ並感)
T1000G=サン:ループちゃん……
自分:たぶん「何となくわかったような気がします!」で場を引っ掻き回すムーヴとかも案外合うかもしれない…
T1000G=サン:なんかそう言った後に奇行に走りそう()
自分:「何となくわかったような気がします!」(モーターヤブと物理変形合体しようとする)
T1000G=サン:ヤメローッ!合体はロマンだが!だが!
自分:そして生まれる悪魔合体……これが魔改造ですたい!


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◆忍◆ニンジャ名鑑【ループ】◆殺◆
 非ニンジャ。高度なAIを備えたオイランドロイド。
 …サイエンス・フィクションのシンピテキなヒロイン。ミームを愛するとある研究者の内一人が、
 ネコネコカワイイ・プロジェクトの完成を見たときについに発狂、発奮。密かにオイランドロイド
のボディを譲り受け、己の持ちうる限りの全ての情熱と愛情を傾けて作り出した存在。
 正式名称は別に存在するが、その名は伝説的なSFアニメーションのヒロイン機から取られている。
 ロールアウトされたばかりであり、無知にして無垢。インプットされたフィクション・コンテンツ
の中でのヒロインたちの行動を元に行動する。
◆忍◆ニンジャ名鑑【クリアスティーラー】◆殺◆
 フリーランスの傭兵ニンジャ。ややソウカイヤ寄にりのスタンス。
 もとは暗黒イアイ・ドーのドージョーで師範代を務めるほどのワザマエであったが、ニンジャソウル
憑依を機にその精神が変質、更なるカラテの精進よりもソウル由来のステルス・ジツ頼りの暗黒ビズ
に精を出すようになった。その精神の構え方のバーゲンとの差が、今回のイクサの結果に大きく影響
したと言えよう。
登場当時はオムラ社からの、ニシムラ研究員の研究データ及びループのAIデータを奪ってくるという
任務を受けていた。


◆T1000G=サンに限りない感謝を◆
◆完◆最後まで見ていただきアリガトゴザイマス!◆

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