【メモ帳 #01】2024シティS3 ロストバレット(LostParadox)
○前書き
はじめましての方ははじめまして。たこすえいぷりるです。
2024シティリーグ シーズン3において、ロストバレットを使用して優勝することができました。多くの人が応援してくれて、優勝を共に喜んでくれたこと、そして何より普段から対面練習に付き合ってくれた皆、本当にありがとうございます。おかげさまでJCS権利獲得に加えてCSP205となり、S4やJCSの結果次第ではWCS権利が見えるところまで来ることができました。
本noteでは、優勝記念、及び自分の忘備録として、使用したデッキ「ロストバレット(LostParadox)」について解説を記載します。尚、基本的には身内向けとして記載していること、ロストバレットというデッキタイプの性質上、思想による構築やプレイングの違いが多く見られること、2024/3/14開催のシティリーグ環境における内容であること、自分自身が当初の思考過程を振り返るために記載していること、その上で「これから初めてロストバレットを使う」という方も対象としていること、ご了承ください。
尚、本記事は現環境がすでにクリムゾンヘイズ環境である点を考慮して本文無料、投げ銭方式としています。参考になる方がもしいらっしゃれば、ご購入いただけますと幸いです。
※本noteでは稀に表のイメージとして画像等を用いている場合がありますが、基本的には検索性を考慮して、文言で記載する方針としています。また、カード名は例外がない限り略称ではなく、正式名称で記載しております。非常に長いnoteとなっていますので、必要に応じてページ内で検索される等、ご活用いただればと思います。
○2024シーズン大会経歴
直近の成績を記載します。
○シティリーグ
シーズン1 予選2-3 予選落ち パオジアンex
シーズン2 予選4-1 通算7-2 準優勝 トドロクツキ入りロスバレ
シーズン3 予選5-1 通算8-1 優勝 ロストバレット
○非公式大会
かつた杯チーム戦(2/23開催)個人6-1 ロストバレット
以下、シーズン2以降のリストを掲載。
ロストを使い始めてから非常に調子が良く、シティS2から大会通算21-4です。正直、出来過ぎた結果に見えますが、ひとまずはある程度成長できたのだなと考えることにしました。ロストについてはある程度理解が進んでいると思います。ちなみにですが、2024京都チャンピオンズリーグでミワハルキ選手のロストカイオーガが優勝してからは、レギュレーション更新まで同リストを使用していました。本当に素晴らしいデッキです。
また、主催している練習会から僕を含め3名が今シーズンのシティリーグにロストバレットを使用するということで、3人を中心に調整を重ねてきました。
・チサラシさん(@chisarashi149)
・ばるさん(@baru_ptcg)
両名ともシティリーグでbest4を記録し、高いアベレージで結果を残せました。(勿論、他の皆にも長い時間、練習相手になっていただきました。改めてこの場で感謝を)
余談ですが、自分はロスト系統のデッキをはじめてまともに使ったのは、2023年のオフシーズン(7月以降)です。案外すぐに使えるようになるので、今までロストを使ってこなかった方もぜひこの機会に触ってみたらいかがでしょうか。
○環境の把握に利用させていただいたサイト様
主に、nangaku様のサイトから環境と、流行っているデッキリストの把握をさせていただきました。いつもお世話になっております。
シティリーグが3/14であったため、主に3/1~13の環境を前提に最終的なデッキリストを決定しています。必要に応じてnangaku様のサイトで検索して当時の使用率を確認しつつ、お読みいただければと思います。
○ロストバレット(LostParadox)について
ロストバレットというデッキタイプは、海外ではLostParadoxとも呼ばれています。執筆時点では一般的に「ロスバレ」と呼ばれており、Paradoxと言うように「トドロクツキex」や「テツノカイナex」といった未来や古代の単体パワーの高いたねexをアタッカーとして採用しており、「キュワワー」、「ウッウ」、「ヤミラミ」といったロストに関連したポケモンと共に構築された、ポケモンの種類自体が豊富なデッキです。また、かがやくポケモン枠として「かがやくゲッコウガ」が採用されていることが一般的です。このかがやくポケモン枠に対して「かがやくリザードン」が採用されたデッキは「赤ロスト」と呼ばれ、別のデッキタイプとして扱われています。
この項では、ロストバレットというデッキタイプの特徴を理解して、現在の環境における求められている構築の要点を把握することを目的とします。
■たねポケモンによる安定性と耐久力の低さ
まず、採用候補のポケモンはたねポケモンのみとなっていることが特徴的です。たねポケモンのみであるメリットは明確にあり、「進化する必要のない安定性」です。ただし、そのデメリットとして耐久性の低さが目立ちます。まず、一般的な採用候補のポケモンを一覧にしてみます。
相手のポケモンのワザを耐えることがあまりにも難しい耐久ラインです。例えば環境の中心である「リザードンex」デッキ対面では、サイドを2枚進めた時点で"バーニングダーク"のダメージライン240により全てのポケモンがきぜつさせられてしまいます。たねポケモンのみで構築されているこのデッキは基本的にスタートが出遅れた場合、環境デッキにおけるアタッカーのダメージラインを耐えられないことが多く、ダメージを受けたポケモンを逃がすことでターンを稼ぐというプレイが難しいです。
「ツツジ」+「カウンターキャッチャー」等によりベンチの逃げにくいポケモンをバトル場にロックして、"ロストマイン"や"げっこうしゅりけん"を使ってサイド差を詰めることも可能な場合はあります。しかし、ロスバレというデッキタイプがメタられる側であるTier上位に位置している以上、多くのデッキには「マナフィ」や「ジラーチ」が採用されているため、「ツツジ」ロックからの捲りプランがそもそも成り立たない対面も多い点には注意が必要です。その上で、「マナフィ」や「ジラーチ」が相手の場にいない場合でも、結局のところ「ツツジ」から解決札(逃げエネや入れ替え札)を引かれたらそのまま負けてしまうことが多い為、どうしても分の悪い賭けです。※補足 念のため記載しますが、意図的に「ツツジ」からの復帰がし辛い盤面にして捲っていくプレイングは、そもそも遅れているわけではなく、そういったプランで進めているだけなので話が別です
勿論、耐えることができる耐久ラインのアタッカーがメインのデッキタイプも存在し、「アルセウスVSTAR」系統や【テツノカイナex】が挙げられます。ただし、後述しますがそもそも上記のデッキタイプは不利寄りの対面であり、序盤の遅れが致命的になりがちです。
また、耐久ライン以外にもロスト系統の特徴として、ロストゾーンの枚数に依存したプレイになるという点があります。ロストゾーンの枚数が"4"、"7"、"10"を節目として出来ることが増え、強力なワザを使うことができます。逆に言えば、ロストが"4"以上存在しない場合、このデッキはほぼ何もすることができません。序盤に全くロストが溜まらないことはそのまま負けに直結する手札事故となります。
以上のことから、ロスバレというデッキタイプには出遅れることのない序盤の安定性が大事であることが分かります。
■中盤以降に息切れしないことの重要性
ロスト系統によるデッキタイプは、「キュワワー」の"はなえらび"や、強力なサポート「アクロマの実験」、「かがやくゲッコウガ」の"かくしふだ"により手札を多く抱えることができます。それにより1ターンにおける選択肢を増やすことによって、相手のデッキタイプとその場面に応じた最善の一手を出し続けることで、負け筋を減らし勝ち筋を辿り続けることが強いデッキです。しかし、これは逆に考えると手札が少ない状況では何もすることができないということとほぼ同義です。前項で述べたように、アタッカーのポケモンは相手のワザのダメージを耐えられることは少なく、アタッカーに使ってから生還してターンが返ってくることは稀で、常に新しいアタッカーを供給することが求められます。
上記を踏まえると、ロスバレというデッキタイプは手札干渉に弱いという点が分かります。中盤以降に「ツツジ」から「ナンジャモ」を毎ターン利用してくる【ピジョットex/リザードンex】や、こちらのハンドが強くなってきたタイミングで適切に「ナンジャモ」を使われ、節目では「ツツジ」を利用してくる【ロストギラティナ】のデッキが環境の中心に存在する以上、ハンド干渉に対して中盤以降にしっかりとサポートを引き、新しくバトル場にアタッカーを供給することができる中盤以降に安定して戦い続けられる工夫が必要です。
■環境デッキに対する明確な勝ちプランの確立
ロスバレに採用されるアタッカーは、1枚1枚が非常に強力なワザを持ちますが、その反面、癖のある側面を持ち合わせています。例えばメインアタッカーである「トドロクツキex」は、上ワザ"くるいえぐる"という相手のバトル場を強制的にきぜつさせることのできる強力なワザですが、デメリットとして200ダメージを自傷します。下ワザの"カラミティストーム"も220ダメージを与えることができますが、その代わりにスタジアムのトラッシュが必要で、スタジアムが場にでていない際は使い物にならない場合がほとんどです。他にもロスト系統の顔とも言える「ヤミラミ」のワザ"ロストマイン"は、1エネでダメカンを12個好きに置けるという、非ex/Vのたねポケモンでは破格の性能を持っています。しかし、ロストゾーンにカードが10枚以上存在しなければそもそもワザを使うことができないため、適切にデッキが回っていることを前提として初めて使えるワザといえます。デッキのエネルギー加速手段である「ミラージュケート」についても、ロストゾーンにカードが7枚必要です。それぞれが強力な一面を持つ一方で、前項までに述べた耐久力の低さに加えて、気を付けなければならない癖があります。
デッキパワーを存分に発揮するためには、ゲームを進行しながらロストゾーンにカードを捨てていく作業が必要です。各対面とその場面に応じて必要なカードとその枚数を明確に認識し、適切にロストしていくことが必要です。特に"はなえらび"を利用する際には2枚引いた中から1枚が必ずロストに捨てられ、使うことができなくなります。この点について適切に理解し、ロストすることのできるカードとできないカードを認識していなければ、その場面ごとに都度悩む時間が発生し時間が足りなくなることは明らかで、さらに言えばロストを間違えれば負けに直結します。ロスバレというデッキが難しいと呼ばれる理由の一端は、間違いなくこの点が担っていると言えるでしょう。
上記のことから、計画性(勝ちプラン)を持ってゲームを進行しなくては、そのデメリットから勝ち切ることが難しくなってしまう側面があります。例え相手を強制きぜつすることができたり、非ex/Vの小物を簡単に倒すことができても、サイドを6枚取る前にリソースを切らしたら負けです。環境デッキに対する明確な勝ちプランを持つことは、最低限必要であると言えます。
■ロスバレというデッキタイプについてのまとめ
ここまでの内容から、以下の点がデッキ構築の時点で必要であるという点が分かりました。
序盤に大きく遅れない立ち上がりの安定性
中盤以降に安定してサポートを使い手札補充ができる工夫
各環境デッキ対面における勝ちプランの確立
これらを踏まえて、優勝したデッキリストを改めて掲載した上で、構築について次の項から解説します。また、全てのカードの採用理由について触れているとキリが無くなるためしませんので、その点、ご了承ください。
○デッキ構築と使い方
まず、土台としての必須枠と考えているカード群を掲載します。
必須枠としているカードから現在のリストに対して減っているカードもありますが、後程解説します。
ロスバレは、以下の特徴から上記のような確定枠を持っています。
・メインシステムが「キュワワー」と「アクロマの実験」によるドローとロストを増やす行為である点
・それを支えるために多くの入れ替え札とボール札を必要とする点
・1枚採用のポケモンが複数存在することによって必要となる「ヒスイのヘビーボール」
・4色のアタッカーそれぞれのワザに必要なエネルギー枚数+1のエネルギー枚数
・エネルギー加速の必須札である「ミラージュゲート」と、リソース回収札である「すごいつりざお」
上記を土台として、前述した要点を満たした60枚を構築します。以下に再掲。尚、根本的なデッキの構築思想として、ピンポイントメタカードは極力採用せず、幅広く対応できるカードで安定性を担保することが重要であると考えています。
■ボールの枚数
上記の必須枠としては「なかよしポフィン」3枚、「ネストボール」4枚、「ヒスイのヘビーボール」1枚、「ボウルタウン」2枚の合計10枚としています。
ロスバレというデッキタイプは、1ターン目に「キュワワー」を複数展開した上で、特性の"はなえらび"を適切に利用していく必要があります。つまり、「キュワワー」自体でスタートしている場合を除き、ドローソースを利用することなくボール類を持っていることが重要です。また、HPの低い非ex/Vのポケモンを主軸としたデッキタイプであるため、初ターンにポケモンを追加で盤面に置けないことは、そのままたね切れ負けになる重大なリスクを意味します。上記に加えて、ゲーム中、アタッカーを常にバトル場に供給し続けなくてはならないデッキタイプの性質上、ボール札は多ければ多いほどデッキが安定します。
上記を踏まえ、それぞれのボールの採用枚数について考えるため、最終的なリストのポケモンに対応したボールの表を作成しました。
まず、「ネストボール」については、デッキの全てのポケモンにアクセスできる最強のボール札であるため、文句無しの最大枚数採用です。「ヒスイのヘビーボール」に関しても、1枚採用のアタッカーが複数存在し、アタッカーのサイド落ちが各対面への勝ちプランに大きく影響する為、必須です。
「なかよしポフィン」と「ボウルタウン」の枚数について考えます。
これまでに記載した通り、「キュワワー」を複数展開するためには、「なかよしポフィン」がほぼ必須です。勿論、「ネストボール」でも「キュワワー」を持ってくることは可能ですが、上記の表を見ればわかる通りそれぞれのボールに対して役割が存在します。「ネストボール」は最終盤まで強く使える札であり温存したく、可能な限り「なかよしポフィン」で「キュワワー」を展開する必要があるため、まずは4枚採用するところから考えました。ただし、実際には「なかよしポフィン」は基本として、「キュワワー」を場に展開すること以外に活用される場面はありません。「キュワワー」は場に2枚置けていればゲームの進行ができることと、序盤の安定感があればすべてのゲームで勝てるわけではないため、3枚に減らすことができる理由を考えます。
結果として、「なかよしポフィン」は4枚から3枚に減らす形になりました。結論から告げると、以下の4つの理由からです。
「ボウルタウン」が優秀である
「キュワワー」でスタートできる確率が48%ある
先手であれば、「キュワワー」による"はなえらび"が最低1回できれば、次のターンに「アクロマの実験」と合わせて、ロストゾーン4枚を達成できる
「なかよしポフィン」が2枚手札に来てしまった場合に、2枚目が使いにくいカードになってしまう
それぞれについて掘り下げて解説します。
1. 「ボウルタウン」が優秀である
現環境は「ボウルタウン」が張られたままになることが多い状態であると言えます。特徴的なスタジアムとしては、トップシェアである「リザードンex」デッキには「崩れたスタジアム」が1枚採用されていることが挙げられますが、そもそも「リザードンex」目線では「崩れたスタジアム」は序盤に張りたくないスタジアムです。「パオジアンex」デッキには「ポケストップ」が多投されがちなため張り替えられてしまう場合が多いですが、「ポケストップ」自体でボールを探しに行くことができるため許容できます。
「ボウルタウン」は仮に先攻1ターン目にプレイした場合、2ターン連続で使える可能性が高く、1枚で最低限の場を作ることが期待できます。このデッキには「ボウルタウン」を2枚採用していることから、「なかよしポフィン」の4枚目以降の存在としても価値を発揮することができます。
2. 「キュワワー」でスタートできる確率が48%ある
3. 先手であれば、「キュワワー」による"はなえらび"が最低1回できれば、次のターンに「アクロマの実験」と合わせて、ロストゾーン4枚を達成できる点
上記、2点について掘り下げます。
「なかよしポフィン」の採用理由は「キュワワー」を場に出すためです。そもそも「キュワワー」でスタートすることができれば、その価値を落とすことができます。先攻で「キュワワー」によるスタートをした場合、追加の「キュワワー」を置くことができない場合でも、"はなえらび"を2回と「アクロマの実験」によって、2ターン目にロストゾーンを4枚まで貯めることが可能であり、「なかよしポフィン」を引けなかった場合をある程度許容することができます。
たねポケモンが12枚のデッキでは、「メタモン」を採用しない場合、「キュワワー」によるスタートの確率は約48%存在します。体感として1/2の確率で「キュワワー」スタートできます。「キュワワー」でスタートできるメリットは絶大です。
先攻であれば「キュワワー」でスタートできるか、「なかよしポフィン」か「ボウルタウン」を持っていれば良く問題なくゲームをすることができそうです。後攻であれば「アクロマの実験」からボール札とポケモン自体を探しに行けることも多く、そちらについても許容できます。
4. 「なかよしポフィン」が2枚手札に来てしまった場合に、2枚目が使いにくいカードになってしまう点
さらに言えば、「キュワワー」自体を2枚以上引いた場合にもその価値が下がります。「なかよしポフィン」からは「キュワワー」か「マナフィ」しか場に出すことができないことに加えて、「キュワワー」の特性はバトル場でしか使うことができません。「なかよしポフィン」を多数手札に引いてしまうことは、あまり意味のない行為です。
上記の点から「なかよしポフィン」というカードは、序盤に1枚引きたい反面、2枚以上はあまり引きたくないカードです。1~3のメリットを以て、枚数を1枚減らすことを許容することとしました。
「ボウルタウン」の枚数について考えたいと思います。
前述したように「ボウルタウン」は非常に強力なスタジアムで、序盤から終盤まで強く使うことができます。最終的なリストには「ウッウ」、「ヤミラミ」、「マナフィ」、「テツノツツミ」がそれぞれ1枚ずつ採用されています。「マナフィ」を除き、「ネストボール」か「ボウルタウン」のどちらかが必要で、倒されたターンに即「すごいつりざお」から場に戻すことが求められる展開も少なくありません。場に「ボウルタウン」が維持され続けるだけで要求札を1枚減らすことができる機会が多いため、これは中盤以降の安定性に大きく貢献します。
中盤の話からしてしまいましたが、「なかよしポフィン」の項でも記載したように序盤にも非常に強いカードです。ロスバレには「ネストボール」からしか場に出すことのできない、ルール持ちのポケモンが採用されています。「かがやくゲッコウガ」は序盤から場に出すことで終始安定性に貢献するだけでなく、"げっこうしゅりけん"の存在で相手にマナフィの展開を強いることができます。各種ex/Vのアタッカーは、必要な場面でのみ場に出して、そのカードパワーを発揮する必要があります。そのためには「ネストボール」を常に手札に抱えておく必要があり、相手のハンド干渉からも引き込める枚数を山に残しておくことがベストです。以上の点から、序盤に必要な「ウッウ」や「テツノツツミ」を場に出すためには「ボウルタウン」が最適であることがわかりました。
ただし、スタジアムは原則、1ターンに1度しか使うことができません。すでに「ボウルタウン」が場にある状況で手札に「ボウルタウン」を引くことは、無駄な1枚を引いていることと同義です。「トドロクツキex」が下ワザ"カラミティストーム"で220ダメージを出すためにもスタジアムを複数枚数採用する必要がある点を踏まえたとして、同名のスタジアムを3枚以上は過剰な採用であると言えます。スタジアムを1枚追加するのであれば、別のスタジアムにしたほうがデッキパワーを底上げすることができます。よって、「ボウルタウン」は2枚で十分であると判断しました。
「ボウルタウン」の枚数は2枚に落ち着きました。「なかよしのポフィン」3枚、「ネストボール」4枚、「ヒスイのヘビーボール」1枚、「ボウルタウン」2枚、合計して10枚です。10枚のボール札を初手の7+1枚に引いている確率は約77.5%です。実際には「キュワワー」や「かがやくゲッコウガ」でスタートしている、後攻で「アクロマの実験」が引けており追加で複数枚引ける場面を考えると、許容できる確率だと考えています。実際、優勝しているロスバレのリストを確認すると、上記の割合に落ち着いていることがほとんどだと思います。実際にここまで掘り下げることはしなくとも、体感としてこれが丁度良い枚数であると実感している人も多いのではないでしょうか。
■アタッカーの採用
ロスバレは環境を見て有効的なアタッカーを採用する必要がありますが、基本的には「ウッウ」、「ヤミラミ」、「トドロクツキex」、「テツノカイナex」は固定枠と考えています。これらのポケモンは相手の弱点に関わらず仕事をすることが可能な単体パワーを持っており、基本的に採用しない理由がありません。もしこれらのポケモンを採用しない場合、根本的にデッキの思想が変わるため、本noteでは検討しないものとします。また、本章では、確定1枚採用である「トドロクツキex」と「テツノカイナex」については検討する余地が無いため記載しません。「ウッウ」と「ヤミラミ」については採用枚数について検討する余地が存在するため記載します。上記以外のポケモンex/Vについても、本章で考察します。
アタッカーの採用は環境デッキの各対面を想定しつつ考察する必要があります。環境デッキを以下のように大別し、各考察で必要に応じて基準とします。
ポケモンex/Vをメインアタッカーとして、非ex/Vをシステムとする(または盤面に存在する)デッキ
非ex/Vのポケモンをメインアタッカーとして、基本的にポケモンex/Vが 場に出てこないデッキ
ポケモンex/Vに関わらず様々なアタッカーが戦ってくるデッキ
ポケモンex/Vのみをメインアタッカーとして、プレイング次第では非ex/Vを出さないことのできるデッキ
コントロール、LO系統のデッキ
◆ウッウの採用枚数
ウッウはほぼ全ての対面で序盤から必ず1回以上使うポケモンです。環境に存在するほぼ全ての対面で序盤に使う以上、枚数は2枚の採用を基準とします。ただし、序盤に1回はほぼ必ず使う反面、中盤以降には使わないか、「すごいつりざお」+「ボウルタウン」の組み合わせにより、復帰が比較的容易です。
つまり、サイド落ちを許容することができれば、デッキから1枠空けることが可能です。では、ウッウの役割を改めてここで掘り下げることとします。ウッウ(アタッカー)の役割を掘り下げるためには、まずロスバレというデッキがどのように相手からサイドを6枚獲得するかを認識する必要があります。
ウッウを「序盤から使いたい」対面は本項の冒頭に記載したデッキタイプのうち、主に1~3になります。
そのうち、まずは1のデッキタイプ <ポケモンex/Vをメインアタッカーとして、非ex/Vをシステムとする(または盤面に存在する)デッキ> について凡その戦い方を考えてみようと思います。具体例を挙げると「リザードンex」や「サーフゴーex」をメインとしたデッキでしょうか。ロスバレのアタッカーを適切に動かすことができればサイドを1⇒2⇒1⇒2や、1⇒1⇒2⇒2、2⇒1⇒1⇒2といったプランで最短4ターンで取りきることができます。より具体的にこの流れを解説すると、以下のようになります。
ポケモンex/Vと非ex/Vが場に共存するデッキタイプに対しては、一貫してこの流れで勝ち切ることが可能なデッキです。このデッキタイプに対するロスバレの強みは、自分は最短4ターンで勝ち切れることに対して、相手が殴り始めてから最低5ターンを必要とさせることができる点です。自分の場は必要な時にのみポケモンex/Vを場に出すことによって、サイドの進行を1⇒2⇒1⇒1⇒2、または1⇒1⇒1⇒1⇒1⇒2と押し付けることが可能です。これはロスバレというデッキタイプが環境の多くのデッキに対して五分以上を取れている大きな理由で、根本的にサイドレースの優位性を持っている対面が多いです。
少々話が逸れましたが、この対面とプランにおいては、走り出しのアタッカーに「ウッウ」が必要なことが分かりました。では、「ウッウ」がサイドに落ちている場合の戦い方を想定してみましょう。
まず、「ウッウ」がサイド落ちしている時点で、本来であれば後攻1ターン目や先攻2ターン目においてサイドを1枚取ることができたはずが、取れない展開となることを前提とします。
この場合、一見してサイド進行が2⇒1⇒1⇒2となっているため、「ウッウ」がいない場合と同様で勝つために4ターンとなっているように見えますが、実際にはワザを使えるのが1ターン遅れており相手にサイドを1枚先行されているため、1ターン猶予が無くなっています。そもそもの認識として、「ウッウ」がサイド落ちしていない場合でも、実際には相手の「ナンジャモ」や「ツツジ」によるハンド干渉に遭うため、攻撃開始から4ターンで勝ち切ることは難しいです。相手とのサイドレースを考えると、最速・低コストでまずサイドを1枚取ることのできる「ウッウ」の存在有無は大きな差を生むことが分かりました。
では、上記を踏まえて「ウッウ」がサイド落ちすることを許容できるかどうかを考えます。現環境のトップシェアである「リザードンex」デッキの「ピジョットex」採用型を仮想敵として、考察を深めていきます。ただし、各対面のプレイング解説については本noteの別章で行うものとしているため、ある程度簡単な内容にします。
【ピジョットex/リザードンex】デッキは、序盤は「ロトムV」による即席充電で手札を多く抱えることで「ピジョットex」を場に用意し、"マッハサーチ"による確定サーチを毎ターン行うことで、「リザードンex」を安定して用意することを可能としています。また、「リザードンex」の耐久力の高さを活かして相手のワザを耐えることでアタッカー供給の要求を下げ、"マッハサーチ"から「ツツジ」や「ナンジャモ」、「カウンターキャッチャー」といったパワーカードを的確にプレイしてきます。
最初のターンから場には進化前である「ヒトカゲ」や「ポッポ」が存在することとなり、ロスバレの「ウッウ」で倒せるポケモンが存在することから、最速でサイドを1枚進めやすい対面となっています。その反面、確定サーチによる「ツツジ」、「ナンジャモ」連打によって、中盤以降からこちらの動きに強く干渉してくることで、円滑なサイド進行を妨害してくるデッキの代表格です。さらに言えば、「リザードンex」に「ミストエネルギー」が付くことで、「トドロクツキex」の上ワザ"くるいえぐる"の強制気絶をケアしてきます。
「ウッウ」がサイドに落ちることで1ターン遅くなることのデメリットは大きく、とてもじゃないですが手放しに許容することはできません。そのためには、「ウッウ」が居ない場合の2⇒1⇒1⇒2進行をより確実に進めることが可能な構築が必要です。
結論としては、「ライコウV」、「カウンターキャッチャー」の2枚目の採用が「ウッウ」の2枚目より価値があると考え、採用を減らすことにしました。【リザードンex/ピジョットex】デッキは、「ピジョットex」によるマッハサーチにある程度動きを依存しています。相手の「ピジョットex」を先にきぜつさせることができれば、「ツツジ」、「ナンジャモ」、「ミストエネルギー」等を簡単に用意することが難しくなるため、中盤以降に遅れない動きを実現しやすくなります。
かつた杯(2/23)時点のリストでは「ライコウV」を採用していませんでした。しかし、ロスバレの環境シェア率が向上しメタられる側となった結果、「ミストエネルギー」を「リザードンex」に貼った上で「ナンジャモ」を連打するプレイングを、【リザードンex/ピジョットex】デッキが身に付けてくるようになりました。事実、かつた杯の頃までは各所で「リザードンex」デッキの対面をしても勝率が9割を超えていましたが、3月に入ったあたりから練度を上げてきた強者との戦いでは、明確に勝率を落とす結果となりました。
「ライコウV」は雷+無色の2エネで「ピジョットex」をきぜつすることができるため、相手の「ツツジ」や「ナンジャモ」を手札に用意する要求を一気に上げることができ、勝率の向上に貢献します。また、「リザードンex」に「ミストエネルギー」が付いている場合、最終ターンに「テツノカイナex」の下ワザ"ごっつあんプリファイ"によって勝ち切る必要がある展開も多いです。そういった場合にベンチのポケモンを呼べる札の数は多い方が都合が良く「カウンターキャッチャー」を増やしていることに加えて、「ミラージュゲート」の枚数を温存しやすい「ライコウV」はシナジーがあります。「ライコウV」は現環境の【リザードンex/ピジョットex】デッキのシェア率を踏まえても、「ウッウ」の2枚目以上に価値があるカードと結論付けました。
次に、2のデッキタイプ <非ex/Vのポケモンをメインアタッカーとして、基本的にポケモンex/Vが場に出てこないデッキ> ですが、現在、そもそも環境にほぼいません。少し前までは、体力が高い非ex/Vの古代ポケモンを使った【古代バレット】が人気でしたが、プレイングの難しさと安定面の低さでシェア率を落とし、3/1~シティ前日である3/13までで1%を切っていますので、構築への影響は考えないものとします。
環境外の非ex/Vデッキについても、基本的には「テツノカイナex」や「ヤミラミ」で強く戦える為、1ターン目の遅れが大きな影響を持つことは考えづらく、「ウッウ」の採用を減らすことは問題無いと考えました。
最後に、3のデッキタイプ <ポケモンex/Vに関わらず様々なアタッカーが戦ってくるデッキ>ですが、これはロストミラーである【ロストバレット】対面や、【ロストギラティナ】対面が代表格です。これらの対面では「ウッウ」が序盤のアタッカーとなるため、サイド落ちはある程度影響を受けます。
【ロストバレット】と【ロストギラティナ】では中盤以降の戦い方がことなりますので、細かい部分は各対面の戦い方で記載しますが、少なくともどちらもハンド干渉を行ってくるという点で共通しています。
序盤の遅れを中盤以降に取り戻す為には、こちらの「ツツジ」で相手のペースを落としつつも、相手の「ナンジャモ」、「ツツジ」で止まらないことが大事です。基本的には「テツノカイナex」の下ワザ"ごっつあんプリファイ"を自分のサイドが4、相手のサイドが3以上のタイミングで使って「ツツジ」圏内に踏み込み、止まらなければ序盤の遅れを比較的取り戻せます。そのため、「ともだちてちょう」の採用を決めました。
上級者の【ロストギラティナ】ほど、こちらのサイドが4になったタイミングで確実に「ナンジャモ」を使ってきます。今は「森の封印石」が【ロストギラティナ】側に採用されているため、サイド4のタイミングにおける「ナンジャモ」の再現性はほぼ100%である認識を持って対面する必要があります。「ともだちてちょう」を適切に使うことで、仮に「ウッウ」が不在だった場合の遅れを取り戻せるようにした上で、デッキに求められる 中盤以降に安定してサポートを使い手札補充ができる工夫 にも貢献しています。
中盤から止まらずに追い上げることのできる工夫を取り入れることで、「ウッウ」のいない序盤の遅れをカバーすることとしました。
これまでの考察から、「ウッウ」の採用枚数を1枚に落としても、他の部分でカバーできる構築・プレイングをすることで、サイド落ちを許容することが可能であることが分かりました。
◆「ヤミラミ」の採用枚数
「ヤミラミ」は採用枚数1~2枚が一般的です。今回の最終的なデッキリストでは1枚としています。2枚採用することのメリットを考察します。
まず、2枚採用することのメリットの一つ目はサイド落ちのケアです。サイド落ちすることのデメリットを考えていきます。
「ヤミラミ」はロストゾーンにカードが10枚以上ある場合に限り、ワザ"ロストマイン"によって超エネルギー1枚という低コストでダメカンを12個、相手の場のポケモンに好きに置くことができます。ロストゾーンにカードが10枚ある状態とは、具体的には何ターン目であるかを考えます。
現実的なラインでロストゾーンが10枚という状態は、3ターン目以降ということになります。さらに言えば、ロストゾーンにカードが溜まっている≒山札をある程度掘ることができている、と言えます。つまり、「ヒスイのヘビーボール」を引けている確率も高く、サイド落ちのケアとして「ヤミラミ」の2枚目を採用するメリットはあまり感じられません。
2枚目を採用することの二つ目のメリットとして、ワザ"ロストマイン"の連続使用を容易にすることができるという点です。「ヤミラミ」が1枚採用の場合、基本的にはワザを使った後に倒されるため、"ロストマイン"を2ターン連続で使用するには「すごいつりざお」が必須になります。
では、そもそも"ロストマイン"を2ターン以上連続で使いたいシーンはどの対面でどれくらい発生するかを考えます。
"ロストマイン"を連続使用したいケースというのは、以下のような状況が考えられます。
上記のうち、①のケース<サイド複数枚まとめ取りをすることで、「ツツジ」や「ナンジャモ」の影響を最小限にする>が必要な対面は、当たり前ですが積極的に「ツツジ」や「ナンジャモ」を使ってくるデッキが該当します。具体的には【ロストギラティナ】や【ロストバレット】のようなロストミラーです。「リザードンex」系統のデッキもハンド干渉を行なってくるため同様のことが言えますが、現状、それらのデッキには「ジラーチ」が標準採用となっているため除外します。
まず、【ロストギラティナ】対面から考えます。
【ロストギラティナ】との戦い方を簡単に記載すると2通りです。
「ヤミラミ」の採用枚数に関わるのは前者です。このプランを通す際には、"ロストマイン"を複数回通していくことが必要です。「ヤミラミ」の採用枚数が1枚で"ロストマイン"を連続使用するためには、「すごい釣り竿」から「ボウルタウン」を経由することが最も効率的であるため、「ボウルタウン」が場に存在するかどうかが大きいです。ロスバレ側の構築には「ボウルタウン」が2枚採用されているため、「ヤミラミ」を動かす頃には問題なくプレイできていることが想定できます。
【ロストギラティナ】側の構築を見る限りスタジアムはこちらと同じ「ボウルタウン」の採用が多く、簡単に張り替えられることは少ないと考えました。稀に考えられるケースとしても「シンオウ神殿」や「ロストスイーパー」により剝がされてしまいますが、ロスバレ側には「ボウルタウン」が2枚採用されているため、プレイングである程度ケアすることができます。また、「ロストスイーパー」はこちらの「緊急ボード」を剥がすのに使われることがほとんどであるため、あまり考慮する必要も無さそうです。
よって、【ロストギラティナ】対面では、「ヤミラミ」を1枚にしても大きな問題は無いと考えられます。
次に、【ロストバレット】対面(ミラー)を考えます。
結論から言うと、「ヤミラミ」を1枚にしたところで大きな問題はありません。この対面では「テツノカイナex」による"ごっつあんプリファイ"を強く使えた側が勝つためで、"ロストマイン"の連続使用が強く動くケースがそもそも少ないです。相手の「テツノカイナex」が動き始めた時点で、「ヤミラミ」を復帰させて"ロストマイン"を使ってダメカンをばら撒いているターンの余裕がなくなります。
以上のことから、①のケース<①サイド複数枚まとめ取りをすることで、「ツツジ」や「ナンジャモ」の影響を最小限にする>において、「ヤミラミ」の採用を1枚とすることは大きな影響は無いと判断しました。
②のケース<②相手のアタッカーを同時に気絶させながら、「ツツジ」をプレイして、相手の次のターンの要求を上げる>についてですが、こちらについてもあまり懸念する必要がありません。このプレイングが必要になる仮想敵は主に【古代バレット】が代表されますが、別の項でも記載している通り現環境にほぼいません。仮にいたとしても全くハンド干渉を使ってこない対面であることも踏まえると、「すごいつりざお」からの復帰も容易です。
最後に、③のケース<③相手の進化前のたねポケモンを連続で気絶させることで、アタッカーの育成を阻害する>についてです。そのプレイができている状態では、そもそも「ヤミラミ」が気絶しないか、相手が大きく遅れているため一方的なゲームになりがちです。こちらについてもあまり懸念が無いため、検討する必要がありません。
"ロストマイン"を連続使用したい場合において、「ヤミラミ」を1枚にすることは大きな問題にならないことが分かりました。
「ヤミラミ」の2枚目を採用する最後のメリットは、「キュワワー」の特性"はなえらび"がより安全になることです。「ヤミラミ」は"ロストマイン"自体が強力に働かない対面であったとしても、中盤以降に1エネで120ダメージを出すことができる優秀なアタッカーで、基本的にロストしたくはありません。
しかし、枠の都合と今までに考察してきた2枚目は不要な判断で、採用としています。仮にロストしてしまった場合でも「ウッウ」を2回動かすなどで対応することが可能な場合も多いことと、必要に応じて序盤から余った「ボウルタウン」を使うことで山札から抜いておくなどでカバーする方針としました。実際、長い期間「ヤミラミ」を1枚で調整を続けてきましたが困るようなことはほぼ起きていません。
◆「ライコウV」の採用
「ウッウ」の項でも記載しましたが、主に【リザードンex/ピジョットex】に対して強く出れるポケモンとして採用しました。2エネでワザが使える上、特性"しゅんそく"も強力ですが、基本的には採用したくないポケモンと考えています。
なぜ採用したくないと考えているのかを記載します。
「ライコウV」は、「トドロクツキex」や「テツノカイナex」と違って、幅広く環境を見れるポケモンではありません。HP200というあまりにも低い耐久力は、例えば「リザードンex」であれば「こだわりベルト」を付けるだけでサイドを先行せずとも倒されてしまい、「ダブルターボエネルギー」を付けていない「アルセウスVSTAR」からも倒され、弱点で有利対面のはずのルギアVSTARにも「ダブルターボエネルギー」込みで倒されます。スタートしない限りは使いたい対面・場面だけで場に出せば良いですが、スタートしたら相手にサイド2を献上する存在になりがちです。「トドロクツキex」と「テツノカイナex」はHPが230あることと、比較的どの対面でも強くワザが使える点から、仮にスタートしてしまっても倒される前に使うことで後れを取り戻せます。それに対して「ライコウV」はスタートしてしまった時のデメリットが大きいです。
また、弱点対面以外ではアタッカーとしての利用も難しいです。ロスバレというデッキタイプは必要に応じてex/Vを場に出しますが、ex/Vを場に出した以上はサイドを2枚以上獲得する働きをしなければ、サイドレースで負けてしまいます。「ライコウV」の最大打点は220であり相手に依存する部分もあるため、弱点対面以外では基本的に使うことができません。
しかし、そういったデメリットを踏まえても、「ウッウ」の項で考察したように【リザードンex/ピジョットex】対面における採用の大きなメリットのほうが勝ると判断して採用しています。また、明確に使いたい対面自体は少ないですが、想定していない場面でも2エネで殴れるアタッカーとして利用できることは多々あるため、そういったメリットも加味しています。
雷ワザのためのエネルギー要求が下がっていると、「基本雷エネルギー」の採用枚数を減らすことができるのも大きなメリットです。「ライコウV」を採用することで、雷弱点のex/Vに対して「テツノカイナex」の"アームプレス"の使用を想定したシーンの要求が下がっています。
■不採用としたアタッカーについて
他に採用されることのあるポケモンex/Vとして、「ミュウex」と「フーパex」があります。これらについても、採用価値を考察します。
◆「ミュウex」の採用価値について
結果として採用しませんでしたが、現環境においては非常に評価の高いポケモンexです。使えるシーンをまず考えてみます。
他にも細かい面で使えるシーンは多々あると思いますが、代表的なところでは上記になる認識です。そのメリットについて掘り下げていきたいと思います。
最終盤にネストボールや現物をドローソースに変換することが可能です。山の薄くなっている終盤における追加の1~2枚のドローは、「ツツジ」や「アクロマの実験」に触れる確率を大幅に向上し、そのまま勝ち切ることができる可能性のある大きなドロー要因です。
【リザードンex/ピジョットex】のシェアがトップである以上、このメリットが最も大きいと言えます。また、採用率は少ないですが【リザードンex/ビーダル】にも「ミストエネルギー」が採用されている場合がある以上、「ゲノムハック」で「ミストエネルギー」付きの「リザードンex」を正面から倒すことのできる「ミュウex」は、採用価値があります。
具体的には、中盤に相手の「ピジョットex」を倒すことはできたが、「ミストエネルギー」付きの「リザードンex」が越えられずに負ける展開を打開できます。仮に中盤、「ミストエネルギー」が付く前に「リザードンex」を倒すことができていた場合も、いずれにせよ2体目に「ミストエネルギー」が付いて立ちはだかることになるため有効利用が可能です。
ただし、このプランを通そうとする場合、そもそも相手が「リザードンex」をベンチに下げて、「かがやくリザードン」でサイド2⇒1と進めてきた場合に「カウンターキャッチャー」か「プライムキャッチャー」が必要になり、相手の場に「ピジョットex」が存在していれば「ライコウV」でも事足ります。また、最悪の場合、「崩れたスタジアム」や「フトゥー博士のシナリオ」によって、ベンチに進化しやすい「リザード」を残した上でexを場から消されてしまう可能性も0ではありません。勿論、その場面で「ツツジ」を使いつつ「かがやくリザードン」を倒すことによって、相手の次のターンに何もできないことを期待することは可能ですが、相手のトップに委ねるプランは可能な限り排除したいと考え、この理由による採用は見送りとしました。
ロスバレは【イダイナキバLO】に対して不利です。「ミュウex」を採用することで、"ゲノムハック"により、「イダイナキバ」の下ワザ"きょだいなキバ"をコピーすることで多くの勝ちを拾えるようになるため、有利不利が逆転します。
かつた杯参加時のリストに「ミュウex」を採用しているのは【イダイナキバLO】を見てのことでしたが、シティリーグ参加日である3/14の直近1週間では、【イダイナキバLO】の入賞率が3.4%と非常に低いシェア率になっていたため、採用を見送る形となりました。
上記、3つのメリットについて、少なくとも3/14参加のシティリーグに対して採用するほどのメリットが考えられず採用を見送りました。
カードパワー単体の性能が高いことは間違いありませんが、スタートしてしまった場合の実質サイド2献上があまりにもキツく、そのデメリットを覆せるほどのメリットには感じません。シティリーグ参加が終えた今も、不採用で問題無かったと考えている1枚です。
◆「フーパex」の採用価値について
環境に「アルセウスVSTAR」系統のデッキが一定数存在する限り、そのままそれが採用価値の基準となるポケモンexです。逆に考えると、どこまで考察してもほぼ「アルセウスVSTAR」対面に特化したメタカードとなっていくため、他の対面では価値が低くなることから採用判断が難しいポケモンexです。
調整メンバーであるチサラシさんは「フーパex」を採用しており、シティリーグでは活躍していたようです。実際多くの入賞リストにも採用されているように、一定の採用価値があります。
最終的なリストには採用しておりませんでしたが、そうなるに至った思考過程を記載します。
単体の性能をまず確認していきます。
上ワザ"エナジークラッシュ"は、悪エネ2つで使えて、相手の場のエネルギーの数を参照して*50のダメージを与えることができます。下ワザ"バンデットフィスト"は、悪エネ3つで使えて、200ダメージを与えることができます。"バンデットフィスト"は悪エネを3つ要することから「ミラージュゲート」との相性は最悪で採用理由にはならないため、"エナジークラッシュ"のためだけに採用することになります。
では、"エナジークラッシュ"が効果的に使える場面を考えてみます。
現在、上記のいずれのポケモンも環境に一定数存在しており、採用価値がありそうです。ではそれぞれのケースをより掘り下げることで本当に必要かどうかを判断していきます。
これは主に、【パオジアンex/テツノカイナex】、【テツノカイナex】、【ロストバレット】、【ルギアVSTAR】と対面した際に発生します。
この考察で注意すべきは、そもそもこの対面では「フーパex」が無ければ一定の勝率が担保できないのかという点です。勿論、あればより勝てるようになることは間違いありませんが、使わない対面でスタートするリスクと、使わない対面で実質的なデッキの枚数が減っていることを踏まえると、無くても勝てるのであればより汎用的なカードに枠を譲るべきです。
まず、【パオジアンex/テツノカイナex】デッキですが、サイドを「テツノカイナex」により先行された場合、既に2-2交換をしてもサイドレースで負けている状態の為、あまり解決になっていません。サイド先行された場合は別のプランを想定すべきと言えます。逆にこちらが「かがやくゲッコウガ」による"げっこうしゅりけん"でサイドを先行している場合は、ほぼワンサイドゲームになりがちです。この対面では「フーパex」の採用はあまり価値があるとは言えなさそうです。
【テツノカイナex】デッキ対面を検討してみます。
このデッキはカウンターカイナとも呼ばれ、1体だけエネルギー加速要因に「ミライドン」が使われる他は「テツノカイナex」が終始アタッカーで完結しており、シンプルなデッキながらも非常にパワーがあります。ただし、2体目以降の「テツノカイナex」へのエネルギー供給が「ヘビーバトン」にある程度依存している以上、ベンチの他の「テツノカイナex」にエネルギーが付いていない状況であれば、「ロストスイーパー」を使いながら「テツノカイナex」を倒して1ターン作るプレイが強力です。
上記を意識すると「フーパex」を採用することで大きなアドバンテージを得られそうですが、「フーパex」の耐久力の低さが少々問題です。HP220は、「テツノカイナex」の"アームプレス"160ダメージを、「テツノカシラex」の特性"コバルトコマンド"と「未来ブーストエナジー」によって強化することで比較的容易に出すことができます。「テツノカシラex」が2体で良いダメージラインは「フーパex」が簡単に倒されてしまい2-2交換にしかならないことが多く、活躍する場はやや限定的です。
そのため、「トドロクツキex」の"カラミティストーム"で、相手のベンチの「テツノカシラex」を倒しつつHP230を押し付けたほうが強い場面が多く、【テツノカイナex】対面には不要の判断をしました。また、"カラミティストーム"を使いやすくするために、本デッキリストにはスタジアムの3枚目と、「基本悪エネルギー」の4枚目を採用していることも追い風です。
次に【ロストバレット】、ミラーです。
ロスバレには「テツノカイナex」を一撃で返す手段が「トドロクツキex」の"くるいえぐる"しかありませんが、"くるいえぐる"を使うと「ヤミラミ」の"ロストマイン"でサイド複数取りされてしまうため、基本的に使うことができません。そのため、相手の「テツノカイナex」を安全に返せる手段として一定の価値があります。
しかし、実際に使う場面を想定して相手の「テツノカイナex」を「フーパex」で倒すと、次の相手の番に、「ヤミラミ」が1エネだけ付けて"ロストマイン"を使ってきた場合、「フーパex」は20ダメージしか出すことができません。そのため、ベンチにあらかじめ次のアタッカーを用意しておく等、ある程度次のターンの動きをケアしながら動く必要がでてきます。また、そもそも相手が"ごっつあんプリファイ"を通してきている場合、残りサイドが2の場合が多く、返しに「トドロクツキex」を起動されたら負けですのでリスキーです。
勿論、採用していたらゲーム中の選択肢の一つになるため一定のアドバンテージが得られますが、採用の決定打にはなりませんでした。
最後に【ルギアVSTAR】対面ですが、こちらについてはそもそも「ライコウV」と「テツノカイナex」によって有利です。【ルギアVSTAR】対面のために採用する必要はありません。当たり前ですが、もし採用しているなら相手の場に7エネルギーあれば「ルギアVSTAR」を一撃で倒せることは覚えておきましょう。
ここまでで考察した対面では、採用の決定打となるような結果は得られませんでした。次から不利対面である「アルセウスVSTAR」系統のデッキについて考えていきます。ここまで記載しておいてこれを言うのもどうかと思いますが、今までに解説した各対面の採用メリットは「アルセウスVSTAR」対面を見て採用した「フーパex」の副次的な内容に過ぎません。
ロスバレにとって、【アルセウスVSTAR/ギラティナVSTAR】をはじめとした、「アルセウスVSTAR」系統のデッキ群は基本的に不利です。「ジャッジマン」による序盤からのハンド干渉、「ビワ」によるグッズハンデス、全てのアタッカーが高い耐久ラインと、ロスバレにとって嫌な要素があまりにも詰まっています。
「フーパex」を上手く使うことができれば、1体でサイド4枚を稼ぐ強い動きが可能で、この対面を重く考えるのであればまず採用を検討する1枚です。また、「フーパex」の代わりにワザマシン「かじばのいっぱつ」を採用することも検討できますが、そもそもとしてサイドを4枚獲得すること自体が難しいため、明確に「アルセウスVSTAR」系統への勝率を上げたければ「フーパex」の採用が推奨されます。
「フーパex」を採用することで高い確率で「アルセウスVSTAR」の"トリニティノヴァ"や、「アルセウスV」の"トリニティチャージ"の返しに相手のポケモンVを倒すことが可能です。エネルギーの加速がフルに行われれば6エネルギーが場に存在することになり、「ギラティナVSTAR」すら一撃で倒すことが可能で、そのままゲームのテンポを掴むことが可能です。
しかし、そもそもの問題もあり、相手の「ジャッジマン」によって「フーパex」の起動すら難しい場合も多く、不利対面を有利対面にするほどのパワーは無いことには注意が必要です。五分といったところでしょうか。
結果として「フーパex」の採用は見送ることになりました。理由は大きく分けて書くと、『枠の都合』、『不要な対面でのスタートが困る』、『最大の仮想敵である「リザードンex」デッキに使えない』です。
ここまでの考察で分かる通り、「フーパex」がなければ有利不利を明確に動かせるような対面は「アルセウスVSTAR」系統のデッキだけであることが分かっています。
・デッキがしっかりと回って入れば「トドロクツキex」の"カラミティストーム"から使って勝ち切ることが可能なことも多い
・「フーパex」を採用したからといって明確に有利となるわけではない
・「フーパex」は他の対面では利用価値が低い
上記の点から、そもそも"カラミティストーム"を使いやすくするための、「ポケストップ」と「基本悪エネルギー」の4枚目を採用することで、ある程度割り切ることにしました。"カラミティストーム"を使いやすくすることは"くるいえぐる"を使いやすくすることと同義で、比較的どの対面でも価値があります。
また、「アルセウスVSTAR」デッキ側も序盤の要求がやや重いです。1ターン目に「アルセウスV」を置いてエネルギーを手張り、2ターン目には確実に進化しなければその時点で遅れてしまいます。自分自身が「アルセウスVSTAR」系統のデッキを使うと分かりますが、往々にして出遅れることがあるのを体感として知っています。
上記を踏まえて最終的に、「アルセウスVSTAR」対面については予選中、1回当たるまでなら許容、トナメはある程度割り切りと考えていました。「アルセウスVSTAR」系統のなかでも最もデッキパワーの高い【アルセウスVSTAR/ギラティナVSTAR】デッキのシェア率は当時、6%を切っていることもロスバレにとっては追い風だったと言えます。実際、当日は初戦で【アルセウスVSTAR/レジエキVMAX/テツノイサハex】デッキに当たったのみで、以降は当たらず、想定していた通りだったと言えます。
■「テツノツツミ」、「マナフィ」の採用
まずは「テツノツツミ」からその採用価値を考察していきます。
特性"ハイパーブロアー"によって、相手のベンチのポケモンを比較的任意のタイミングでバトル場に釣り出すことができます。
ロスバレは、基本的に相手の非ex/Vのポケモンに対して強く出れるデッキです。簡単、かつ、真っ先に思いつく使い方としては「ウッウ」、「ヤミラミ」で低コストでサイドを進めることが可能な他、ベンチにHP120以下のポケモンしかいなければ、「テツノカイナex」の"ごっつあんプリファイ"からサイドを2枚獲得することが出来ます。
また、ベンチにとりあえず置いておくことで、任意のタイミングで自主退場しながら相手のベンチのポケモンをバトル場に出すことのできる利便性も大きなメリットです。ベンチの枠に余裕がある対面であれば、とりあえず出しておくぐらいの認識で良いので扱いやすいです。スタートしても不要であれば消えることができる点も高評価です。
では、採用のメリットをより明確に認識するため、ここからは比較的、"ハイパーブロアー"の使用率が高い対面からその使用するシーンを考察していきます。以下の対面で使用する機会が比較的多い、またはほぼ確実に使うと考えています。
いずれも、環境に一定数存在するデッキタイプです。一つずつ必要なシーンを想定します。
これらはいずれも、非常に重要です。「テツノツツミ」は「ボウルタウン」との相性も良く任意のタイミングで使いやすいため、終始再現性が高いことも追い風です。
上記に明確な使用方法を記載しましたが、そもそもどの対面でも使える機会があり、汎用的に使えるパワーのあるポケモンですので採用価値があると判断しました。特に「カウンターキャッチャー」や「プライムキャッチャー」を温存できることはゲームの勝敗に大きく関わってくるため、採用価値は非常に高いと認識しています。
次に、「マナフィ」の採用価値についてです。
【ロストバレット】や【ロストギラティナ】、【パイジアンex/テツノカイナex】との対面で使います。このカードの採用は非常に悩みましたが、ロストミラーにおいて「マナフィ」の有無が大きいと考えて採用しました。
【パオジアンex/テツノカイナex】との対戦では、おおよそ一方的な戦いになりがちです。先にサイドを2枚取ったほうが勝つゲームになりがちで、先攻であれば「マナフィ」を置く以上に「キュワワー」を多く並べて、最速2ターン目の"げっこうしゅりけん"か"ごっつあんプリファイ"を狙った方が強いです。後攻の場合は「マナフィ」を置くことで先攻2ターン目の"げっこうしゅりけん"はある程度防ぐことができますが、「テツノカイナex」を起動されると既に厳しい戦いになりがちで、あまり大きな影響を与えません。むしろ、「マナフィ」を置かないことで"げっこうしゅりけん"を使われた場合の方が捲りやすいことも大きく、この対面における「マナフィ」の採用は非常に悩みどころです。
"ごっつあんプリファイ"、"げっこうしゅりけん"のどちらも2ターン目に使われなかった場合は、そもそもとして盤面上有利であるため、あまり検討する必要がありません。
では次に、ロストミラーについて。結論としては、ロストミラーを重く見て「マナフィ」を採用するに至りました。
まずは【ロストバレット】対面を考えますが、当たり前ですがミラーにおいてお互いの場に「マナフィ」がいるかいないかは、その場の攻める選択肢の数に関わるため基本的に採用していない側がやや不利です。ただし、そもそもこの対面では「テツノカイナex」を動かす、または、相手の「テツノカイナex」に対応するために「ミラージュゲート」は温存したい等、分岐が多いために非常に評価が難しいです。
相手の「キュワワー」を全て倒せるからと「ミラージュゲート」を2枚使って"げっこうしゅりけん"を使っても、返しの相手のターンに「なかよしポフィン」から盤面復帰されつつ、「テツノカイナex」から"ごっつあんプリファイ"が飛んできた場合、一気に対応が難しくなることでしょう。決して【パオジアンex/テツノカイナex】対面のように、最速で"げっこうしゅりけん"が使えればテンポが取れるわけではない展開があることに注意が必要です。
【ロストギラティナ】対面についても考えたいと思います。【ロストギラティナ】対面では、ロスバレ側に「テツノカイナex」が搭載されているため比較的任意にサイド2を進めることができ、サイドレースのコントロールが効きやすいという点で、ロスバレ側が微有利です。しかし、自分の場に「マナフィ」が存在しない場合、ex/Vを場に置かずとも相手にサイド2を任意のタイミングで進めることができる権利を与えてしまう点において、優位性をやや失います。そのため、「マナフィ」の採用は非常に大きな価値があります。
上記以外にも根本的な事実として、ロストミラーにおいて「マナフィ」を場に用意しないことは、そのままそれはプレイ難易度の向上を意味します。常に"げっこうしゅりけん"で場の「キュワワー」からサイド2を相手に与えてしまう(または盤面上にダメカンが180ダメージ分発生する)可能性を考えつつプレイしなければならないからです。比較的長い期間ロストを使ってきた上級者の多い【ロストバレット】や【ロストギラティナ】と戦うにあたって、一手のプレイミスは決して許容できません。プレイを簡単にするという目的も含めて、採用するべきだと考えました。
ここまでの内容から、「マナフィ」は採用すべきという結論に落ち着きました。上記以外の対面においても、「リザードンex」系統のデッキ対面でもデッキ圧縮を兼ねて場に出しておけば、不意の「マフォクシーV」をケアできますし、【ルギアVSTAR】対面では「ミュウex」による"げっこうしゅりけん"を防げます。【ロストバレット】というデッキは盤面を非ex/Vで埋めるからこそサイドレースの優位を保つのが強いデッキですので、その優位性を担保するためにも「マナフィ」は採用しておいて間違いないでしょう。
■「すごいつりざお」の4枚目
ほぼ全ての入賞しているロスバレのリストに採用されている「すごいつりざお」の4枚目ですが、必須枠では無いと考えています。デッキとしては3枚でも回ります。かつた杯の少し前ぐらいまでは自分も3枚で回していました。
しかし、「リザードンex」系統のデッキに「ミストエネルギー」の採用が見られ、最終ターンに「テツノカイナex」を起動して"ごっつあんプリファイ"を使う展開の再現性を高める必要がでてきました。この場合、理想的な動きは最終ターンにあわせて「すごいつりざお」と「ミラージュゲート」を2枚ずつ以上残す必要があります。「すごいつりざお」が3枚採用ではまず現実的でないため、4枚採用としました。また、その他の対面でも山を掘り切った段階で「すごいつりざお」と「ミラージュゲート」を2枚ずつ残すプレイは強いです。
他の対面でもまず腐らないカードであり、かつ、プレイを簡単にしてくれるカードでもあります。4枚目の採用が無難でしょう。
■入れ替え札7枚+「緊急ボード」1枚
体感として、「緊急ボード」を含めて入れ替え系の札が8枚あれば、デッキとして問題なく回ると感じています。尚、「ジェットエネルギー」は強力ですが、「緊急ボード」と性能が競合するため不採用としました。
では、その8枚の内訳ですが、「いれかえカート」が4枚、「ポケモンいれかえ」が3枚、「緊急ボード」が1枚としました。枠の都合で削られていますが「緊急ボード」の2枚目が欲しいところです。デッキのゲームを通しての安定性を加味するならば、「ポケモンいれかえ」の3枚目を「緊急ボード」にしたほうが良いと考えていますが、先攻2ターン目に1枚でも多く入れ替え札を引き込み、「ミラージュゲート」がプレイできるロストゾーン7枚を目指せる方がイージーウィンできる試合が増えると考え、このようなバランスに落ち着きました。
ただし、「緊急ボード」が1枚の場合、相手に「ロストスイーパー」をまず使われます。そのため、ハンド干渉を多くプレイしてくる対面では、「緊急ボード」+別の「キュワワー」にエネルギーを1枚貼りながらのプレイングが必要です。
■「カウンターキャッチャー」の2枚目
この枠は「ボスの指令」、「カウンターキャッチャー」の2枚目、もしくは採用無しの3択である認識です。この枠については非常に悩んだのですが、最終的には「カウンターキャッチャー」の2枚目の採用に踏み切りました。
今回の構築では終始「ポケストップ」のバリューが高くなることと、最終ターンにベンチの非ex/Vに対して「テツノカイナex」の下ワザ"ごっつあんプリファイ"を使うことで捲り勝ちできる手段を残すことをプラン上、重く見ています。「ともだちてちょう」の採用によって最終ターンにドローサポートを使える可能性が高く、ドローサポートから探しに行ける裏呼び札として「カウンターキャッチャー」が非常に強いため2枚目の採用です。
「ともだちてちょう」があることで「ボスの指令」を入れることによる相性の良さもあります。「ボスの指令」を2回使うことが可能な場合もありますし、「ボスの指令」や「プライムキャッチャー」が温存できていれば、サイドを1まで踏み込むプレイングが可能になります(ベンチのポケモンをウッウで倒して勝ちにできる為)。しかし、「ボスの指令」を2回使いたくなるパターン自体が稀です。基本的には「アクロマの実験」を使って山札をしっかりと掘っていくことが大事であり、「ボスの指令」は「アクロマの実験」が無いから使うというパターンが多いです。また、サイドを1まで踏み込む場合にあたっても、「カウンターキャッチャー」を2枚採用していることで、そもそも中盤までは「カウンターキャッチャー」を優先して使いやすいことから、「プライムキャッチャー」を温存しやすいです。
ベンチのポケモンを呼ぶ札は増やしたい(3枚目が欲しい)
「ボスの指令」は採用しても使いにくいパターンが多い
最終ターンに相手のベンチにアクセスしたい場合、相手の「ナンジャモ」や「ツツジ」からカードを引く必要がある。「ポケストップ」やドローサポート経由で探せるグッズを増やした方が都合が良い
「カウンターキャッチャー」が2枚あることで、最終ターンに「プライムキャッチャー」を残しやすい
総評として、以上のような考えの元、「カウンターキャッチャー」の2枚目を採用として、「ボスの指令」を不採用としました。
■「ともだちてちょう」と「ポケストップ」が強い
ここでは、「ともだちてちょう」と「ポケストップ」の採用に至った経緯を記載します。本note中に記載している内容と被る部分もあるかと思いますがご了承ください。
「ともだちてちょう」はトラッシュからサポートを、2枚まで山札に戻すことができます。ロスバレでは主に「アクロマの実験」を戻すために使われますが、稀に「ポケストップ」でトラッシュされてしまった「ツツジ」を戻すこともあります。
「ポケストップ」では、山札を上から3枚捲って「グッズ」を手札に加えることができます。グッズの多いロスバレとは根本的に相性が良いカードですが、「アクロマの実験」や「ツツジ」がトラッシュされてしまうことは注意が必要です。
補足ですが、上記の2枚は採用するなら必ずセットと考えているわけではありません。当然、2枚採用のシナジーは大きいため、推奨されます。
「ナンジャモ」や「ツツジ」が中盤以降、頻繁にプレイされやすい現環境において、手札干渉の対策は必須です。これは、本noteの冒頭でも記載した、中盤以降に安定してサポートを使い手札補充ができる工夫が必要であると既に結論付けています。
「ポケストップ」と「ともだちてちょう」は、このデッキの中盤以降の安定性に対して貢献する2枚で、ハンド干渉までを含めて終盤までゲームメイクすることのできる上位プレイヤーに対して高い勝率を維持するために、非常に大きな働きをします。
まず、現環境でトップシェアである【リザードンex/ピジョットex】デッキに対して、強い構築にするにはどうしたら良いかを考えていました。相性差を考えた時に、世間的にはロスバレ側が【リザードンex/ピジョットex】に対して微有利以上を持っていると認識している方が多いですが、使い手の練度次第では相性差を簡単に詰められてしまうと考えています。
仮にサイドをリードしていたとしても、こちら側がサイド3まで進行した時点から「ツツジ」を利用され、その後は毎ターン「ナンジャモ」を使われてしまう展開になりがちです。また、対面が上手なプレイヤーであればあるほど、的確に「ロストスイーパー」でこちらの「緊急ボード」がロストされ、「カウンターキャッチャー」で「かがやくゲッコウガ」が倒されます。「ミストエネルギー」の付いた「リザードンex」に"おとぼけスピット"で110ダメージを与えることで2ターンで倒すことを考えても、「フトゥー博士のシナリオ」で回収されて1ターンなかったことにされるリスクがあります。
「ライコウV」で「ピジョットex」を先に取ることができたとしても、バトル場の「リザードンex」に「ミストエネルギー」が付いている場合は、最後の2枚を1ターンで取る必要がある場合に、「テツノカイナex」の下ワザ"ごっつあんプリファイ"をベンチの非ex/Vに対して使う必要がでてくる展開があります。
何が言いたいかと言いますと、いずれにせよ中盤~終盤の要求が重くなりがちで、ターンが足りずに負け越してしまう展開が多く発生します。これに対して有効なプレイングが、山札を薄くしながらサポートを残す動きで、それを実現するのが「ポケストップ」+「ともだちてちょう」の採用でした。
毎ターンしっかりサポートを使うことだけを考えるのであれば、「ポケギア3.0」の複数枚採用や、「ペパー」や「暗号マニアの解読」を採用することでその時に必要なカードにはアクセスすることが可能です。しかし、山札を薄くすることができていなければ、ハンド干渉に対して次のサポートを引き込むことが難しかったり、最終ターンで必要札を用意しきれず負けに繋がります。相手のハンド干渉に対して強く動けるようにするには、ただ山札にサポートを残すだけではあまり意味がありません。
その上で、一番重要なのは相手の「ナンジャモ」に対して自分がサポートを引くことで、有利を保つことです。「アクロマの実験」の2枚目を使ったターンの最後に「ともだちてちょう」を使ってサポートの濃度を濃くしておくことで、高い確率で「アクロマの実験」をもう一度引くことができ、動きを鈍くせずに済みます。
また、序盤に「アクロマの実験」を使うことができない場合にも、「ポケストップ」が引けていれば山札を引くことが可能です。「ともだちてちょう」が採用されていることにより積極的に「ポケストップ」を利用して山札を掘ることができます。
「ポケストップ」はグッズで強い動きをしていくロスバレには非常に相性の良いスタジアムです。終盤の強くなった山札で使うことで必要札を引き込める確率を一気に高めることができます。また、中盤に貼ったポケストップに対しても、相手がそこに「ロストスイーパー」を使うことで、場の「緊急ボード」が残ることにも繋がります。
先攻2ターン目に「トドロクツキex」の"くるいえぐる"や、「かがやくゲッコウガ」の"げっこうしゅりけん"でイージーウィンを狙う場合にも強く、今までにも何度も「ポケストップ」から「ミラージュゲート」や入れ替え札を引き込んで勝ち切ってきました。使用にはある程度のリスクはありますが、それを見越しても採用する価値のあるパワーカードです。
以上の経緯と考えから、「ともだてちてちょう」と「ポケストップ」の採用を決めました。では次に、「ポケストップ」の使い方について解説します。ただし、各対面の細かい使い方については、各対面の章で記載しますので、軽く触れる程度にして汎用的な使い方に絞ります。
■「ポケストップ」の使い方
「ポケストップ」は使う場面、使う順番が大切です。
序盤についてはサポートをトラッシュしてしまう確率が高いため、ボール札が全く触れなかった場合等、どうしても必要な場合にのみ使います。ただし、先攻2ターン目に「ミラージュゲート」から強い動きをする価値の高い対面では、引けた時点で欲しい札を考えて使うことは多いです(【アルセウスVSTAR/ギラティナVSTAR】や【パオジアンex/テツノカイナex】対面等)。
中盤以降、基本的にはハンド干渉を受けてから必要なグッズを探しに行くために使うことになります。また、手札にサポート自体を多く引き込んでしまっている場合等には、より積極的に使っていくことも大事です。サポートがトラッシュに落ちないのであればグッズの濃度が上がるため、仮にその場で欲しい札が引けておらずとも山札が強くなっていると言えるため、基本的に動きとしては悪くありません。
「ポケストップ」は原則、「アクロマの実験」や"はなえらび"の前に使うことが推奨されます。それは、「ポケストップ」ではカードを選べないが、「アクロマの実験」ではカードを選ぶことができるためです。「ポケストップ」によって引いたカードにあわせて、ロストするカードを選ぶことでその時一番強い手札を作っていくことができます。次に、より具体的な基本的な順番を考えていきましょう。
ターン中、「ポケストップ」と「アクロマの実験」を使う場合の理想的な順番です。ただし、実際にはそもそも先にドローを使わなければ、そのターンに使いたいポケモンを場にだすためのボール札が無い等、様々なケースがあります。常に臨機応変な対応が求められます。
これが、最も多く山札を掘りつつ、そのターンに中にしたい動きができる可能性が一番高く、かつ、「ナンジャモ」をプレイされても復帰しやすい順番です。
補足として「ツツジ」を使う場合ですが、基本的には「アクロマの実験」と逆で、先に「ツツジ」を使ってから他のドローソース(「ポケストップ」を含む)を使って、「ツツジ」後の手札自体を強くしていくように心がけます。
■各種エネルギーの枚数
本項では、それぞれのエネルギー枚数について採用経緯を記載します。根本的な構築思想として、ワザを使うのに必要なエネルギー+1枚の採用を前提としています。
まず、「基本悪エネルギー」についてですが、4枚の採用としました。これはシンプルに素引きする確率を上げるためです。デッキ自体は3枚でも回るため、そういった意味では贅沢な枠と言えます。「トドロクツキex」起動のハードルを下げることは基本的にどの対面でも強く動きます。手札にエネルギーが悪しか無い場合でも、山札に3枚残せていれば引く確率が高く、ある程度逃げやすい、かつ、"かくしふだ"も使いやすいです。
特に以下のような場面において「トドロクツキex」の起動のハードルを下げることが重要だと考えています。
本構築では「アルセウスVSTAR」系統のデッキに対して有効な「フーパex」や「かじばのいっぱつ」を採用していません。「基本悪エネルギー」を1枚増やしところで大きく変わるかと言うとそうではありませんが、「ポケストップ」まで考慮すると体感としてそれなりの確率まで上がることと、可能な限り多くの対面を見ながら対抗するためにはこれが一番ベターであると判断しました。
どうしても「基本悪エネルギー」をロストしなければならない展開にも、4枚あったほうが猶予があるため安心です。
次に、「基本水エネルギー」の枚数ですが、3が確定枠だと考えています。現状の環境デッキに対して「かがやくゲッコウガ」の"げっこうしゅりけん"は常に脅威です。"げっこうしゅりけん"のケアのために多くのデッキは「マナフィ」の採用を余儀なくされていますが、1枚採用の「マナフィ」が10%の確率でサイドに落ちる以上、イージーウィンできる可能性を常に持つことができます。
実際、今回のシティリーグS4でも、主に【ロストギラティナ】や【パオジアンex/テツノカイナex】、【リザードンex/ピジョットex】に対して合計10回近く使っています。減らす選択肢は無いと考えています。
「基本雷エネルギー」についてです。これは非常にシンプルで、「ライコウV」を採用するなら2枚、しないなら「テツノカイナex」で"アームプレス"を使う必要があるので3枚です。本構築では「ライコウV」を採用しているため2枚としています。
「基本雷エネルギー」は「ライコウV」を採用している限り、基本的には手張りする必要のないエネルギーです。山札のエネルギーの色を確認しつつ、"かくしふだ"や逃げるエネルギーとして積極的に使うことができます。
最後に、「基本超エネルギー」を1枚採用に至った経緯ですが、これについては「ヤミラミ」の採用を1枚にした理由とほぼ同義です。
困るケースは、"はなえらび"等でロストが危険な点とサイド落ちです。
まず前者のケアができるかについてですが、そもそも1枚採用のため引く確率は低いため、「ミラージュゲート」による無色部分のエネとして山から抜くことでケアできそうです。万が一にロストすることになった場合でも、現環境では「ウッウ」で代用できる対面が多いため、「ウッウ」を複数回使うプランに移行すれば良いと考えました。
次に後者ですが、「ヤミラミ」の項でも記載したようにそもそも使う場面が後半であるため、サイドから引けている可能性が高いです。そもそもこちらについても、一部の使用率が高い対面(【ロストギラティナ】等)を除いて「ウッウ」で代用できるため、問題無いと考えました。
そもそもなぜ減らしたのかですが、枠の都合です。枠があるなら採用したほうが良いと考えていますが、「ポケストップ」や「ともだちてちょう」、「基本悪エネルギー」の4枚目等のほうが重要であると考え、1枚減らすことができる理由を考え、減らすに至りました。
シティリーグ当日においても、最も「ヤミラミ」を使いたいと考えている【ロストギラティナ】対面が3回ありましたが、「基本超エネルギー」が1枚しかないことのデメリットは特に感じませんでした。『サイド落ちしなかったからだろ』と言われれば確かにその通りではあるのですが、サイド落ちしていたらしていたで無いなりのプレイをすれば良いだけです。「基本超エネルギー」がサイド落ちしたから勝てない、ということは現環境においては無いと思います。
■その他不採用カードについて
この章では、不採用としたカードについて記載します。尚、「フーパex」、「ミュウex」、「ジェットエネルギー」は不採用理由を既に別で記載しているため割愛します。
「ジラーチ」
ロストミラーピンメタカードです。そもそも「ジラーチ」を場に出しても「テツノカイナex」があれば対応できてしまうため不採用です。【ロストギラティナ】対面では非常に強いポケモンだと思いますが、こちらについてはそもそも採用せずとも有利対面であるため、不要です。
「ポケギア3.0」
1枚採用では序盤の「アクロマの実験」を探す札としては少々心もとないですが、中・終盤の相手のハンド干渉からの当たり札としては非常に優秀です。これを採用する場合、「ボスの指令」を有効的に使いやすくなるため、セットでの採用も考えたいです。
今回は、そもそも2枚以上採用する枠は無く、途中のハンド干渉には「ともだちてちょう」で対策していく方針としたため不採用です。
「キャンセルコロン」
無いと勝てない対面が存在しないため、不採用です。もし採用するのであれば、「ワザマシン デヴォリューション」と一緒に採用することでシナジーがあります。
「ワザマシン かじばのいっぱつ」
VSTAR、1進化exに対して滅法強いカードではありますが、突き詰めていくと元々不利な「アルセウスVSTAR」でしか必要に感じず割り切りの不採用です。また、「ポケストップ」との相性が悪いことも一つの理由です。
採用するのであれば、対面次第で最終版に「トドロクツキex」や「テツノカイナex」にエネルギーを貼って「ワザマシン かじばのいっぱつ」を使うことで、280ダメージを出して相手のワザを耐えることが可能な場合があることを覚えておくべきです。
「ワザマシン デヴォリューション」
2進化対面に対して、序盤、出遅れた際にも捲れる可能性を作れる優秀なカードです。しかし、1枚採用では引くことができず、2枚採用は枠が無く、そもそも"フレアヴェール"のリザードや「ミストエネルギー」によって守られてしまうため、実際に活躍することは少ないイメージです。
「ブーストエナジー未来」
「テツノカイナex」に貼ることで、以下のようなポケモンに対して"ごっつあんプリファイ"が通るようになります。
雷弱点のVSTARデッキについては、そもそも有利なため不要です。「トドロクツキ」と「コライドン」は不利対面ですが環境にいないので割り切りで問題ありません。
【リザードンex/ピジョットex】対面では、「ミストエネルギー」で「リザードンex」を守ってくる都合上、「ピジョットex」からサイド3を取れる価値は非常に高く、採用を検討していた時期があります。ただし、どうしても1枚採用では引くことができず、「タウンデパート」との同時採用になることと、ハンド干渉に弱い組み合わせになるため採用を見送りました。「タウンデパート」を採用する場合、ポケモンのどうぐを増やしてそのスタジアム自体のバリューを上げなきゃ採用価値が薄いことも、構築が歪む原因になります。
「森の封印石」
「ライコウV」とセットで採用することでデッキパワーの上がる1枚ですが、「ライコウV」を使いにくい対面において2枚セットで腐るため不採用としました。そもそも「ネストボール」は温存したいため、「森の封印石」を使うために「ネストボール」を使って動くケースは、その1ターンでほぼテンポを取って勝てるほど強いターンでなければリターンとしては微妙です。
勿論、デッキの安定感に貢献してくれる1枚な上、多くの場面で1ターンの出力を上げてくれますので、枠があるなら採用すべきカードではある認識です。
「ペパー」
「ポケストップ」の項で解説しましたが、山札を薄くすることができないサポートのため不採用です。ただし、「なかよしポフィン」+「緊急ボード」等で盤面を作る能力が高いことは事実で、今後も採用価値を検討していく必要がある1枚だと考えています。
「ナンジャモ」
環境に「ジャッジマン」を使うデッキが増えるようなら、相手の「ジャッジマン」から次のターンの「アクロマの実験」を探しに行きつつある程度動ける当たりのカードとして、採用価値が出てくるカードだと考えています。現状ではそこまで「ジャッジマン」が使われないので、中盤以降の「ツツジ」のほうが優先できます。
【ロストギラティナ】のようなポケモンVSTAR自体の場持ちが良い場合は、自分自身の手札を「ナンジャモ」で減らしてもある程度動けますが、【ロストバレット】では自分の「ナンジャモ」で事故ってしまうため、使いづらいという理由も大きいです。
「シンオウ神殿」
基本的には「ミストエネルギー」に対するピンメタカードですが、【ロストギラティナ】の「ジェットエネルギー」も止められることが多い点は、採用するなら覚えておくべきポイントです。
こちらについても「ミストエネルギー」付きの「リザードンex」に対応するため採用を考えましたが、そもそも1枚採用では使いたい場面で使えない点が評価できずに不採用としました。スタジアムの3枚目としては枠がありますが、全対面で引いた時に汎用的に使える「ポケストップ」のほうが軍配があがり、そちらに合わせて「リザードンex」に対応する方針としています。
■デッキ構築と使い方のまとめ
デッキリストを再掲します。
ロスバレのデッキ構築について、最初に以下の点が大事であると最初にまとめました。
序盤に大きく遅れない立ち上がりの安定性
中盤以降に安定してサポートを使い手札補充ができる工夫
各環境デッキ対面における勝ちプランの確立
当初の想定通りの60枚に仕上がったと思います。勝ちプランについては説明できていない部分もありますので、次からの各対面の戦い方の章で解説します。
○各対面の戦い方
ここまでこれだけデッキ構築について書いてきましたが、結局のところ大事なのはどこまでいってもプレイングです。各対面に対して明確な戦い方を想定しておくことが重要です。
また、各対面との戦い方を考える際のコツですが、自分自身がそのデッキを知ることが大切です。例えば課題とする対面のことを考える場合、そのデッキを自分が使うかは別としてnoteも買いますし、入賞デッキリストも調べます。普段は仕事が忙しく練習時間を沢山取れないため、自分自身が対面のデッキを使い込んでみるということはできていないのですが、ある程度の知識として蓄えておくだけでも全然違います。移動時間や隙間時間を活用すると効率的ですのでおすすめです。
また、各対面について記載する際、〇デッキ構築と使い方の章ですでにある程度解説している場合は、ある程度省略する場合があります。
■【リザードンex/ピジョットex】
先攻:微有利 後攻:五分
基本的なサイドレース:1⇒2⇒1⇒2、または、1⇒1⇒2⇒2
使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex,ライコウV
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,キュワワー,テツノツツミ,かがやくゲッコウガ
まず、この対面はこれまでのデッキ構築に関する考察でも、度々仮想敵として例にして解説している箇所が多いためそちらについても随時ご参考ください。
シティリーグ環境におけるトップシェアであり、堂々のTier1デッキです。現環境において【リザードンex/ピジョットex】に対して勝ちプランを持たないデッキは使う理由が無いと言えるほど、重要な立ち位置にいます。ロスバレは勝ちプランを持っており、先攻であればサイドを先行できるため微有利、後攻であればサイドを先行されることがあるため五分としました。
【リザードンex/ピジョットex】側の使い手の練度によって大きく変わってきますが、マッチングした場合は基本的に当たりの対面です。対面練度を積むことで高い勝率が見込めるため、しっかりと準備して大会当日を迎えましょう。
この対面が行ってくる動きは、ざっくり以下の通りです。
サイドレースとしてはこちらに分があり、最速4ターンで勝てますが相手は5ターン必要です。そのため基本的にはこちらが攻めて、相手がターンを稼ぐことに全力を出してきます。
「リザードンex」に「ミストエネルギー」を付けた状態で「ツツジ」や「ナンジャモ」を連打されると対策無くしてはほぼ動きが止まるほど強力で、そのまま負けます。ハンド干渉からの要求が上がってくる中盤以降に向けて全力で山札を圧縮することが大事です。
サイドの取り方についてまとめます。
サイドを先行されてしまった場合、毎ターン確実にサイドを進めて4ターンで勝ち切る必要があるため、『2,3枚目の優先③』が通用しない場合がある点には注意が必要です。その場合、1⇒1⇒2⇒2(または1⇒1⇒1⇒1⇒2)になっても良いので、必ずサイドを取ることが大事です。
最終盤、以下についてです。
以下のいずれかでサイドを2枚取ることになります。具体的にイメージしましょう。
上記のいずれかを満たす必要があります。では、上記を満たせる強い山札作りについて、より明確にします。
相手の「ナンジャモ」から現実的に引けるサポート枚数が山札に残っている
アタッカーを起動できる「ミラージュゲート」と「すごいつりざお」が複数残っている
アタッカーを山札からサーチできる「ネストボール」が残っている
倒すポケモンを選べる「カウンターキャッチャー」か「プライムキャッチャー」が残っている
バトル場にアタッカーを出せるように、入れ替え札が残っている
具体的には上記のような内容が山札に残っており、かつ、その枚数が必要数以上にある程度余裕をもって残っている状態です。仮に「ミラージュゲート」と「すごいつりざお」が1枚ずつしか残っておらず、サポートを引くために"はなえらび"をした場合、その1回の"はなえらび"で詰みかねません。
ゲームの序盤から最終ターンの要求が可能な限り軽くなるように、慎重にロストする札を選んでいく必要があります。最終盤に要求が揃わなくて勝ち越せない人は、「ミラージュゲート」や「すごいつりざお」を『4枚あるから1枚ぐらい大丈夫』と1枚目を軽率にロストしがちです。また、『ともだちてちょう』や『ポケストップ』についても、最序盤に引いたからといって極力ロストしてはいけません。最後の詰めのハードルをとにかく下げることが、このマッチアップを勝ち越せるかに大きく関わってきます。
最初のターンから最終的にどういう山札を作って、どの要求を満たすことで勝ちに繋がるかをしっかりとイメージしながら進めていくことが重要です。常に次のターンを考えてプレイしましょう。
■【リザードンex/ビーダル】
先攻・後攻:有利
基本的なサイドレース:1⇒2⇒1⇒2、または、1⇒1⇒2⇒2
使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,キュワワー,テツノツツミ,かがやくゲッコウガ
サイドレースとしては基本【リザードンex/ピジョットex】と同じですが、システムポケモンが「ビーダル」になっていることと、サブアタッカーに「エンテイV」の採用が多く見られる点がポイントです。また、枠の都合からか「ミストエネルギー」が採用されていないことも多く、基本的には有利で大会シーンでは当たり得です。
まず、【リザードンex/ビーダル】について特徴を認識します。
相手の盤面が非常に窮屈になりがちな点がまずあげられます。アタッカーとして2枠、ベンチに「ビーダル」「マナフィ」「ジラーチ」が最低1体以上でてくることと、相当厳しい展開じゃない限り「ホシガリス」は出しずらく、「ビーダル」の2体目が置かれます。「ホシガリス」による補助が無い場合、「ビーダル」の"はたらくまえば"が強く動かないことが多く、中盤以降も「ナンジャモ」を連打されることが少ないです。
サブアタッカーである「エンテイV」は、「ウッウ」の"おとぼけスピット" 110ダメージ + 「テツノカイナex」の"ごっつあんプリファイ" 120ダメージで丁度倒しきってサイドを3枚取れるポケモンであるため、対処が簡単です。序盤の円滑な「リザードンex」への進化のために、「エンテイV」に「森の封印石」を張って動いてくることが多いため、「エンテイV」は場に出やすいです。
「ピジョットex」型と違って「ビーダル」軸であるため、そのターンの行動の自由度があまり高くない点も重要です。例えば、ダメージを受けたポケモンV/exをすぐ逃がして「崩れたスタジアム」や「フトゥー博士のシナリオ」で消すといったプレイはそう簡単にすることはできません。
ただし、「ピジョットex」型と違って、ベンチに「リザード」を準備しながらそれ以上に進化せず「かがやくリザードン」で戦ってくることで、場にポケモンex/Vを用意しないターンを作りやすいデッキでもあります。
では、ここからロスバレ目線の勝ち方を考えていきます。
まず、この対面におけるサイドレースの目標は基本的に
の最速4ターンを狙っていくことになりますが、サイドを先行できている場合は、5ターン目を使う猶予があります。
基本的なプランニングとしては、
この部分の再現性を高めるために、そこまでのターンにどれだけ山札を圧縮して強くできているか、盤面に「緊急ボード」や逃げ用のエネルギーを用意できているか、「ともだちてちょう」を使ってサポートを戻せているかが大切です。
それぞれ①~④の全ての場面について解説しているととてもじゃないですが書ききれないため、重要と考えている序盤についてまず解説します。
「ウッウ」でまずサイドを1枚獲得することで、サイド先攻を狙います。相手の盤面を想定し、どのようにサイドを1枚取るかを考えます。
相手のバトル場に「エンテイV」がでてきて壁にしてきています。エンテイVのHP230は110+120であり、"おとぼけスピット"と"ごっつあんプリファイ"、または、"ロストマイン"で丁度倒せる耐久ラインです。ただし、後者を狙う場合、相手に「エンテイV」を消すターンの猶予を数ターン与えてしまうため、少々リスキーです。そのため、後続のターンでは基本的に"ごっつあんプリファイ"で回収することを狙ったほうが良いですし、ボールの枠があれば「テツノツツミ」から"ハイパーブロアー"を使うことで、非ex/Vを出してもらったほうがその後の展開がしやすいです。
「テツノツツミ」の"ハイパーブロアー"から後ろのポケモンを取れる場合、このターンの目標は達成できており、順当に1⇒2⇒1⇒2を狙うことができるため、後ろのポケモンを倒せなかった場合に「エンテイV」に110ダメージを与えた後の展開をより深堀します。
まず、相手は傷ついた「エンテイV」を盤面から消せるタイミングが、"おとぼけスピット"を受けた返しのターンのみです。つまり、こちらが先攻であれば後攻2ターン目です。だいたいそんな自由が利かないため、場に残ります。※場に残らず消えた場合、こちらは2⇒1⇒1⇒2の最速プランに変更することになります
その後の相手の動きを考え、いくつかパターンを考えます。
こちらの動きをベストな順で、必要に応じてポイントと共に記載します。
別のパターンについても考えていきます。
パターンAの「ヒトカゲ」が2枚盤面にいるパターンです。この場合でも、基本的には「テツノツツミ」の"ハイパーブロアー"から、ベンチのポケモンを倒すことを目標とします。
こちらでも、倒せずに「エンテイV」に110ダメージが乗った後の動きを考えていきます。
いずれにせよ、「エンテイV」を放置してサイドを進める展開になった場合、最初の"おとぼけスピット"のターンが無駄になってしまうため、最速でサイドを取り切る必要がでてくる点に注意しましょう。
中盤以降についてですが、基本的には山札を圧縮しながら最終ターンに備えてサイド2まで進めることになります。いくつか要点を記載します。
「ともだちてちょう」は「アクロマの実験」を2枚使った時点で使う
★「ポケストップ」の使い方の項参照常に「ナンジャモ」から捲られるリスクを持ち、次のターンを意識して動く
★サイド2-6からでも相手の「ナンジャモ」の刺さり方次第では捲られます。サイド差が付いていても安心しないこと可能な限り場の「キュワワー」2体に対して、「緊急ボード」と「エネルギー」をそれぞれ付けておく
「なかよしポフィン」とベンチの枠が余っている場合、「マナフィ」を場に出すこと
★山の圧縮、不意の「マフォクシーV」のケア相手の「リザードンex」は「ミストエネルギー」が付く前に倒す
★「ミストエネルギー」が付いてしまった場合は、基本的に無視してサイドを進め、最終ターンに「テツノカイナex」から"ごっつあんプリファイ"で勝ち切るルートを目指す「ミラージュゲート」と「すごいつりざお」は可能な限り2枚ずつ残す
相手の「かがやくリザードン」に対して、「マナフィ」を先に倒しておくことで使いづらくすること
どの対面でも言えることですが、理想は最終ターンの山の掘りきりです。この対面では「ビーダル」が常に盤面にいる以上、「ツツジ」はハンド干渉として使うのではなく、都合の良いドローソースとして使うことになります。
【リザードンex/ビーダル】対面では常に自分の山札の枚数とリソース管理を意識して、最終盤に必要な札を残すことで安定した勝率を維持できます。この対面で勝ち越すことができない場合、多くは山札の圧縮が甘いことによって、終盤の「ナンジャモ」で負けています。相手の「ナンジャモ」から引けなくて負けるのは自分の運が悪いのではなく、山札の作りが甘いからです。
最後に、ポケモンex/Vでスタートしてしまった場合について補足します。
「トドロクツキex」、「テツノカイナex」でスタートした場合
どちらもきぜつする前にサイド2枚分の仕事をさせることでリカバリーできます。もし厳しければ、とりあえずサイドを「ウッウ」で先行することができてさえいれば、サイドレース上、負けてはいません。
現状、「ビーダル」型の採用しているエーススペックは「プライムキャッチャー」ですので、基本的にサイドを1枚進めるまでは倒されづらいです(1枚取った時点で「まけんきハチマキ」から倒せる可能性はあります)。焦らずベンチにさげてロストを貯め、7枚に到達したらすぐに仕事をさせれば問題ありません。
また、「テツノカイナex」でスタートしている場合は、エネルギーを事前に1枚手張りしておくことも重要です。「ミラージュゲート」の消費を1枚抑えることが可能になるため、終盤の要求が下がります。これはこの対面に限ったことではなく、「テツノカイナex」を強く使うためのコツです。
「ライコウV」でスタートした場合(サイドを2枚先行されてしまった場合)
簡単にサイドを2取られてしまうのにサイドを2枚取れないポケモンであるため、スタートした時点でサイドレースが負けている認識を持ったほうがいいですが、他のex/Vと同様、サイドを「ウッウ」で先行することができれば比較的問題ありません。
仮に自分が後攻で"おとぼけスピット"が使えず、かつ、先攻2ターン目に「プライムキャッチャー」+「こだわりベルト」を揃えられて「ライコウV」が倒された場合、相手にサイドを2枚先行されてしまうことになります。こうなった場合、1ターンサイドを詰めるターンを作る必要がでてきてしまい、非常に難しい展開になります。今回、「ライコウV」でスタートしてしまった場合として記載していますが、他にもスタートが遅れてサイド2枚先行されてしまった場合にも同様のことが言えます。
こうなってしまった場合の対抗策ですが、相手の「エンテイV」の攻撃を「テツノカイナex」で受けつつ2回攻撃してサイドを3枚獲得することでペースを取り返せる可能性があります。
もしくは、相手の「ジラーチ」を倒してから「ヤミラミ」の"ロストマイン"で縛りながら戦うことで1ターン差を詰められる可能性もありますが、「ジラーチ」が復帰した時点で負けなので厳しいです。サイドを1枚も取らない状況であれば「テツノカイナex」がおおよそ1回は相手の攻撃を耐えるので、それを上手く活用することで捲りましょう。
■【ロストバレット】
基本的なサイドプラン:1⇒1⇒2⇒2、1⇒1⇒2⇒1⇒1 等
よく使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,マナフィ,かがやくゲッコウガ
ミラーです。基本的には序盤、「ウッウ」でサイドを取り合いつつ、先に「テツノカイナex」を使ってサイド4⇒2に進めることができた側がほぼ勝利する印象です。また、相手のデッキに「マナフィ」が入っているかどうかでも若干プレイングが変わってきますので、積極的に「ボウルタウン」を張ってしまいましょう(ただし、相手が明らかに展開不足で事故っている場合はさすがに張りません)。「ボウルタウン」が場にあるのに「マナフィ」がでてこない場合、多くは不採用かサイド落ちです。
基本的に【ロストバレット】には「ナンジャモ」が採用されておらず、お互いに「ツツジ」圏内に踏み込むまでは手札が潤沢です。おおよそ先にサイドを進めていって、サイド4から2に踏み込む「テツノカイナex」の起動ができた側と、それを受ける側でプレイングの分岐があると言えます。
先に「テツノカイナex」を動かす先行側の目線で動きを考えていきます。逆の場合は逆側の動きを参考にしてください。
まず大前提として、「ツツジ」の対策として「ともだちてちょう」で山札に「アクロマの実験」を戻しておきたいです。その他、圧縮をできる限り行って「ツツジ」を受けましょう。
その上で、以下のような盤面を作るのが理想です。
"ごっつあんプリファイ"を受ける側の動きは基本的に、「ツツジ」を使いながら「トドロクツキex」による"カラミティストーム"で、「テツノカイナex」の体力を減らしてきます。「ツツジ」を受けた側はバトル場に「テツノカイナex」が居ることも含めて動きづらく、止まる可能性が高いです。その対策として、ベンチにワザを使える「トドロクツキex」を準備してから"ごっつあんプリファイ"を通すことで、ほぼ確定で勝てる盤面を作ることができます。
この場合、バトル場に呼ばれるのは十中八九「キュワワー」以外ですので、可能な限り呼ばれそうなポケモンを逃げれるようにケアしましょう。もし「キュワワー」以外を逃げれるように準備できているのであれば、呼ばれるのは「キュワワー」になりますので"はなえらび"が可能です。「キュワワー」を逃げれるようにしておいたところで呼ばれず、次の番に逃げることができればそもそもポケモンexを動かすことで勝てるため、この盤面においては意味がありません。
上記から分かるように、「テツノカイナex」と「トドロクツキex」の両方を場で起動することができれば、ほぼ勝てます。とにかくエネルギーの総量が大事ですので、ミラーマッチにおいては序盤からエネルギーはできれば1枚もロストしたくありません。
では次に、「トドロクツキex」の準備は手札の都合上できない場合を考えます。
"ごっつあんプリファイ"後のサイド2枚を、「かがやくゲッコウガ」で取れる選択肢がある点において、相手が「マナフィ」無しである場合に有利です。いずれにせよ相手の「トドロクツキex」による「テツノカイナex」への"カラミティストーム"を封じることが出来ます。
<できること>の後ろ二つについては相手がそこから1ターンで勝ち切れないため、基本的に脅威ではありませんのでここでは検討しません。
「テツノカイナex」の"ごっつあんプリファイ"をかがやくゲッコウガにされた場合を考えます。ベンチに「トドロクツキex」を準備できず相手の「ツツジ」を受ける場合、常に相手の「テツノカイナex」から捲られる可能性があります。
いずれにせよサイドは同数かこちらのほうが少ないため、こちらが返しのターンに勝ち切るためには「プライムキャッチャー」でベンチのポケモンに"ごっつあんプリファイ"を使うか、前の「テツノカイナex」を「トドロクツキex」で倒す必要があります。尚、相手が"ハイパーブロアー"の受けを用意しなかった場合はそれを使えるため、"ごっつあんプリファイ"を通すのが容易になります。
相手の盤面に「マナフィ」がいて、「トドロクツキex」も起動できない場合は"カラミティストーム"を「テツノカイナex」で受けることになります。最低限、キュワワーを逃げれるようにしつつ、次のアタッカーを動かせるようにしておくことでハードルを下げます。
流れを少し想定してみます。
「トドロクツキex」を場に用意できない場合でも、「ツツジ」を受ける準備をしっかりした上で"アームプレス"を打てるようにした「テツノカイナex」によりサイド2を踏むことができれば2ターン「ヤミラミ」の準備に使えるため、おおよそ勝てます。尚、"アームプレス"が使えない場合、"ごっつあんプリファイ"だと1回「いれかえカート」を使われるだけで「ヤミラミ」から勝てなくなるため、必ず「基本雷エネルギー」を2枚以上付けた"アームプレス"の使える「テツノカイナex」を用意しましょう。
■【ロストギラティナ】
先攻・後攻:微有利
基本的なサイドプラン:1⇒1⇒4、1⇒1⇒2⇒2 等
よく使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,マナフィ,かがやくゲッコウガ
この対面では別の項でも記載したように、大きく分けて2通りの戦い方があります。
サイドの進行を2枚まで止めてからはダメカンをばらまき、サイド4枚をまとめ取りすることで「ツツジ」を受けないプレイングをする
サイド4から「ツツジ」に備えてポケモンexで2枚取り、走りきる
まず、前者についてですが、そもそも相手の構築次第でこれが現実的かどうか変わります。相手の構築がどうであれ、非ex/Vが相手の盤面に増えることは戦いやすくなる対面ですので、「ボウルタウン」は序盤から貼ってしまいましょう。
ロスギラ側の動きはだいたい上記3通りのいずれかです。サイドを2⇒4で「ツツジ」を避けて勝ち切る動きは、"げっこうしゅりけん"の高いダメージ効率がほぼ必須となっており、上記の①と②のパターンに対して有効です。相手の場に序盤から「マナフィ」が出てくる場合、このプランはあきらめて中盤からポケモンexで押し切るプランに移行しましょう。また、本noteで掲載しているリストの場合「基本超エネルギー」が1枚のため、サイド落ちしている場合もポケモンexで押し切るプランになります。
相手の場にマナフィがいない場合は総ダメージで勝つことができるため、こちらが事故らない限り多くの場合は優勢です。
・「ウッウ」の"おとぼけスピット" 110ダメージ
・「ヤミラミ」の"ロストマイン" 120ダメージ
・「かがやくゲッコウガ」の"げっこうしゅりけん" 180ダメージ
これらを効率的に使うことで戦います。特に"げっこうしゅりけん"が非常に強いため、複数回打つために「ミラージュゲート」と「すごいつりざお」を使うことになります。
以下にポイントを記載するので、参考にしてください。
後者の <サイド4から「ツツジ」に備えてポケモンexで2枚取り、走りきる> について記載します。
【ロストギラティナ】側は、「テツノカイナex」や「トドロクツキex」を返せるように、「ギラティナVSTAR」を2面用意する動きをしてくることが一つポイントです。
結局のところ、どれだけ準備してもこの最終ターンにサポートを引けるかどうかで、大きく変わります。しかし、しっかりと山札を掘ることができて、「ともだちてちょう」でサポートを増やすことができていれば、現実的なラインで引くことができます。
シティリーグ当日も【ロストギラティナ】対面は3度あり、相手の「ツツジ」の返しには毎回サポートを使うことができていました(そのうち1回は山札の最後の1枚に「すごいつりざお」が埋まって引けずに負けてしまいましたが…)。
ロストミラーは【ロストバレット】もそうですが、「ツツジ」で止まらなかったほうが概ね勝ちます。しかし、それは運ではなく、「ツツジ」で止まらないように序盤から積み重ねることができたほうが勝つと認識しましょう。
■【パオジアンex/テツノカイナex】
先攻:五分 後手:微不利
基本的なサイドプラン:1⇒1⇒4、1⇒1⇒2⇒2 等
よく使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,マナフィ,かがやくゲッコウガ
※先攻の場合はマナフィよりキュワワーを優先
相性は微不利寄りに書きましたが、実際のところは勝手に事故ってくれてそこを咎める展開が多いことと、先攻2ターン目に"げっこうしゅりけん"が使えればほぼ負けないことから、実際の結果としては【ロストバレット】側が有利といえる勝率になりがちです。今回のシティS3でも結果としては3回マッチングして一度も負けていません。
この対面については、往々にして先にサイドを2枚進めたほうが勝つことがほとんどで、捲って勝つことがお互いに難しい対面になります。ロスバレ側としては、相手に「テツノカイナex」を起動されることが最もキツい展開になってしまいがちなため、可能な限り「テツノカイナex」が起動できないように立ち回ります。
もし「テツノカイナex」の起動を許してしまった場合、「セグレイブ」を場に固定しながら「ヤミラミ」の"ロストマイン"や「かがやくゲッコウガ」の"げっこうしゅりけん"で差を詰めていくことになります。しかし、相手の場にその時点で「テツノカイナex」が起動されている以上、「セグレイブ」を倒しても決定打になりません。そのため「ビーダル」を倒しながら相手のテンポロスを狙うことになりますが、エネルギー、「大地の器」、プライムキャッチャーと当たりが多いため、厳しい戦いになります。
思いつくシーンをいくつか書き出してみましたが、最初にも書きましたが先に2を取ったほうがだいたい勝ちます。そのため、後攻であれば「マナフィ」を置いて先攻2ターン目にサイドを2枚取られるハードルを上げることは大事ですが、先攻であれば「マナフィ」より「キュワワー」を展開してこちらが先攻2ターン目にサイドを2枚取ることに全力を出します。
相手の場作りのほうが基本的にハードルが高いため、自分が事故らずにしっかり回れば勝てることが多いです。上振れを狙って回していきましょう。
■【テツノカイナex】
先攻:微不利~五分 ※後攻を取られる
基本的なサイドプラン:3⇒2⇒1,3⇒3,2⇒2⇒2 等
よく使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,トドロクツキex,テツノカイナex
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,かがやくゲッコウガ,テツノツツミ
基本的に後攻を取って「ミライドン」の"アクセルピーク"から入ってきますが、序盤は「テツノカシラex」を場に出さずに「キュワワー」を倒されない立ち上がりが多いです。相手目線では"ごっつあんプリファイ"と、「テツノカシラex」によってダメージを向上させた"アームプレス"を使って最速の2⇒2⇒2を狙ってくることに対して、ロスバレ側は最速でも4ターン掛かることから、どこかのタイミングで1ターン作る必要があります。
こちらのexを倒すには相手は「テツノカシラex」が場に4体、または3体+「未来ブーストエナジー」を揃える必要がありますが、「ペパー」の多投と「タウンデパート」の採用により「未来ブーストエナジー」や「テクノレーダー」へのアクセスが容易な点から、そこまで高いハードルでは無い点に注意が必要です。
「テツノカシラex」が3枚採用であれば微有利、4枚採用であれば微不利です。環境的に採用枚数は3.2~3.4枚程度ですので、相手のベンチの「テツノカシラex」を倒すことで"アームプレス"の最大打点を220に抑えれるケースが多いことから、「トドロクツキex」の"カラミティストーム"から1回耐えて1ターン作ることが、勝利へのポイントです。
相手が「ミライドン」スタートで要所まで「テツノカシラex」を場に出してこない場合は、こちらの要求が重くなりがちです。先攻4ターン目が要になりますので、しっかりとリソースをハンドに抱えていきましょう。ただし、相手にも「ナンジャモ」がありますのでその点は注意が必要です。
相手が「テツノカシラex」スタート、または序盤から「テツノカシラex」を出してくれる場合、要求が少し楽になります。
いずれの分岐にせよ、先攻2ターン目に「テツノツツミ」で"ハイパーブロアー"を使いたいため、1ターン目からそれを意識しておく必要があります。その上で相手に要求を突きつけるターンに合わせて勝負しにいくのが大事です。もしいずれも通らずに遅れてしまった場合は、「タウンデパート」と「未来ブーストエナジー」を場から消しつつ、エネルギーの付いていないポケモンを読んで「ツツジ」+"ロストマイン"で時間を稼ぐことになります。
■【ルギアVSTAR】
先攻・後攻:有利
基本的なサイドプラン:2⇒2⇒2、2⇒1⇒3、等色々
よく使うアタッカー:ウッウ,ヤミラミ,テツノカイナex,ライコウV
序盤の盤面:ウッウ,キュワワー,キュワワー,かがやくゲッコウガ,(マナフィ)
【ロストバレット】の雷ポケモンex/Vが優秀なため、順当に回ればほぼ負けることは無く、ある程度遅れても取り戻すことができます。
こちらの「テツノカイナex」を倒せるポケモンが進化が必要な「チラチーノ」だけですので、その点に注意して試合を進めます。「チラーミィ」は"げっこうしゅりけん"のケアで1体ずつしか出てこないことが多く、その進化先である「チラチーノ」についても「ウッウ」で倒せますので、脅威ではありません。
"ロストマイン"を使ったプランを通そうと考える場合は、"げっこうしゅりけん"より先に使わないと「ミストエネルギー」で守られてしまいますので、必要であれば先に打つことは大事です。また、「マナフィ」を余裕がある時に場に出しておくことで、「ミュウex」からの不意の"げっこうしゅりけん"を防ぐことができます。
■【アルセウスVSTAR/ギラティナVSTAR】
先攻・後攻:不利
基本的なサイドプラン:2⇒2⇒2
よく使うアタッカー:トドロクツキex,テツノカイナex,ウッウ
序盤の盤面:キュワワー,キュワワー,キュワワー,かがやくゲッコウガ
不利対面です。本構築ではある程度割り切りのマッチアップとなっています。それぞれの項で記載したように、このマッチアップにおける天秤をこちらに傾けたければ「フーパex」や「かじばのいっぱつ」の採用を考えましょう。
基本的には「トドロクツキex」が相手の攻撃を1回耐えて、2回攻撃できることを目指します。「トドロクツキex」がサイドを4枚、「テツノカイナex」が相手の場に1体はでてくる「ビーダル」に"ごっつあんプリファイ"を通す、または、もう一度「トドロクツキex」を起動することでサイドを取り切れるとベストです。
ただし、「マキシマムベルト」や「ジャッジマン」、「ビワ」、「ロストシティ」の存在により、相手が止まらない場合は厳しい戦いを強いられます。相手側が1ターン目にエネルギーの手張りができなかった、2ターン目に「アルセウスVSTAR」に進化が出来なかった場合等には確実に勝ち越せるように善処しましょう。
先攻の場合、2ターン目に「トドロクツキex」の"カラミティストーム"を使うことが最も強い動きですので、全力で"はなえらび"を回していくことが大事です。「ライコウV」も「ダブルターボエネルギー」付きの"トリニティノヴァ"を耐えることができますが、「こだわりベルト」の採用率が高いためかなりリスキーであり、推奨できません。「基本悪エネルギー」が4枚採用である点を活かして、"カラミティストーム"を積極的に狙っていきましょう。
後攻の場合は、2ターン目に「トドロクツキex」で相手のベンチの加速された「ギラティナV」を倒すことで、「アルセウスVSTAR」の攻撃を耐えることができれば勝利に近づきます。ただし、先攻でも同じですがいずれにせよ「ロストシティ」で「トドロクツキex」が消されたらほぼ負けです。
どうしても環境に「アルセウス」系統が増えるようであれば、構築単位での対策を検討してください。
■【カビゴンLO】
明確に不利です。ジェットエネルギーを不採用としている以上、相手の「ビワ」によって手も足も出なくなる展開になりがちです。
基本的には「トドロクツキex」を最速で起動し、"カラミティストーム"でサイドを取り切ることを目指します。「プライムキャッチャー」は温存していると「ビワ」でトラッシュされてしまうため、相手の「ロトムV」が倒せるタイミングがあれば、即使うことを推奨します。
「キュワワー」でスタートしている場合は"はなえらび"が使えるため、「ヤミラミ」の"ロストマイン"もワザの選択肢に入ります。【イダイナキバLO】対面でも同様のことが言えますが、山札を掘ることを躊躇していると先にリソースを枯らされてしまうため、山札を掘れる場合は掘ってアタッカーの起動を優先しましょう。
このマッチアップをより勝てるようにしたい場合、「ミカルゲ」の採用を検討すべきです。「メテノ」を1枚だけ採用しても「ボタン」ループで受け回されてしまい、ベンチの隅にエネルギーが沢山付いた「メテノ」が追いやられてそのまま負けます。不要な対面でスタートするデメリットと、「ばつぐんグラス」を併せて採用しなければならないことを踏まえると、大きな価値はありません。
■【イダイナキバLO】
【カビゴンLO】と同様、明確に不利です。
序盤は「ウッウ」で戦うことも選択肢にはありますが、「ウッウ」で12回ワザを使っている間に山札が枯れてしまうため、早期から「トドロクツキex」を起動して"カラミティストーム"を使い続ける必要があります。
理想盤面は「緊急ボード」のついた「キュワワー」とエネルギーの付いた「トドロクツキex」のみの盤面ですが、じっくり「トドロクツキex」を起動していると取り返しがつかないことになりがちです。序盤は「トドロクツキex」の起動を最優先してロストを貯めましょう。
"カラミティストーム"をしっかりと使っていくことで「ボウルタウン」を場からトラッシュしつつ「イダイナキバ」を倒すことができれば、比較的「イダイナキバ」を並べ続ける要求が高いため、そのままタネ切れ勝ちすることも珍しくありません。
ゲーム中に1回「テツノカイナex」の"ごっつあんプリファイ"で「かがやくゲッコウガ」を倒すことができれば大きく勝ちに近づきます。「イダイナキバ」の"きょだいなキバ"によって倒されてしまいますが、倒されることで「すごいつりざお」によりエネルギーと「テツノカイナex」自体を山札に戻すことで、山札の枚数を回復できます。
○後書き
基本的なことを平たく丁寧に書いた結果、とんでもない長さになってしまいました。既にクリムゾンヘイズが発売され環境が変わっている今、ここまでお読みいただきありがとうございます。誤字・脱字等ありましたら指摘いただけますと幸いです。
読まれた方にとって、少しでも参考になれば書いた甲斐があったかなと思います。環境が変わっても、デッキを構築する際の根本的なフレームワークは活かせると考えています。
本記事は本文無料、投げ銭方式としています。参考になった方がもしいれば、チャンピオンズリーグ愛知やPJCSの旅費にしますのでご購入いただけますと大変助かります。
また、本記事やロストバレットに関する質問については、購入者様限定で対応させていただきます。DiscordやTwitterのDMからお願いします。
有料のおまけ部分には、「なぜ自分がロストのデッキを使うようになったか」を書こうと思います(S1まではパオジアンexのデッキを使っていた)。身近な人は既に聞いた方もいるかもしれませんし、ただの自分語りでTwitterみたいなものです。そもそも読んでも特に意味ないものをだらだら書いていますので、ご購入いただけた方で暇があればお付き合いください。
※本記事で確率の具体的な%を出している場合、自作のシミュレーターによる結果です。計算で算出した確率とは数%誤差がある場合があります
○ロストのデッキを使い始めた理由
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