無人君問題(2020年6月頃に下書きしてた記事)

何年ぶりの投稿?と思われるタイミングで、過去記事が意外といい感じだったので投稿する。なお、現在の状況に即していない部分も多々あると思われるので、当時ならまあそう思ったわなという程度に読んで頂きたい。

最近コンビニを利用する事はあまりなかったのだが、先日、伊藤忠によるファミマTOBのニュースを見たこともあって、そういえば、コンビニに行ってみようと、外出ついでにファミマでジュースを買ってみた。
結論から言うと、もうコンビニが自販機化することは目に見えた。間違いなく自販機化する。無人君である。ラララ無人君。
オフィスの下階にあるコンビニはレジスターが3機あるのだが、スタッフは2~3名体制で、ランチタイム以外はずーっと誰かが品出ししている。なので、休憩などを考えると動いているレジはほぼ1機。そして、コンビニは魔の公共料金支払いや郵便物発送業務がある。これが1機のみ稼働のレジで入ると、途端にレジは長蛇の列になる。気が付く店員なら品出しを中断し即2機目を稼働させるが、ひとたび出来た列な中々解消されない。
そして、さらに最近では電子決済による時間ロス※特に~ペイ系のQRコード決済はクソ遅い(現金なら小銭数えるロス)、レジ袋有料ですがどうなさいますか?の質疑応答、レシートは要りますか要りませんか問題など、レジ前だけでも仕事山積みなのである。しかも、それをお互いマスク、アクリル板越しでやるもんだから中々通じないストレスがある。これはコンビニに限ったことではないが。
その問題を解決しながら、品出しをして、在庫を管理して、発注して、弁当を廃棄して、掃除してゴミ出しして・・・。こんな忙しい仕事他に無いのでは??というレベルだ。ぼくは高校生になると同時にセブンイレブンのバイトをはじめたので、基本の業務は何となくわかっている。当時はほぼ現金払いだからもっと簡単だったし、ぼくは都内ではあるものの「市」が付く都市のさらに外れの育ちなので、夜20時頃になると、駐車場にヤンキーがたむろするようなゆるい店だ。ある日、ヤンキーがガムを買いに来た。その時にレジにた僕は、「温めますか?って聞け」とヤンキーの先輩に言われて、「あのお、、こ、これ温めますか?」と聞いたら、「あ?舐めてんのか?てめー?殺すぞ?」と言われた。ぶっこみの拓ばりに語尾が全部?だった。その日は駐車場のヤンキーがいなくなった隙をみてダッシュで帰り、そして、そのまま辞めた。それ以来そのコンビニには二度と近づいていない。

さて、ぼくの青春回顧録は置いておこう。

今後のコンビニには地域により多様な品ぞろえが必要になると言う。いわゆる細分化というやつだ。そうなると、同一商品を大量に全国展開して稼ぐ現在のフランチャイズモデルは崩壊する。本部の意向よりも現場感のほうが優先される店づくりになってくれば、もはやフランチャイジーである必要はないだろう。24時間営業問題や、弁当廃棄、本部スタッフのゴリ押し無駄発注問題などもある。しかし、商品管理、販売管理は必要である。これをやるのがコンビニのスタッフの仕事になる。そうなると、レジだの品出しだのにかける時間は減らさねばならない。となると、冒頭の無人君、つまり自販機販売が最も効率が良い。
自販機販売と言っても、いわゆるジュースの自販機のような仕組みでなくても良い。アマゾンGOのようなシステムが導入されれば最高だし、レジはスーパーのセルフレジのような仕組みであればすぐに導入出来るだろうし、ユニクロのような置いただけで商品の合計額が算出される仕組みなどがあれば御の字だ。ただし各社が商品に共通のRFIDを付けなければならないので、それは現実的ではないかも知れない。

そういえば、最近、レトロ自販機がブームであるというニュースを頻繁に目にする。
ああいった方式もなかなか素敵だ。一括で1,000円払わせるよりも、200円、300円と積上げていって客単価を1,200円にするほうが容易な気がするし、客も多くの購入体験を出来るという意味でお得感がある。

コンビニは、無人化。これは間違いない。
それでは、飲食業はどうだろうか?

飲食店で無人化が可能な領域は、サービス要素の低い業態に絞られる。
メニューの限られたファストフード、お弁当は相性バッチリだ。ファミレス、チェーンの居酒屋くらいまで行けるかも知れない。
バーやスナック、お客様との距離感が近い居酒屋やダイニングでは「売る」部分において無人化は難しいとされている。チェーンの一括配送と違い、個々で仕入れを行う居酒屋では、本日のおすすめをいかに売るかというのが利益に大きく関わるので、セールスを行う若くて可愛くて従順な店員はまだまだ欠かせないはずだ。しかし、このコロナ禍においては、店員からの積極的なセールスは理解を得られ難い。これからはいかにメニュー表示で売りたいものを売るかという手法が重宝されてくるだろう。回転ずしのタブレット掲示メニューのような、視覚的にキャッチの強いメニュー表が大切になり、何ならメニューに動画があっても良いかもしれない。そういう事が出来るようになってくると、ダイニングや居酒屋のセールスパーソンの存在も淘汰され始める。

さあ。残るはバーとスナックだ。
バーやスナックという業態は、基本的に飲食店でありながら飲食がメインの商品ではない。メイン商品は、空気であり、人である。スナックなんぞは、向かいのスーパーで特売69円で売っているポテチをお客の目の前でカゴに移すだけで300円~500円に価値を替える事が出来る。冷静に考えればめちゃくちゃな話である。バーも、座るだけで1,000円位取れる店はザラにある。
さて、スナックのママやバーテンダーを無人化できるか?現時点では答えはノーだろう。パッセンジャーという映画に登場するアンドロイドのバーテンダーがいるが、そういうレベルまで行かないと無理だ。(ちなみに、このバーテンダーもやはりAIなので、人間では起さないような過ちを犯す。)ただし、荒業として、この職種をリモートにすることはある程度可能であると思う。要は5店舗経営する愛されママがいるとして、ママの出勤していない店舗もリモートでつなぎ、リモートママとお話を出来るようにするのである。そうすれば、ママと実際に会って話をしたい客はママのいる店に行き、リモートでも良いという客は系列店に行けばよい。店のランク分けにも使えるし、何なら客の自宅から接続させて収益化する方法を編み出せれば、店のキャパシティはもはや関係無くなる。そうなると、もうスナックとしての営業許可すら不要だが。

インターネットが生まれ、スマホが出来て、ここまで世界を変えると考えていた人は少なかっただろう。同様に、この未曽有の危機が世界をどのように変えるかはまだまだわからない。飲食店においては、全く想像すらされなかった業態が出てくるだろうし、そういった波がいくつか起こる中で、これまで以上にみんなが楽しいと思える世界になることを切に願う。

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