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古書店と新刊書店とクラブ活動

コロナで外出や営業自粛が呼びかけられてから、改めて気づいた新刊書店と古書店の違いに"店頭買い取り"があります。

こんな状況で、仕事が休みになり、貯金が僅かな人の中には、蔵書を持って古本屋さんに向かった方がいらっしゃるかもしれません。公的な休業補償が不透明な中で、古本屋さんが一時的なライフラインの役割を果たすこともあるでしょう。外出自粛でお客さんが減っている中で買い取りを行うお店もあるかと思うと、せつないです。

数日前の休業要請で、新刊書店と古書店が線引きされ、同業者と思っていた古本屋さんは要請対象になりました。買い取り以外にも、新刊価格では手を出せない高めの本を安く売ってくれたり、この時期だからこそ有難いサービスを提供しているのに、これを機に休業に入ったお店も多いでしょう。本を扱い、店の造りや接客方法も古本屋さん同様で、感染リスクも同じなのに、新刊書店は休業要請&助成金の対象にならないなど、対策には、わりきれない部分もあります。タコシェは4月8日から、実店舗はお休みしていますが、開ければ感染拡大が不安、閉めれば売り上げがない、という辛い日々です(暗い話になってすみません)。

かつて、映画監督のF・フェリーニは、映画を映画館という巨大なベッドに入ってみんなで見る一つの夢にたとえましたが、私にとって、古本屋さんも新刊書店も図書館も本を提供する仕事や場所は、一つの生態系、宇宙に思えます。

この宇宙を棲家とする人々、お客さんはもちろん、図書館で1日の多くの時間を過ごすおじいちゃんや不登校の中学生、心の中で妖精と呼ばせてもらっている中野ブロードウェイをパトロールする人たち. 皆さん、お元気ですか?

映画、音楽、アートに触れることができる場所の多くが、不要不急の場になってしまった今、ざわざわした心に安らぎを与えてくれるのもまた、映画や音楽、アートに本です。

3月の半ばすぎ、ロックダウンで外出を規制されたフランスの友人アーティストから、急遽結成されたビデオクラブへの誘いがありました。SNS上におすすめ映像の情報やリンクをアップして、引きこもり生活をみんなで楽しもうぜ、というわけで、私は東京にいて都市封鎖はされてなかったけど、仲間に入れてもらいました。

働くなと言われると、なぜか普段よりクリエィティヴになり、生き生きと情報更新するクラブ会員たち。秘蔵映像をアップロードしてリンクを公開したり、ゲスい映像を発掘して紹介したり。ところが、攻めすぎたのか、マクロン大統領が外出規制の1ヶ月延長を宣言したのと前後して、この会員制ビデオクラブはSNSの規制に触れて、突然の閉鎖=ロックダウンに追い込まれました。

「俺たちのビデオクラブにアクセスできないぞ、どうしたんだ!?」
「閉鎖? 再開はCOVID20出現まで待たないといけないのかよ?」嘆き騒ぐ会員たち。
しかし! 名前を変えてビデオクラブはほどなく生まれ変わりました。非常時のこのしぶとさと変わり身の早さはぜひとも見習いたいものです。

※画像は、内容に関係なく、在宅時間が増えてハーブ栽培でもしたいと考えている方におすすめのローズマリーです。旅行で放置している間も、雨水で生き抜き20年来の付き合いになる信頼のハーブ。ほか多年草のチャイブも薬味として大活躍してくれます(冬は根っこだけになり、春に復活します)。

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